白砂糖
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2016年1月28日 (木)「雪の日の話題:2」
↑昨日、ここで「無色透明な物質を粉末にすると、「白く」見えます。」と書きました。
この単純な事実を知らない人が、妙なことを言ったというお話をしましょう。
それは「砂糖」なんですね。
★白い砂糖は「漂白」したんじゃないか、という噂。
製糖メーカーはひどい迷惑をこうむったでしょう。
おかげで
こんな表示を砂糖の袋に印刷するようなはめになりました。
白い、色がついていない、ということは「純粋」であることを示しているだけです。
濃い糖の液から砂糖を結晶として取り出します。
高校化学で学んだかと思いますが、物質の精製法に「再結晶」というのがありましたね。あれです。
飽和溶液からじっくり結晶させると、結晶の格子に不純物が入りこめずに純粋な結晶になるのです。
それを細かい結晶にしましたから、白いのです。
ミネラルがどうのこうの、なんてのは他の食品でお摂りください。
砂糖も塩も、純粋なのが安心でしょ。
砂糖を結晶化させた後の液はもう砂糖がないかというとそんなことはない。結晶化させる温度での飽和を超える分が結晶しましたが、液にも飽和の砂糖が残っています。
そこで、これを煮詰めてさらに濃くしてまた結晶させる。
プリンのカラメルソースはどうやって作りますか?
上白糖やグラニュー糖を水に溶いて加熱するんですよね。
そうすると、着色するんですよね。いっちゃあなんですが、ある種の「焦げ」ですよね。
同じことが起こりまして「三温糖」ができます。
精製度が低いから、植物のいろんな成分が残っているとかいう問題ではないのです。
精製度の低い糖は確かに色があります。ミネラルなんかが豊富で健康に良いとか宣伝される。で、逆に、色のついた糖は健康に良い、と思いこむ。逆は必ずしも真ならず、ということをご存知ない。三温糖は色がある、だから健康に良い、ですか?本当に?
糖がカラメル化した色なんですけど。
そういう基本的なことも知らないままに、迷惑な噂をたててはいけません。
↓参考サイト
http://www.dmsugar.co.jp/enjoy/square/process_02.html
http://daitoseito.co.jp/knowledge/dekirumade.html
結晶と分離した蜜には、まだショ糖分がたくさん残されています。この蜜をまた煮詰めて結晶を取り出す工程を何度か繰り返しています。最初に取り出した結晶は純度の高い真っ白な「白砂糖」(本グラや白ザラ糖)となります。糖液を煮詰めるときには加熱をしていますが、糖液を加熱するとカラメル化反応が起こり、糖液にカラメル色素が含まれてゆきます。このカラメルが三温糖や中ザラ糖の色となるのです。
余談ですが、三温糖は三回(以上)温める(加熱する)ことで作られるので、三温糖と呼ばれるようになりました。
http://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_000610.html
砂糖に関する根強い誤解として、「白い砂糖は漂白している」「白い砂糖より三温糖の方が健康に良い」というものがあります。これらは砂糖の製造法や製品の成分などについて十分に理解されていない部分があるためだと思われます。本稿では、砂糖の製造法などをご紹介しながら、純粋な砂糖が白い理由、白砂糖と三温糖の違いなどについてお話させていただきます。
砂糖が白いのは、砂糖以外の不純物を取り除いた結果
2.の(1)(2)でご紹介した製造法において、砂糖をつくり、精製する手法は、不純物を凝集・沈殿させ濾過するもの(*)や、活性炭などに吸着させ取り除くもの(※)で、漂白など化学的な処理を行って砂糖の物性を変化させるわけではありません。精製糖は、色素をはじめとした砂糖以外の成分を取り除き、純粋な砂糖の結晶だけを取り出したものなのです。純粋な砂糖の結晶は無色透明で、結晶が光を乱反射するため白く見えます。雪や氷が白く見えるのと同じです。
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