黄経135度日=いわゆる立秋
昨日8月7日は立秋でした。
高温注意報だらけの中で、立秋かよ、これだから古い暦は困るよな。
というような声が聞こえてきそうですね。
いえ、季節を生み出すのは太陽。月の暦だけでは、暦と季節が一致しないのです。
ですから、月の暦に太陽の位置を書き込んだのが二十四節気なのです。
二十四節気は太陽暦ですから、現在使っている「新暦=太陽暦」で、二十四節気は毎年ほぼ同じ日になるのですね。月の暦ではこうはいきません。
今年の立秋は8月7日10時53分でした。
え?何それ?
太陽黄経が春分点を0度として、「135度」になる時刻です。
夏至点からは45度進んだことになりますね。
その時刻を含む日を、立秋と呼んでいます。
立夏から夏至を経て立秋へ。太陽の南中高度は7度上がって7度下がるだけ。
高い角度から太陽エネルギーを受けて、蓄熱し、気温が上がって、立秋前後が年間で一番気温の高い時期になります。
よく「大暑」のときに、年間で一番熱いころとされます、という解説をしますが、あれはウソ。
一番エネルギー流入量の大きな夏至の頃から45度=約45日たって、暖まりきったのです。
そして、ピークを過ぎれば下がり始める。
まさしく、立秋あたりを過ぎると、気温が下がり始めるのです。徐々に、ではありますが、確実に秋は立ちました。
これは東京の7月8月の平年気温のグラフです。
立秋の前後が最高気温も最低気温も年間の「ピーク」なんです。
立秋をすぎてちょっとすると、わずかずつ、気温が下がり始めるのです。
そりゃ暑い日涼しい日もありますが、長い期間の平均を取ってみると、立秋を過ぎると確実に気温の低下が始まるのです。
それは東京だけのことじゃないんですか?といわれそうですね。
これは鹿児島の7月8月です。
ピークが少し幅広いですが、やはり立秋を過ぎてちょっと経つと気温が下がり始めますね。
これは稚内の7月8月。
ピークが少し遅れて10日ごろからですか、でピークの幅は狭い。
でもまあ、傾向としては同じといっていいでしょう。
立秋を過ぎてしばらくすると、秋が始まる。
日本中、この傾向はほぼ同じです。
まさに「立秋」は「秋が立つ頃」なのです。まだ暑いのは当たり前なのですね。
「太陽の位置が春分から135度進んだ日」の名前であることを、ご理解ください。
適切なネーミングだった、と私は思います。
★立秋を過ぎると、日の入りの時刻がぐんぐん早くなります。
秋分では立秋より約1時間早くなるんですね。夕方が早く来る。これは生活で実感できます。
日の出 日の入り
立秋 (8/7) 4:54 18:39
秋分(9/22) 5:29 17:38
理科年表から、二至二分四立の近くの日の太陽南中高度を抜き出してみました。{計算は難しくないけど、めんどくさかったので。}角度単位は「度」です。
2/5 38.14
3/20 54.43
5/5 70.41
6/19 77.46
8/8 70.23
9/22 54.33
11/6 38.17
12/21 30.56
立春から冬至まで。
立秋を過ぎると、太陽がどんどん低くなりますね。影が長くなる、といっても同じ。
季節を光で感じて、お楽しみください。
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