宇宙から見る水平線
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2016年1月 6日 (水)「水平線」
x と h の関係をグラフにしてみました。
一見すると「平方根関数」のグラフに見えますが、違います。その話は後回し。
横軸は「m(メートル)」で、縦軸は「km」です。ちょっと分かりにくかったですね。
↑ここでこんなことを書きました。
軸のスケールが1000倍も違うので、グラフの形がわかりにくいですね。
「y=√x 」のグラフは、放物線の横倒しです。
yの値が何かに近づくというようなことはありません。
ところが、今回のグラフには「漸近線」があるのです。
★直感的な考察
チョモランマの8000m級の山あたりが地表での最高地点ですが。
高さ8kmから見る水平線までの距離は約320kmです。
話を想像力で拡大しましょう。
地表面を離れて宇宙から。どんどん遠ざかる。月から地球を見ましょうか。
遠ざかれば遠ざかるほど、真正面の地表からの距離と、丸く見える地球の輪郭線までの距離は、ほとんど同じになってくるでしょう。
hとxはほぼ同じになっていくはず。
★
図の上半分をまず見てください。
hとxで書いていた式を、xとyで書いたのが[2]式です。
左右両辺をxで割って、xとyの比がどうなるか見てみましょう。
整理すると
ルートの中が(1 + 2R/x)になります。
図中に書いたように、x がRに比べて非常に大きくなると、分数は0近づきます。
その結果、x と y の比は1に近づき、ということは、x と y はほぼ等しくなるのです。
★
上の図の下半分。
式を整理すると、高校数学でやったと思うのですが
[3]式の双曲線の式になりました。
漸近線の式も書いておきました。
左下が(0, 0)の原点、右上は(36000, 36000)です。
静止衛星軌道の高さ位を意識して。
漸近線に近づいていきますね。
エイヤッと。右上が(100000, 100000)です。
グラフ上では漸近線にくっついてしまいました。
とまあ、こういうわけで、このグラフ、狭い範囲で見ていると平方根関数みたいでしたが、大きな範囲で見ると双曲線なのでした。
とご報告します。
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