ミンミンゼミ
2015.8.5
耳を聾する「大音声(だいおんじょう)」です。
腹弁がはっきり見えています。
で、腹弁の脇に隙間がありますね。
そこだけトリミングすると
こうなります。
腹弁の脇のスキマから、わずかにセミの腹の中が見えているのです。
オスゼミの腹部内には発音器があります。
発音筋を震わせると、発音筋の先に腱突起があってそれが「鼓膜」を震わせて音が出ます。
「鼓膜」とはいっても、人間の耳の音を受ける「鼓膜」ではなく、「太鼓の被膜」という理解をしてください。音を出す膜です。
鼓膜の振動だけでは音が響きません。太鼓の「胴」が必要です。
それがオスゼミの腹部なのです。
ということは、オスゼミの腹の中は「空っぽ」なんですね。
詳しいことは知りませんが、消化管などはあるはずですけれど、大部分が空っぽ。
発音筋の振動数を変えたり、腹部の「共鳴室」のサイズを変えたり、いろいろな方法を組み合わせて、種特有のセミの声を作っているのです。
で、「腹弁」は空っぽの共鳴室としての腹部の蓋ですから、音が出てこられるように、開いているんですね。
腹の中の空間と、外部空間とつながってしまっているのです。
その状態が上の写真からわかるのです。
メスは卵巣を持っていますから、腹の中は空っぽではなく詰まっています。
参考サイト↓
http://extra.private.coocan.jp/CicaSen/cicada052.htm
そして、セミの特長である鳴き声のために、オスは発音器をお腹に持っています。
発音筋を震わせて、空洞(共鳴室)になったお腹で響かせて、大きな鳴き声を出しているのです。
種類による鳴き声の違いは、この発音器の構造(共鳴室の空気量・形・容積とか)が微妙に違うからです。
対して、メスは卵を産むための器官がお腹にあります。腹部のほとんどを卵巣が占めています。
だから、鳴くのはオスだけで、メスの方が体が重いのです。
↓これは私のHP。
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/freestdy/cicada.htm
セミが鳴く仕組みと昆虫の筋肉
子どもの頃に読んだ
「昆虫界のふしぎ」少年博物館② 中西悟堂 著
昭和二十八年一月 二十日 初版
昭和三十年四月二十五日 四版
ポプラ社発行 三百円
こういう本の図版を撮影して載せてあります。
よく見ると「腹辨」というような、旧字体がありますよ。
そのころの小学校低学年のガキは旧字体の本を読んでたんですね。虫の話が面白くって、知りたくって必死だったのです。
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