違和感
朝日新聞の一面連載。
折々のことば:276 鷲田清一(2016年1月10日05時00分)
Your love's put me at the top of the world.(カーペンターズ)
◇
「あなたの愛は私を世界の高みに連れて行ってくれる」。あの「トップ・オブ・ザ・ワールド」のさびの部分を、西加奈子「さくら」の主人公は「よーらーぷっみー、あーざーとっぽらわー」とひらがなで歌っていた。中学生の私は「あおなほーりょーへーん」。ビートルズの“I want to hold your hand”(邦題「抱きしめたい」)をそう丸覚えした。歌は意味でなく、口調で体の奥に居座る。
(JASRAC 出 9016200021Y43031/9016200022Y38028)
昔、通勤中の車でFM放送を聞いていて、バイリンガルのパーソナリティー女性が「これは有頂天ということです」と教えてくれたのです。ストンと納得してしまった。「世界のてっぺん」→「有頂天」。
だもんで、鷲田さんの「世界の高み」という解釈に、ちょっと引っかかってしまった。
哲学者の鷲田さんが「世界の高み」というと、なんかこう、精神世界の崇高な高みみたいな気分がする。堅い感じだな。
もうちょっとくだけた、有頂天!とか、サイコー!とかでもいいんじゃないか。
http://eow.alc.co.jp/search?q=top+of+the+world
top of the world
世界の頂上[頂点・てっぺん]top-of-the-world 【形】北極地方の
Top of the World Observatory トップ・オブ・ザ・ワールド展望台◆米国ニューヨーク州
on top of the world 有頂天になって
at the top of the world 世界の北端で
feel on top of the world 有頂天[最高の気分]である
feeling on top of the world 《be ~》最高の気分
sit on top of the world 大得意になる
「北極」が出てきてしまった。北半球人の「驕り」かな?ねえ。
それじゃあ、南極は「bottom of the world」になってしまう。
「天にも昇るような心地」 などいかが?
「有頂天」になる。「最高の気分」「気分はサイコー」
世界のてっぺん{「てっぺん」=「天辺」}にいる。
佳い歌でした。くだけ過ぎもいけないかもしれませんが、やさしくやわらかく、がいいなぁ。
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