潮干狩りの原理
★連休の終わりごろ、潮干狩りの記事がありました。
どう?取れたかい 好天の浜辺、2万人が潮干狩り 横浜・海の公園(朝日新聞デジタル 2016年5月8日05時00分)
大型連休終盤の7日、好天に恵まれた横浜市金沢区の「海の公園」は、潮干狩りを楽しむ親子連れなどでにぎわった。
・・・
潮の満ち引きの原理は大抵こう解説されます↓
https://www.kahaku.go.jp/exhibitions/vm/resource/tenmon/space/moon/moon04.html
干潮や満潮などの潮のみちひきは、月がひきおこす現象です。潮のみちひきをおこす力を潮汐力(ちょうせきりょく)とよびますが、もともとは月の引力によるものです。
海水は液体で自由に動くことができますから、地球上で月に向いた面の海水は月の引力に引かれて少し持ち上げられ、満潮になります。ところが、ちょうど月の反対にあたる所でも満潮になるのです。これは、月のま下にあたる点と、地球の中心、月のま反対の点にはたらく月の引力を考えることで分かります。月の引力は、ま下の点でいちばん強く、地球の中心では中ぐらいに、反対の点ではいちばん弱くなりますので、地球上で見ると月の反対側でも海水が盛り上がって満潮になります。そして、月と直角な方向では海水が低くなり、干潮になるのです。
このように、潮のみちひきは地球上での場所による月の引力の大きさの違い(これが潮汐力です)によっておこります。また、太陽の潮汐力からも潮のみちひきがおこりますが、これは月の半分ほどの大きさになります。月と太陽の潮汐力がおたがいに助けあう新月や満月のころは、潮のみちひきが大きく大潮となり、おたがいに弱めあう上弦や下弦の半月のころは、みちひきの小さい小潮になります。
「遠心力」を持ちださないところが科学博物館らしいな、と思いました。
「遠心力」は便利な概念ですが、あまり濫用しないほうがいい。何でもかんでも遠心力にお任せすると、ことの本質が見えにくくなる。
↓この科博のサイトの図を引用します。{グレースケールに変換してあります。}
太陽と月が重なったときにその方向が「満潮」になっていますね。
今年の5月7日は朔(新月)でしたから、ちょうどこの図と同じ位置関係でした(太陽-月-地球)。{正午の月齢 0.3 南中12:00}
そうすると、太陽が真上にある時、月も南中していて、その方向が満潮だとしたら、昼間には潮干狩りはできませんね。
明け方と夕方の位置が干潮になっているはずです。
でもなぁ、みんな日中に潮干狩りをしたんだよなぁ。
7日が朔でこのころが大潮、14日が上弦で、上弦のころは小潮です=太陽と月の位置が地球から見て直角なので。
5月7日正午のころ、干潮ですねぇ。
変ですね。
頭の上に太陽も月もある、その時に干潮だなんて、いいんですか?
この問題、実は以前に議論したことがありまして、同じことを再度書いても仕方ないので、答えはそちらをお読みください↓
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-46d9.html
2013年12月 2日 (月)「潮の満ち干」
潮の干満は月や太陽の引力による海水の「強制振動」の現れなんですね。
海水を引く力と、実際の海水の動きの間にずれが生じているのだそうです。
昔、小学生の頃、潮干狩り遠足だったかな、その最中に日食を見ましたよ。
昼、太陽と月が真上で重なって日食になり、その時足元は干潮だったんですね。
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