重陽
今日は重陽です。
「今日は何の日か知ってっかよ」というのは現役時代の9月9日の授業の冒頭、なつかしいや。
「重陽といってね、菊の節句なのさ。」
「「九」は奇数で「陽」の数ということになっていて、「陽」の数が「重なる」から「重陽」。「ちょうよう」って読むんだよ。「じゅうよう」じゃないからね。」
と、まあ、5分くらい、年長者の知識をひけらかして授業への導入とするのでした。
化学の授業ですが、国語もやる。
「六日の菖蒲、十日の菊っていう言葉は?知ってる?」
「一日遅れで、価値を失ったということかな。今なら15日のチョコレートとというのもありかもしれない。」
十日の菊(とおかのきく)
(菊は9月9日の節句のものだからいう)時機に遅れて役立たないもののたとえ。
しばしば「六日の菖蒲あやめ」と対にしていう。
広辞苑第六版より引用
朝日新聞の1面右上です。こんなところ普段気にしたこともないけれど、ふと見たら、振り仮名がついていました。
「重」を「ちょう」と読む読み方は劣勢ですね。
「重複受精」を「じゅうふくじゅせい」と読むのが嫌で、国語の先生に伺ったら、「国語でもこのごろは『じゅうふく』と読むようになったようです」とのこと。がっかりしました。
とはいえ、まさか「貴重品」を「きじゅうひん」なんて読まないですよね。
なんだかな。老人にとっては言葉の変化に追いつけなくなってきたのかも。
↓朝日新聞デジタルから
(ことばの広場 校閲センターから)重陽(2016年9月7日05時00分)
「六日の菖蒲(あやめ)、十日の菊」という言葉があります。前半は菖蒲が5月5日の端午の節句のものであることから、6日には時期遅れになるという意味です。では菊は何月9日の花でしょう? 正解は9月。あさって9月9日は重陽(ちょうよう)、菊の節句です。
重陽はあまり一般的でなく、私も大人になってから知った節句ですが、江戸時代初期に幕府が定めた「五節句」に、端午と共に含まれます。他の三つは七草の1月7日「人日(じんじつ)」、ひな祭りの3月3日「上巳(じょうし)」、たなばたの7月7日「七夕(しちせき)」で、日付はおなじみでしょう。
重陽は、陰陽思想でめでたいとされる陽数(奇数)が、月と日で重なることが名の由来です。奇数の重複は他の五節句も同様で、上巳、端午を「重三(ちょうさん)、重五(ちょうご)」と呼んだりしますが、1桁で最大の「極まった」陽数9が重なる日を重陽と呼びます。
・・・
★ところで、話題が飛び火して。
NHKのニュースで
「沖縄と基地めぐる記述、2回目の訂正 帝国書院、高校教科書で」(2016年9月1日05時00分)こんなニュースがありまして。
・・・
コラムの同じ箇所をめぐっては4月にも「事実誤認」との指摘があり、「県内の経済が基地に依存している度合いはきわめて高い」といった表現が削除されている。
・・・
ここでニュース画面には
このようにわざわざちゃんと「いそん」という振り仮名をつけた教科書の写真が出ている時に、アナウンサーは「いぞん」と発音してました。NHKが言葉の混乱のお先棒をかついでいるのではないか、という以前からの不審感は募ります。
そのうち「存在」を「ぞんざい」などと読む時代が来るのかなぁ。世も末じゃ。
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