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2015年6月17日 (水)

少なくとも

★なんだかなぁ、語感がざらついていけない。
NHKのニュースなのですが。

4人死亡事故 店で2~3時間前に飲酒か(6月14日 12時33分)
北海道砂川市で家族4人が死亡した事故で、危険運転致死傷の疑いで逮捕された男は、事故の少なくとも2、3時間前に市内の飲食店で酒を飲んでいたとみられることが警察への取材で分かりました。
 (後略)

「少なくとも」という言葉は基本的に「量」に関する言葉でしょ。

すくなく‐とも【少なくとも】副
①いくら少なく見積もっても。最少にしても。すくなくも。「―15分はかかる」
②ほかのことはさておいて。せめて。「―これだけはやって下さい」
広辞苑第六版より引用

「2、3時間『前』」というのは量ではないですね。
「『少なくとも2、3時間』は飲食していたとみられる」なら、多ければもっと長時間飲食していた、ということになる。
「時間」に関しては「少なくとも」を使うことはできますが、「時刻」に関しては「少なくとも」は使えない、というのが私の言語感覚なのです。
「時刻」に関してだったら、「早くとも」とか「遅くとも」じゃないのか?

おそく‐とも【遅くとも】副
どんなに遅くなるとしても。おそくも。「―8時には帰る」
広辞苑第六版より引用

広辞苑の例文では、「少なくとも」は「15分」という時間(ときの量)に関して使っていますし、「遅くとも」は「8時」という時刻(ときの位置)に関して使っていますね。

さて、重大な事故を起こしたわけですが、飲酒行為が、事故の時刻に近い方が悪質なことなのか、遠い方が悪質なことなのか、それもよくわかっていません。どういう視点なんだろう?
事故直前まで飲食していたという意味で「少なくとも」を使っているのでしょうか?それは非常に悪質だと。

どうにも「事故の少なくとも2、3時間前」という表現は出来事の伝達に役立っていない。
報道に関わる方々はもう少し言葉に鋭敏になってほしいなぁ。
私が年とって臍の曲がり具合が激しくなってきたという自覚もありますが、一方で、NHKでニュース原稿を書いておられる方々の言語意識が低下している、という感も否めないと思っています。

★16日のデジタル朝日

衝突車の男、アルコール検出 30分前、居酒屋に 北海道4人死亡事故(2015年6月16日05時00分)
 ・・・
 また、谷越容疑者と古味竜一容疑者(26)=道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕=ら計5人が事故の約30分前に砂川市内の居酒屋で目撃されていたことも判明。道警は、谷越容疑者らが事故直前まで飲酒していた可能性が高いとみて調べている。

「約30分前に砂川市内の居酒屋」にいた、という報道内容と、「少なくとも2、3時間前に市内の飲食店で酒を飲んでいたとみられる」という報道内容とは整合しているのだろうか?

どうしても理解できずにいます。

★もうひとつ。
酔いを醒ましてから出頭した人の、呼気のアルコール濃度をチェックすると、引っかかりませんね。
で、私が思うに。
飲食店で飲んだ酒の量を把握する。
それと同じ量を容疑者本人に飲ませて、飲酒後の時間の経過とともに呼気に出るアルコール濃度を測定する。
その変化曲線は、その人にほぼ特有なものになるのではないか。
そうすれば、事故の時点でどの程度のアルコール濃度だったか、判定できるのではないか、という考え方です。
一般的な曲線を使わないところがミソ。
酒の分解の速い人もいれば遅い人もいる。それを均した曲線ではだめでしょう。
その人個人の分解能力、を測定すればいいのではないのかな、と考えるものです。
{体調、食事内容などによって変化は起こるでしょうけれど全く無意味だとは思わないんですけど。}
事件のその時の証拠でなければ、証拠能力がない、ということなのかな。法律的には。

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人事」カテゴリの記事

コメント

「少なくとも」「遅くとも」 違いを意識して
いなかったけれど、この記事を読んで本当に
そうだな~と思いました。時間と時刻、本来、
日本語ではこんな風に区別してきたんですね。
あと、確かに、遠いほうが悪質なのか、記者
の表現の意図がわかりにくいです。何度も
その新聞記事を読んでいるうちに「少なく
とも」という言葉は、記事を書いている人の
主観がほんの少し入り、事実の正しい伝達には
なっていないんじゃないかな、と感じました。
話は変わるのですが、地球暦の件、毎日、地
球を動かしてもうすぐ90度に至ります。
この地球暦は月の動きも書いてあり、サイク
ロイド曲線で、地球の周りをまわっているの
ですが、満月から新月になる途中、地球の
公転を横切ります。これって、月と地球が衝突
する瞬間じゃないか?と気になっていて、
解決できずにいます。
神の視点にはなかなかなれません~。
かかしさん、これからも記事を楽しみにしています。

コメントありがとうございます。
太陽を回る惑星の公転の向きと、月が地球を回る公転の向きと、地球自転の向きとが同じじゃありませんか?
これって、50億年近くも昔、太陽系をつくることになったガスや塵の回転の向きなんですよね。
その太陽系を作ったガスは、比較的近くの恒星が超新星爆発を起こして撒き散らしたガスなのです。
鉄という元素は、原子核の安定性から恒星内で作れる最後の元素。それ以上の元素は超新星爆発で作られます。
地球の鉄は、元になる恒星の中でつくられたもの。地球に例えば金があるのはその恒星が超新星爆発を起こしたことの証拠。
地球上にウランがあるのも同じく超新星爆発の名残。ウランが半分に減るには45億年くらいかかります。
いろんなことが「地球暦」から引き出されます。
ところで、潮干狩りは満月・新月の時ですが、よく解説図にあるように、太陽や月の方へ海水が引かれるのなら、真昼か真夜中に潮がいっぱいに満ちるのではないでしょうか。でも潮干狩りは日中にやりますけど・・・。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-46d9.html
ここをご覧ください

かかしさん、お返事ありがとうございました。
潮干狩りの話、気が付いてびっくりしました。
以前の記事も紹介していただき、感謝いたします。
とても勉強になります。何度も繰り返し読み、
プリントアウトしてノートに綴じました。私が
持っている図鑑、すべて調べてみたら、やはり
モノノホンでした。当たり前だと思っていても、
よく考えたらおかしいことたくさんあるんですね。
唯一、昭和31年発行の「なぜだろうなぜかしら」
が「月が海の水をひっぱっていくにはすこし時間が
かかりますので、みち潮でいえば月がま正面に
きたときから何時間か遅れてみち潮がはじまり
ます」と書かれてありました。
「ひっぱっていくにはすこし時間がかかる」のところ
がわかりにくいのですが、周期とのずれ、と考える
と一緒なのかな、と思いました。
かかしさん、いつも新しい物の見方、考え方を
教えてくださってありがとうございます。
これからも宜しくお願いします。

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