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2016年6月14日 (火)

in my lifetime.

★オバマ米大統領の広島での5月27日の演説で、「私の生きている間に、この目標は実現できないかもしれない(We may not realize this goal in my lifetime.)」というフレーズについて、どちらかというとネガティブな解釈が多いように見受けました。

(オバマ米大統領@広島:中)「核の傘」日米ジレンマ(朝日新聞デジタル 2016年5月29日05時00分)
・・・
 「私の生きている間に、この目標は実現できないかもしれない」。オバマ大統領は27日、広島から演説し、「核兵器なき世界を追求する勇気」を語る一方で、こう留保もつけた。
・・・

朝日新聞の読者投書欄「声」から(2016年5月29日05時00分)
 一方で、大統領は「(核廃絶は)自分が生きているうちにはおそらく達成できないだろう」と率直に述べた。現実は厳しいということだろう。

(書評)『核の脅威 原子力時代についての徹底的考察』 ギュンター・アンダース〈著〉(2016年6月5日05時00分)
・・・
 オバマも「人類が自らを破滅に導く手段を手にした」問題性に言及し、「核兵器なき世界」の追求を誓ったが、生涯の間には実現できないかもしれないと、先延ばしするのを忘れなかった。それは、われわれ人類の、あまりに遅くあまりに小さな一歩であった。

など。
 たまたま、私はあのスピーチをリアルタイムで視聴したのですが、この「in my lifetime」という言葉に、上に引用したような感覚とは異なるものを私は感じていました。
 1961年のジョン・F・ケネディ大統領就任演説を思い出していたのです。その演説を直接聞いたのではありません。
不思議な企画があって、大統領就任演説の録音を使って、まるでケネディが歌唱指導をしているような歌のレコードを聞いたのです。
1963年発売だったでしょうか、「ケネディと歌おう」(“SING ALONG WITH J.F.K.”)というタイトルのLPレコードです。中学生の私はこの演説・歌に感動したものです。ずいぶん聞きました。中学生の英語力でも充分に聞き取れ理解できるクリアな演説でした。企画そのものにも仰天した。政治家が希望と意志のこれほど格調高い演説をするのか。{それに引き比べて、日本は・・・}。そしてそれを歌にしてしまうなんて。{不謹慎だなんて言われることもないのでしょう、そういう「文化」なんだなぁ、アメリカって。}

↓これを是非聞いてください。素晴らしいですよ。
https://www.youtube.com/watch?v=4DMURserfvA
Let Us Begin Beguine/John Fitzgerald Kennedy

・・・
Together let us explore the stars, conquer the deserts, eradicate disease, tap the ocean depths, and encourage the arts and commerce.
・・・
All this will not be finished in the first 100 days.Nor will it be finished in the first 1,000 days, nor in the life of this Administration, nor even perhaps in our lifetime on this planet.
But let us begin.
このすべてを、最初の100日間で達成することはできないでしょう。1000日でも難しいでしょうし、この在任期間中、あるいはこの地上に我々が生きている間には達成できないかもしれません。
それでも、始めようではありませんか。

最後の「But let us begin.」、これにしびれたのです。
「But let us begin.」そこには強い意志力が提示されていると思います。
 私は今回のオバマ大統領の演説に、この「But let us begin.」の響きを感じ取ったのです。ケネディ大統領のお嬢さんキャロラインさんが大使として日本に駐在している現在、この「今」であるからこそのフレーズという気もしました。

核廃絶へ向けて、まず一歩を踏み出そう。世代を超えてトーチを繋ぎ続けていこう。
Let us begin.

と。
{上のyoutubeの画像には大統領執務室にいる子どもの映像があります。おそらく幼いころのキャロラインさんと弟のケネディ・ジュニアではないかな。ケネディ大統領が松葉杖を使っていると思われる写真もあります。日本ではあまり知られていませんでしたね。}

★理想と現実は違うんだよ。とは「大人」の言葉。
世界の「力」の政治の中央にいるアメリカ大統領、広島にも「核のボタン」を持ち込まざるを得ない現実、戦時態勢に入った時に大統領が指揮を執る特別機を随伴してきたという現実があります。
だからといって、現実が今こうだからと、ただ流されていればいいのでしょうか?
オバマさんはまた、こうも言いました。

Artifacts tell us that violent conflict appeared with the very first man. Our early ancestors, having learned to make blades from flint and spears from wood, used these tools not just for hunting, but against their own kind. On every continent, the history of civilization is filled with war, whether driven by scarcity of grain or hunger for gold; compelled by nationalist fervor or religious zeal. Empires have risen and fallen. Peoples have been subjugated and liberated. And at each juncture, innocents have suffered, a countless toll, their names forgotten by time.

「火打ち石から刃を作り、木からやりをつくることを学んだ私たちの祖先は、これらの道具を狩猟だけでなく、人間に対しても使った」と。
そこから説き起こすのかい、とドキドキしましたね。

we are most starkly reminded of humanity's core contradiction; how the very spark that marks us as a species ― our thoughts, our imagination, our language, our tool-making, our ability to set ourselves apart from nature and bend it to our will ― those very things also give us the capacity for unmatched destruction.

And perhaps above all, we must reimagine our connection to one another as members of one human race. For this, too, is what makes our species unique. We're not bound by genetic code to repeat the mistakes of the past. We can learn. We can choose. We can tell our children a different story ― one that describes a common humanity; one that makes war less likely and cruelty less easily accepted.
 そして、おそらく何にもまして、私たちは一つの人類の仲間として、互いの関係をつくり直さなければいけません。なぜなら、そのことも人類を比類なき種にしているものだからです。私たちは遺伝情報によって、過去の間違いを繰り返す運命を定められているわけではありません。私たちは学び、選ぶことができます。人類が共通の存在であることを描き、戦争をより遠いものにし、残虐な行為は受け入れられがたいような、異なる物語を私たちは子どもたちに伝えることができます。

The world was forever changed here. But today, the children of this city will go through their day in peace. What a precious thing that is. It is worth protecting, and then extending to every child. That is the future we can choose ― a future in which Hiroshima and Nagasaki are known not as the dawn of atomic warfare, but as the start of our own moral awakening.
 世界はここで、永遠に変わってしまいました。しかし今日、この街の子どもたちは平和に暮らしています。なんて尊いことでしょうか。それは守り、すべての子どもたちに与える価値のあるものです。それは私たちが選ぶことのできる未来です。広島と長崎が「核戦争の夜明け」ではなく、私たちが道徳的に目覚めることの始まりとして知られるような未来なのです。

このエンディングの後に、implicitにではありますがもう一言、隠れているのではないでしょうか。
Let us begin.
と。

「1」がなければ、2も3・・・も続き得ないのです。Successorによる継承というものがありえないのです。
まず、1歩。
願ったり、祈ったりするのではなく、今、ここから、始めましょう。自分の足元から。
平和とは行動なのです。

★熊本地震の時に、私の心にグサッときたくとばがありました。
朝日新聞デジタル(2016年4月20日11時57分)

 人気漫画「ワンピース」の原作者で、熊本市出身の尾田栄一郎さん(41)も19日、公認サイトにメッセージを掲載した・・・。
「子供達に、1番に笑ってほしい!そしたら大人は頑張れるんだ!!」
・・・

避難所で小学生が元気に活動すると、みんな元気になりましたね。
そうなんです、子どもたちは私たちの未来なんですから。
子どもたちが笑顔で暮らせる地球、へ向けて歩き始めましょう。

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コメント

かかしさん、素敵な記事をありがとうございました。
キング牧師やマララさんのスピーチはいろいろ
解説されていて目にすることが多かったのですが、
オバマさんのスピーチ、リアルタイムでも新聞に
載ったときも、きちんと読み取ろうとしていなかった
です。こんなに想いが込められていたんですね。
気づいてよかった。かかしさん、良い機会をありが
とうございました。ちょっと息子にも話してみようと
思います。そして、ケネディー大統領のスピーチ、
知らなかったです。聞いたそばから耳から離れません。

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