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2016年2月19日 (金)

ペルソナ

朝日新聞一面の連載「折々のことば」から

折々のことば:312 鷲田清一(2016年2月16日05時00分)
 目から鱗(うろこ)が落ちる
 (使徒行伝〈新約聖書〉)
     ◇
 イエスを迫害していた張本人が、突然視力を奪われる。イエスの弟子が手をあてると目から鱗のごときものが落ち、彼は回心する。鱗とは、折り重なる先入見で曇らされた眼鏡のようなもの。外すと視界がぱっと開ける。だがそれは、色眼鏡を透明の眼鏡にかけ替えただけのことかもしれぬ。仮面を外した素顔が別の仮面であるように、人はついに眼鏡なしには見えないのかも。

★まずはストレートに。
「人はついに眼鏡なしには見えない」のです。
認識には概念枠が必要なのです。
言葉もまた概念枠なのです。
概念枠のない領域へ踏み込む「歓び」がおそらく科学の原動力。
それはまた、極度の孤独でもあるはず。誰もまだ経験していない領域へ踏み込むのですから。

もう一つ、人間は肉体的な存在ですから、認識は肉体を脱出することはできない。
どんな観念にも身体性が付きまとうことは必然。
純粋観念などというものはあり得ないのです。

と、偉そうなことを。

★ついで、表題の「ペルソナ」
辞書からの引用

ペルソナ【persona ラテン】(もと仮面の意)
①人。人格。
②キリスト教で、知性と意志とを備えた独立の主体。位格。 →三位一体。
③美術で、人体像。
広辞苑第六版より引用

ペルソナ【persona(ラテン)】
 ①人格。②仮面。③キリスト教で,父・子・精霊の三つの位格。④美術で,人体・人体像。
パーソナル現代国語辞典より引用

「仮面を外した素顔が別の仮面である」
それがペルソナであり、人格でもあるのでしょう。
仮面と人格が同じ語源であることに、驚きを覚えたことでした。
ついに人には仮面を脱ぐことはなしえない。仮面を脱ごうとすること自体が仮面の行為である。
それをして「人格」というのですね。

★「考証要集」大森洋平 著、文春文庫から引用

目からウロコが落ちる:これは新約聖書使徒行伝第九章のパウロ回心の場に出てくる言葉で、日本古来のものではない。明治のキリスト教解禁で、聖書の翻訳が可能になってから広まった表現である。よって時代劇の台詞で粋な江戸っ子が「あっしは目からウロコが落ちやした」などと言ったら、そいつは隠れキリシタンになってしまうのでくれぐれも注意すること。

★メニコンのサイトから引用
http://www.menicon.co.jp/eyetalktown/trivia/vol13.html

目のトリビア
第13回 “目から鱗(うろこ)が落ちる”って本当にあるの?

 「目から鱗が落ちる」という言葉がありますね。ふとしたことがきっかけで、今まで分からなかったことが急に理解できるようになる、ということのたとえで、意外といろんな場面で使われることが多いのではないでしょうか。
それにしても、本当に目から鱗が落ちる、なんてことがあるのでしょうか?もちろん人間に鱗はありませんから、鱗が落ちるはずがありませんよね。でも、目から鱗が落ちる生物がいるんです!
 それは…ヘビ!ヘビは本当に「目から鱗が落ちる」のです
ヘビの目は人間のように角膜が露出していません。しかもまぶたもありません。その代わり目を保護するように透明の眼鏡レンズのような鱗で覆われているのです。
脱皮したヘビの抜け殻をよく見ると、目の部分がそのままつながっており、穴が開いてないことが分かります。ということは、ヘビは脱皮するたびに鱗を落としている、ということに!まあ、どちらかというと目から鱗を脱ぎ落としている、といったほうがよいのかもしれませんが…。
 ところで、ではどうして「目から鱗が落ちる」という言葉が生まれたのか? その語源はキリスト教の「新約聖書」の中に。キリストが起こした奇跡で、盲目になった男性の目が元通り見えるようになったという新約聖書『使徒行伝』の中の「直ちに彼の目より鱗のごときもの落ちて見ることを得」からきているとされています。
本来は「誤りを悟り迷いから覚める」という意味であったものが、後に今のような解釈になっていったと考えられます。
実際に人間の目から鱗が落ちることはないにせよ、目から何かつき物が落ちて物事がよく見渡せるようになる感覚は、この言葉から伝わってきますよね!

参考文献
動物大百科第12巻 両性・爬虫類(平凡社)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)

まあ、虫の脱け殻も、目のところは透明な窓になっていますがね。
彼らは「成長するに伴って新しい世界を見る」とでもいうことにしておきましょうか。
乱視・老眼・老人性白内障進行中の爺さんも、ウロコ落としたいな。

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