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2015年6月24日 (水)

立方数の和

★朝日新聞の連載。

[坪田耕三の切ってはって算数力]立方体で作る立方体(2015年5月28日05時00分)

 机の上に立方体の積み木があります。なんと200個! これで大きさの違う立方体を作っていくと、何種類できるでしょう。40種類? 50種類?
 まず1個だけで1種類ですね。次は1辺が2個のもの。使う積み木の数は、2×2×2で8個ですね。
 次は、1辺が3個のもの。3×3×3で、27個使います。
 さらに1辺が4個のもの。4×4×4で、64個も使いました。
 ちょっと待ってください。ここまでで、積み木は何個使ったでしょう。1+8+27+64=100(個)。残りの積み木は100個。これで、次の大きさはできますか。1辺が5個ですから、5×5×5=125(個)。足りません。たった4種類の立方体しかできないことが分かりました。
 個数の1、8、27、64、125……という数の共通点がわかりますか? 1の3乗、2の3乗、3の3乗、4の3乗……これは「立方数」です。
 次に、3種類までの個数を足してみましょう。1+8+27=36(個)。2種類までなら、1+8=9(個)。1種類なら「和」も、もちろん1(個)。こうした「立方数の和」を順番に並べると、1、9、36、100。1=1×1、9=3×3、36=6×6、100=10×10。同じ数の2乗になっています。これを「平方数」と言います。つまり、立方数の和は、「平方数」になる場合があるのです。
 ・・・

★この話。
ああ3乗数の和ね、という感じがしたのですね。
高校数学くらいでやった話だ、と。
3rdpower
Σ記号というのを使って、こんな公式を覚えませんでしたか?
ついでに言うと「Σ」というのはギリシャ語で英語のアルファベットの「S」に対応します。大文字が「Σ」、小文字が「σ」です。
英語で「和」は「sum」ですね。で、その頭文字をとって「s」で、ギリシャ語大文字表示にして「Σ」なのです。
ついでに言うと、「Π」という記号を使って、「積」を扱うことがあります。
「Π」は大文字、小文字は「π」。おや。
πは英語のアルファベットの「p」に対応します。
積は「product」ですから、頭文字をとって「p」で「Π」。
こういう話、数学の時間に聞きませんでした?
円周率「π」の方は、円周などを意味するギリシア語 περιφέρεια(ペリフェレイア)、英語だと periphery の頭文字ですね。

★さて
n,(n+1)は引き続く2つの自然数ですから、どちらかは偶数であり、2で割り切れます。
ですから{n(n+1)/2}^2は分数の形になることはなく、自然数の平方数ですね。

★ちょっと見方を変えて
http://mathtrain.jp/yonjo
↑このサイトから式をお借りしました。
Wa
これを眺めますと
「1からnまでの自然数の3乗の和は、1からnまでの自然数の和の二乗に等しい」ことがわかりますね。
「1からnまでの自然数の和」はもちろん自然数ですから
「1からnまでの自然数の3乗の和は、平方数である」
「1からnまでの立方数の和は、平方数である」ということです。

ん?
坪田さんの話は

「立方数の和」を順番に並べると、1、9、36、100。1=1×1、9=3×3、36=6×6、100=10×10。同じ数の2乗になっています。これを「平方数」と言います。

ここまでなら、「必ず平方数になる」という話ですが。
坪田さんは続けて「つまり、立方数の和は、「平方数」になる場合があるのです。」と書いておられる。

記事は、積み木で、辺が1の場合、2の場合、3の場合・・・と、1から始まる自然数の3乗の和について議論していると思っていて、その場合、必ず平方数になるのに・・・。

ところが「平方数になる場合がある」となりまして、困惑してしまった。
平方数にならない場合もあるのか?
変だなぁ。

しばらく悩んでしまいましたが、こういうことのようですね。
「1からnまでの立方数の和は、平方数である」
これは常に正しいのですが、「1からnまでの」を取ってしまうと
「立方数の和は、平方数である」となりまして、これは正しくないのです。
反例は一つでいい。
2^3 + 3^3 = 8 + 27 = 35
35は平方数ではありません。

ただなぁ、そこまで意識しておられるのなら、もうちょっと別の書き方があったような気がするなぁ。
「1から引き続く自然数の3乗の和は必ず平方数になります」でよかったんじゃないかなぁ、と思うのでした。
で、どうしても数学者として譲れないとお考えでしたら、「それ以外の場合、平方数にならない場合もあります」と「陽」な形で付け加えておけばいいように思いました。

↓参考サイト
http://w3e.kanazawa-it.ac.jp/math/category/suuretu/suuretu/henkan-tex.cgi?target=/math/category/suuretu/suuretu/siguma-kkk.html
立方数の和の式ができてしまえば、数学的帰納法で証明してもいいけれど、そもそも式はどうやって導くのか?
いろいろあるんですけど、比較的初歩的に導く方法が書かれています。興味がおありでしたらどうぞ。

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