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2015年7月 9日 (木)

本屋散歩

★朝日新聞の日曜の読書欄のコラム。

扉(2015年7月5日05時00分)
 ネット書店での購入が増えましたが、どうしても本屋さんを歩きたくなることがあります。なぜだろうと思っていたら、こんな言葉に出あいました。
 「足を運んだからこそ思いもよらない本との出あいがある。そうやって出あった本が、その人の人生を変えることもある」(ドラマ「戦う!書店ガール」から。原作は碧野〈あおの〉圭著『書店ガール』シリーズ)。閉店の危機にある書店員は「ネットにはできない『偶然の出あい』を提供できます」とも言います。この「偶然の出あい」こそはリアル書店を散歩する大きな楽しみです。その楽しみを守るために働く書店員の物語(ドラマ・原作ともに)が心に響きました。

そう、私が土曜日にいつも蒲田の書店散歩に行くのは偶然の「出会い」を求めて。
何かの拍子にふと視線がある本をとらえる。
手に取ってパラパラとページをめくって、びっくりして買ってくることも多い。
目次を見て、パラパラっとページを最後まで繰って。
で、出会いが成立する本と、これは面白そうだけど、私が買う本じゃないな、とか、つまらん本だ、とか。
瞬間的に「嗅覚」のように「わかる」んですよね。
これが本屋の楽しみ。

★もう一つは。
本格的な本屋って、どこかに「暗闇」があるじゃないですか。
子どもが、なんかあの辺って自分が行っちゃいけないんじゃないかってドキドキするような。
人間性が秘める「闇」とでもいうか。
それがなくっちゃ本屋の魅力はない。
ひたすらに明るくって透明感だけの本屋も増えてますが、つまりませんね。
そういう本屋に足を運ぶ気にはなれない。

★本当は、古本屋というのが、出会いと闇、の両方を兼ね備えた存在なのですけどね。
もう体力がない。神田の古本屋街を一日中うろついていたのが懐かしい。
それは無理として、せめて大型書店のどこか「雑多」な書棚の前にたたずんで「本シャワー」を浴びてくるのが私の趣味なのです。

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