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2015年9月 1日 (火)

アルミメッキ工場で爆発

★今朝発生したばかりの事故で、詳細は報じられておりませんので、元化学屋のつぶやきとしてお読みください。

デジタル朝日では

北九州の工場で爆発音 消防車16台出動
2015年9月1日08時00分
 1日午前6時20分ごろ、・・・工場で、「爆発音が複数回あり、煙が上がっている」と近隣住民から消防に通報があった。消防によると、工場内には従業員数人がいたが、避難してけがはないという。消防車16台が出動し、消火活動にあたっている。

YOMIURI ONLINE では

アルミメッキ工場で爆発、煙上がる…北九州市(2015年09月01日 08時01分)
2015年09月01日 08時01分
 ・・・同社従業員によると、アルミメッキの工場で、作業中にアルミを溶かした鉄のかまが破損し、溶けたアルミが水と接触して爆発したとみられるという。

東京新聞は共同通信からの配信で

北九州の工場で爆発火災 けが人情報なし
2015年9月1日 08時42分
 ・・・
 工場はアルミニウムのメッキ加工などをしており、24時間態勢で稼働していた。県警は、アルミニウムと水が混ざり水素爆発が起きた可能性があるとみて、詳しい状況を調べている。(共同)

共同通信は

北九州の工場で爆発火災(2015年9月1日(火)8時43分配信 共同通信)
 ・・・
 地元消防によると、工場内にある二つの溶解炉のうち一つに穴が開き、アルミニウムが漏れ出していた。床からしみ出した水と化学反応を起こし、水蒸気爆発した可能性があるという。
 同社によると、工場はアルミニウムのメッキ加工などをしており、24時間態勢で稼働していた。

NHKでは

化学工場の敷地で爆発(09月01日 08時56分)
・・・会社によりますとアルミを溶かす過程で水蒸気爆発が起きたということです。・・・

毎日新聞では

アルミ工場爆発:消火作業続く 北九州市
毎日新聞 2015年09月01日 09時10分(最終更新 09月01日 09時16分)
 1日午前6時20分ごろ、・・・北九州市消防局などによると、けが人はないという。消防車16台が出動し、消火作業に当たっている。

★記事のタイムスタンプでは
・朝日が早かったのですが、事故内容はよくわからない。
・毎日がこの記事を書いている時点では、一番遅くて、しかも事故内容は不明。
この2社は自社取材でしょう。
・読売も自社取材だと思いますが、一応「アルミメッキ工場で」という見出しですし、「アルミを溶かした鉄のかまが破損し、溶けたアルミが水と接触して爆発したとみられる」と事故内容と原因に触れています。何が起こったかの推察ができる内容です。
・東京新聞は、共同通信からの配信を受けています。
「アルミニウムと水が混ざり水素爆発が起きた可能性がある」
・当の共同通信は
「溶解炉のうち一つに穴が開き、アルミニウムが漏れ出していた。床からしみ出した水と化学反応を起こし、水蒸気爆発した可能性がある」
・NHKは「アルミを溶かす過程で水蒸気爆発が起きた」

★さて、何が起こったのか、ちょっと考察。
「アルミニウムのメッキ加工」ということですが、「アルミニウムにめっきする」ということはないと思うんですよ。
読売が報じたような「アルミメッキ工場」では、鋼板などに「アルミニウムをメッキする」のではないですか?おそらく。
アルミニウムをメッキするということになると、水溶液中での電解メッキは不可能。有機溶媒中でならできるでしょうが、工業的じゃない気がする。
「アルミニウムをメッキする」には、金属のアルミニウムを融点660℃以上に熱して溶融し液体にし、その液体アルミニウム中に鋼板などを浸して表面につけるのではないでしょうか。

アルミニウムは非常に活性の高い金属でして、空気中で見るアルミニウムはすべて酸化物皮膜で覆われているのです。
1円玉もアルミフォイルもアルミサッシも、私たちが見ているのは酸化アルミニウムの被膜で覆われていて、だから空気中で安定して存在できるのです。
むき出しの金属表面を酸素に触れさせたら瞬時に酸化されます。
高校化学で
  K,Na,Liは冷水と反応して水素を発生。
  Mgは熱水と反応して水素を発生。
  Alは高温水蒸気と反応して水素を発生
と学んだと思うんですが。

高温水蒸気と反応、とは言うものの、液体アルミニウム(660℃以上)なら冷水と反応して水素が発生するのは当たり前ですね。水素が発生すれば、熱源はあるのだし、爆発に至るのも必然的なことでしょう。

そうするとここで問題になるのは、工場側は、こういう事故は水があれば起こりうるということを充分に知っていたはずなのに「床からしみ出した水」があったという点にあると思います。

なぜそんなところに水があったの?
水のある場所の上でアルミニウムの溶解炉を稼働する?

そのあたりを「読み切って」事故報道に当たるというのが、現場記者の「科学力」「科学リテラシー」でしょうね。
科学リテラシーが問われています。

★読み直してみて
共同通信が「水蒸気爆発」と言っているのを、配信を受けた東京新聞が「水素爆発」といっているのが、興味深い。
水蒸気爆発といったら、高温物体{鉄でもマグマでも}が水と接触して瞬間的な沸騰が起こり大量の水蒸気が発生して「爆発的事象」が起こることですね。
水素爆発といえば、化学反応がそこに想定されている。
東京新聞の記者さんの判断が適切と思えます。

★元化学教師の「単なる推測」です。実際の経緯は今後の報道をよくお読みください。
(スミマセン)

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