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2016年1月12日 (火)

鏡像

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-894c.html
2016年1月 8日 (金)「鏡三日月」
↑この記事で、鏡像の話を書いたら思い出しました。

去年の11月の朝日新聞土曜beの「今さら聞けない+」という連載特集。
↓これがその記事のURLですが、会員でないと出だしの何行分かしか読めませんが、イラストは見ることができます。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12063267.html
(今さら聞けない+)鏡映反転 左右の感じ方、認識が左右(2015年11月14日03時30分)
「鏡はどの方向の光も同じ角度で反射します。しかし、鏡の中の世界は、上下はそのままなのに、左右だけ逆に見えます。不思議だと思いませんか?」と出はじめまして。

 「上下も左右も逆になっていない。逆になっているのは前後だ」と解説したのは、米国のノーベル物理学賞受賞者ファインマン(1918~88)です。英BBCの番組で「自分が鏡の向こうに回り込むことを想像するから、心理的に左右が逆になったように見える」と説明しました。

自慢するのもなんですが、私は自力で同じ結論に達しまして、ずいぶんしつこくこのブログで書きました。
この記事の終わりの方でリンクを貼ります。
右のものは右に、左のものは左に、上のものは上に、下のものは下に「映るのです」。
ところが前後・奥行が反転するのです。
ですからもし自分が鏡の中に入ったとしたら、向こう向きのまま入って行って、向きを180度変え、鏡の外を向くことになる。そうすると、今左手の写っている位置に、鏡の中の自分の右手が来る。
これが「左右逆転感覚」をうむのですね。
それはそれでもう解決済みとします。

★今回蒸し返したのは、beの記事の中に面白いことが書いてあったのを思い出しましたので、それを体験しようと思ったのです。

 「F」と印刷した紙を鏡に映し、後ろから見てもらうと、99%が「逆になっている」と答えました。鏡に映った「2本の横棒の右側に縦の棒がある文字」を、ほぼ全員が「左右逆のFだ」と感じたのです。これは、散髪していて鏡に映った時計の文字盤が左右逆だったり、針が反時計回りに回って見えたりするのと同じです。
 ところが、紙に印刷した「F」でなく、切り抜いた「F」だと、90%が「逆になっていない」と答えました。

この実験を描いたイラストは上のリンクから会員でなくても見られますが、実験方法を提示した概念図ということで強いオリジナリティーを持つ著作権はないだろうと判断して、そこだけトリミングして白黒にして縮小してお目にかけます。
0108_4miirrorrev
こういうことなんですね。

★やってみよう!
0108_4mirror1
「F」と書いた紙を向こう向きにして鏡に映したものです。写真の下1/3くらいが白いのは字を書いた紙の背面です。
紙の背面は無地。鏡を見ると「何か」が写っている。
これは「文字」だな。すると、紙の向こうには「F」と書いてあるんだ。
この時点で頭の中にイメージする「F」は立て棒が左側。
鏡像では立て棒は右側。
「左右が逆だ」という感覚が生じます。
↓細い字ですが、ハサミで切り抜きまして、指先に持って鏡に映しました
0108_4mirror2
逆転感覚はないですね。
右のものは右に、左向きのものは左向きに。そのまんま。
鏡の前の「物体」が鏡に映っている。それだけ。
この場合、平面的な物体ですから、奥行きの反転感覚も生じていない。

★もいっちょ!
今度も紙に「F」と書いたのですが、紙の裏側ににじんだ部分をちゃんと黒く塗りました。
0108_4mirror3
裏に染みてなぞって濃く表れている裏文字が見えないように別の紙で隠して鏡に映します。
0108_4mirror4
隠していた紙を取り去って、鏡に映します。

いかがでしょう?
どんな気分ですか?

鏡に映っているものは同じなんですが。
変な気分だ。

左右の逆転の感覚が生じるのは、「これはFという文字だ」と意識の内に「F」のイメージを生成して鏡像と比較するからですね。
手前に物体があり、それが鏡に映っている、と認識する時は、物体と鏡像の比較ですから、反転感覚は生じない。
分かってはいても、ナルホド妙なものだなぁ、と再認識しました。

こういう「奇妙な」感覚というものは、私たちが認識する過程を分析するのに役立ちます。
よく「錯視」というのがありますね。あれでだまされたと感じるだけでも面白いですが、なぜだまされるのか、認識過程の分析を自分で試みるのもまた更なる楽しみですよ。
「錯視」でグーグル検索して、画像を眺めたり、検索結果の最初のページ位を眺めると、くらくらです。

↓以前の記事から
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-457c.html
2012年11月12日 (月)「鏡の話:2」

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-8862.html
2012年11月14日 (水)「鏡の話:4」

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-631e.html
2012年11月15日 (木)「鏡の話:5」

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-3e65.html
2012年11月16日 (金)「鏡の話:6 光学異性体」

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-8465.html
2012年11月20日 (火)「鏡の話:8」

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