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2016年6月 3日 (金)

ホボロ島

★朝日新聞の小さな連載「しつもん!どらえもn」。その2267が面白かった。「せとないかい編」なのですが。
「瀬戸内海にあるホボロ島という無人島は昔に比べて小さくなったよ。どうしてかな。」
こういう質問のこたえが
「ナナツバコツブムシというダンゴムシの仲間にあごで削られ、波に浸食された。明治時代に21mだった島の高さは、2007年には6mになったよ。」

あらら。そんなのありかよ。知らなかったなぁ、と思いつつ、自分の個人データベースを検索したら「ありました!」

虫に食べられ島が消えそう 広島のホボロ島(朝日新聞デジタル 2007年07月11日11時55分)
 広島県東広島市安芸津町沖500メートルにあるホボロ島(じま)が、小さな虫の大発生で崩壊が続き、消滅の危機にひんしている。調査をしている東広島市自然研究会長の沖村雄二広島大名誉教授(地質学)らが明らかにした。
 調査は昨春、地元の小学校から「ホボロ島が年々なくなりつつある」と相談されたのがきっかけ。現地調査したところ、体長1センチ程度でダンゴムシ似のナナツバコツブムシという虫が大発生していることがわかった。この虫は、頑丈なあごで島の岩を削り、直径約1センチ、奥行きが1~5センチのすみかを作っていた。
 島の岩は風化で弱くなって虫食いされやすくなり、さらに波に浸食されて急速に崩壊しているらしい。

 島は、江戸時代の広島藩の山村調査(1725年)では高さ約20メートル、東西55メートルの一つの山だったが、1883(明治16)年に二つに割れたと記録があり、その後の測図では西端に二つの岩があった。最近では片方がほとんど消え、最高地点は6メートルになっている。
 瀬戸内海の他の島でも風化はみられるが、島全体が崩壊しつつある例は珍しい。沖村さんは「ホボロ島は、島全体が風化や虫食いを受けやすい岩石でできているためではないか」と話す。

2007年に報道されていたんですね。その時「面白い」と思ってデータベースに載せておいたわけですが、記憶からは完全に消滅していました。情けない頭脳だ。

★今回改めて調べてみました。
↓これがわかりやすいですね。日本地質学会のものです。
http://www.geosociety.jp/faq/content0012.html

広島県東広島市安芸津町赤碕の沖にある小さな島,ホボロ島は,ここ数十年の間にみるみる小さくなり,若いころに遊んだ島の面影は全くなくなったと語る老年の方々は少なくない.台風のたびに目だって小さくなるし,どうしてこの島だけが急速に小さくなるのだろうか?と,理由がわからないまま,ホボロを売るという民話ともあいまって,わびしく見守られてきた.明治30年と大正14年に測図され,昭和3年と31年に発行された2万5千の分地形図,三津図幅では,この島の高さは21.9mと標記され,長径が120m+と読み取れるが,現在,高潮位時の海面上に見られる部分は,高さ6m・幅が8m×3mに足りない搭状の岩石が島の西端に一つあるにすぎない(写真1).ちなみに周辺の島の規模はほとんど変化していない.島がなくなるのではと言われる中,安芸津町木谷小学校5年生の環境学習テーマとして島の自然がとりあげられ,コスモ石油エコカード基金(学校の環境教育プロゼクト)と父兄の助けを借り,海浜の生態系を中心に調べる上陸作戦がおこなわれた.筆者らは,同行の機会をいただいて,地質調査を行った.構成岩石は,デイサイト溶結結晶凝灰岩(松浦,2001)で,赤色化の激しい風化作用のために軟岩化がすすみ,島全域の潮間帯に無数の穴があることに気がついた.調査がすすむにつれて,10mm±くらいの“ダンゴムシ”よう生物がこの穴に棲んでいることが確認され,その頻度は表面積の50%以上(写真2)にたっし,明らかに生物侵食作用であることを伝えた.潮間帯上部では穴がこわれて連続して巻貝やカニの棲みかとして利用され,波のエネルギーによるムシの棲みかの崩壊が容易に考えられる.それによって引き起こされる潮間帯の軟岩の崩壊が,上位の岩石の崩落をまねき,島が小さくなる大きな原因であることは間違いない.実際に潮間帯の穿孔穴が発達する軟岩化した基盤岩の上には,風化作用を受けていない巨~小礫岩が散在している.詳しくは,本誌に発表する作業をすすめているが,このムシが,凝灰岩に穿孔することが知られている「ナナツバコツブムシ」(写真3)であることを,北九州自然史博物館,下村通誉学芸員に鑑定していただいた.生物侵食作用(bioerosion)という学術用語は知られているが,ほとんどが生痕として観察・記載されたもので,島が消失するという規模とその速度からして,この島の現象はきわめて異質であり報告する(2007,2,10,日本地質学会西日本支部例会でポスター発表)

「ホボロ」についてはウィキペディアに記載がありました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%9C%E3%83%AD%E5%B3%B6

 ホボロ島(ホボロじま)は、広島県東広島市にある無人島。
 豊田郡安芸津町(あきつちょう)に属していたが、2005年2月7日に安芸津町が東広島市に編入されたため、現在は東広島市に属している。地元でホボロと言われる竹かごをひっくり返したような形をしていることから、ホボロ島の名が付けられた。
 地元では、嫁入りしてきたこの島が、松の木や周囲の島の励ましにもかかわらず、すこしずつやせ細っているという伝説[1]があり、年々小さくなっている。昭和時代中期に国土地理院が発行した地形図によれば、昭和3年に発行された地図には島の高さは21.9mと標記されており[2]、島名の由来になった「竹籠」のような小山であったが、21世紀初頭現在では満潮時に岩が顔をのぞかせるのみである。
 この急速な景観の変化の原因が、島を構成する凝灰岩がワラジムシ目コツブムシ科のナナツバコツブムシによって生物侵食(英語版)されているためであることが、広島大学名誉教授沖村雄二の調査により明らかになった[2]。島は、2007年現在では高潮位時で6mに過ぎず[2]、100年後には島自体が消滅してしまうとも言われている[3]。

生物侵食作用は私も知ってましたが、島が小さくなっていくというのは、すごいですね。
http://kotowaza-allguide.com/ku/guukouyamawoutsusu.html

【愚公山を移すの解説】
【注釈】中国の愚公という名の90才にもなる老人が、家の前にある二つの大山をほかへ動かそうと、土を運びはじめた。人々はその愚かさを嘲笑したが、愚公は子孫がその行いを引き継げば山を移動させるだろうと、一向にひるまなかった。
その志に感じ入り、天帝(神様)が山を移動させ平らにしたという故事に基づく。
【出典】『列子』湯門篇

「ナナツバコツブムシ島を消す」ですか。子孫代々引き継いできたんだよなぁ。
スゴイ。

↓ここの話も面白いですよ。
http://ikimonotuusin.com/doc/371.htm
Vol. 371(2007/7/29)
[今日の事件]小さな節足動物が島をくずす
 しばらく前に、ナナツバコツブムシという生物が島を消滅させつつある、という新聞記事がありました。朝日新聞では7月11日夕刊、毎日新聞では6月26日(こちらはネット掲載日付)に掲載されています。生物が原因で島が消えるとはどういうことなのでしょうか。
 ・・・
 それによると、「風化しやすい凝灰岩」「ナナツバコツブムシが岩に巣穴を掘る」「波の破壊力」といった原因が重なって島が消失しつつあるとのことです。
 この「ナナツバコツブムシ」は、ワラジムシ目コツブムシ科に分類される動物です。ワラジムシ目にはその名の通りのワラジムシや、よく似たダンゴムシ、フナムシなどが含まれています。ワラジムシ目はさらに大きな分類では甲殻類に含まれるのでエビやカニの親戚とも言えますし、さらに大きくくくれば節足動物ということになります。
 さて、このホボロ島の記事の内容ですが、「ナナツバコツブムシが岩を食べている」と誤解している人が多いのではないでしょうか。私が読んだ朝日新聞の記事ではナナツバコツブムシと島崩壊の関係についてあいまいな記述しかされておらず、毎日新聞の方も「無数の虫が掘った穴に波が打ち寄せることで岩が削られ」と書かれていて、ナナツバコツブムシが岩を食べたようにも受け取れます。
・・・

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