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2016年7月19日 (火)

スダレ

0707_11yuuyake1 2016.7.7
居間のガラス戸を開けて今まさに雨戸を閉めようとするところ。
日除けのスダレ越しに西の赤い空が見えました。
この時はフラッシュは発光していません。
相対的に外が明るく家の中が暗い。
ですから、家の中の光がスダレで反射して戻ってくる量は少なく、外部の赤い空の光がスダレの隙間から入ってきて赤く写った。もう一枚、とシャッターを切ったら
0707_11yuuyake2
この時はなぜかフラッシュが発光しました。
発光したフラッシュの光りがスダレで反射して戻ってきてカメラに入った。
で、スダレが写っている。
西の空の赤い光も当然、前の写真と同じぐらいにスダレ越しに入ってきているのですが、フラッシュの反射光が強くて赤い空があまり見えなくなってしまった。

これ、昔から知られていることではあります。
スダレがあって、昼間、外が明るくて家の中が相対的に暗い。
すると室内から外は見えるけれど、屋外から室内の様子はほとんど見えない。
実は、室内からの光も外に出ているのですが、外からは、外の明るい光でスダレが光るため、弱い室内光が見えにくいのです。
逆に、夕方以降は、外が暗くて室内が明るい。
室内から外を見ると、スダレが室内光で光ってスダレが見え、外の様子は見えにくい。外の光も入ってきてはいるのですが弱くて見えない。
外から部屋を見ると、部屋の様子が丸見え。要注意。

これ、マジックミラーとも同じ原理なのです。
普通の鏡では蒸着されたアルミの層が厚くて向こう側の光は遮断されます。
アルミの蒸着層を薄くすると、「スダレ効果」が出てきて、暗い側から明るい方を見ることはできるが、明るい方からは鏡にしか見えない、のですね。暗い側からの光も透けてきてはいるんですが弱いので強い光に負けてしまう。

マンションなどの外壁工事のときなどに、スダレ様のネットを垂らすことがあります。
そうすると、室内から外は見えるけれど、外から室内が見えにくくなって、プライバシー保護になるのですね。
夜はご注意ください。逆転しますから。

★検索していて、鏡はガラスに水銀が塗ってある、と書いたものがありました。
これは現在の鏡については誤りです。
昔の青銅鏡の場合は、研磨して、最後に塩化水銀を塗布して、水銀を析出させ、滑らかな鏡面にしました。
でも、ガラスの鏡になってからは水銀は使われていません。
私の子どもの頃は、銀鏡反応を使ってガラスに銀メッキした鏡が使われていました。
今は、真空中でアルミを蒸発させてガラス面に付着させる、アルミ蒸着が普通です。
誤解のないよう。

★江戸時代の絵を見ていた時に、江戸市中の商売がいろいろ描き込まれていました。
中に、天秤かついだ「鏡研ぎ」もありました。
ということは、江戸市中を、鏡研ぎます、といって回って歩くと、その日一日の食い扶持が稼げるくらいに「鏡」という道具が民間人にも普及していたということではないでしょうか。
研ぎ師はもちろん機械的に研いで滑らかにするとともに、仕上げに塩化水銀を塗ったはず。危険な仕事だったでしょうね。青銅鏡の表面でアマルガムになった水銀からは室温では水銀蒸気はほとんど出ませんから、家での水銀中毒はなかったと思います。
こんな話を化学の授業でもしましたっけ。
昔話では、鏡というものを知らなくて、タンスの中にあった鏡に映った自分の姿に驚いた女房が、亭主を責める、というような話もありましたっけ。
でも、江戸市中ではそれなりに普及していたのだと思いますよ。

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