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2015年7月17日 (金)

無人探査機「ニューホライズンズ」:2 画像の送信

★私は、アメリカの惑星探査機マリナーとかボイジャーで撮影された鮮明な画像に興奮した世代です。
撮影した画像を地球に送信する際に「誤り訂正符号」という技術が使われました。
冗長な情報を一緒にのせることで、ノイズが混入した信号から本来の信号を復活させる技術です。

「その『宇宙技術』が実は身近なところにあるんだよ。君たちCD聴くだろ?CDに微細な傷がついてもクリアな音が聞けるのは、誤り訂正符号のおかげなんだよ。」
と授業で話したこともあります。

レコードの時代、埃を拭うには溝にそって拭うものでした。半径方向に拭うと、音の溝をつぶすことになるのです。溝にはまったごみを拭って取り去ったわけです。
CDになって、半径方向に拭うようになりました。情報の塊りにランダムに入り込んだ「傷」は訂正が効く。ですから、情報の流れに対して横から拭いた方がよくなったのですね。
そんな「時代の変遷」を経験してきました。宇宙技術とともに歳を重ねたといってもよいでしょう。

朝日の記事では「観測したデータ全体の受信が終わるのは2016年秋になるという。」
NHKの報道では「探査機は今後、16か月かけて、最接近の際の集中的な観測活動で収集したすべてのデータを地球に送るということで・・・」

ずいぶん時間がかかると思いませんか?
画像情報は膨大なので、それを送るには時間がかかるのはわかりますが。それだけではないと思います。
時間をかけてでも、きちっと誤り訂正符号をつけて送信すると、電波の出力を何倍にも強くしたのと同じような効果が得られるのです。
情報を受け取る地球側では高速処理もできますが、電力の限られた無人探査機で、小さなコンピューターで大量の画像情報を処理して送信するには時間がかかるのです。なんだかなぁ、機械に対して「けなげ」な感じを持ってしまうのでした。

↓参考
http://lupus.is.kochi-u.ac.jp/shiota/research/fugou.html
誤り訂正符号へのいざない

http://www.isas.jaxa.jp/ISASnews/No.232/mspace.html
超遠距離通信と誤り訂正符号

http://cmpsci.s.kanazawa-u.ac.jp/CompCource/course/suri_re/yamada.html
理学部 計算科学コース・自然科学研究科 数物科学専攻 IIコース 研究内容紹介・離散数学

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