10月23日は「化学の日」
10月21日の新聞広告。
化学の日だそうです。
そういえば聞き知ってはいたっけな。
由来は、アボガドロ数「6.02×10^23」です。
相対質量である原子量・分子量の値を、「g(グラム)」をつけて扱えるようにする、原子レベルの世界と現実の生活レベルの世界を結び付ける数です。これだけの個数の集団のことを「1mol」といいます。
原子量1の水素原子の1molは、1g
原子量16の酸素原子の1molは、16g
分子量44の二酸化炭素分子の1molは、44g
ものの「量」というと、質量、体積が普通ですが、そこに「個数としてのものの量」という概念を持ち込んでいるのがmolなんですね。
さて、この数。
まず黒板の前に立って、呼吸を整えて
600000000000000000000000
と、内心で0の個数をカウントしながら、一気に書きます。
で、さぁ、ノートに写しなさい、という。
生徒は「先生!0何個?」と叫びますから、おもむろに
6000,0000,0000,0000,0000,0000
です。とカンマを入れる。
読めるかよ。「万・億・兆・京」の上だぞ。
中には読める生徒もいます。
六千垓(がい)!
その通り!これだけの集団を「1モル」というのだよ。
いちいちこんなに0を書くのは面倒だろ、だから
6×10^23
こう書いて、6の下に0が23個つきます、と表示するわけだ。
指数表示は苦手だという人も多いけれど、実は巨大な数や極小の数を「楽に扱う」方法なのだよ。・・・
ま、授業はこんな風に進むわけです。
この辺でやめます。終了ベルが鳴るまで止まらなくなりそうだ。
http://www.chemistry.or.jp/kagakunohi/2013/12/post.html
「化学の日」制定について
日本化学会、化学工学会、新化学技術推進協会、日本化学工業協会(以下、共同提案団体)は10月23日を「化学の日」、10月23日を含む週(月曜日~日曜日)を「化学週間」と制定いたしました。(アボガドロ定数:1molの物質中に存在する粒子の数=6.02×10の23乗に由来)
今後、「化学の日」「化学週間」について広く市民、社会に広報・周知を図り、化学への理解増進・啓発活動に取り組んでまいります。
(後略)
私が教壇に立っていた頃にはこの日はなかったですね。
★やっぱオマケ。
ある幼稚園で、園児とお相撲さんとペアでダンスをする企画を立てました。
園児の平均体重は20kgで30人。
申し込まれた相撲部屋では、600kgか、150kgの関取を4人派遣すれば「釣り合うな」。
当日、30人の園児と、4人のお相撲さん。
体重は釣り合ったのですが、人数が釣り合わない。
手を繋げなかった26人の園児たちは大泣きに泣いてしまったのでした。
体重の問題ではない、30人の園児と1対1で手を繋ぐには30人のお相撲さんを派遣すべきだったのです。
質量比が等しくない原子同士でも、1対1で結びついて化合物を作る時には、数が等しくなければならないね。この場合「釣り合う」「等しい」とは個数のことだね。
だから、ものの量として「個数」を導入するんだよ。
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