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2015年5月20日 (水)

アメンボ

0424_11amenbo1 2015.4.24
水面にアメンボがいたので、最大にズームアップ。
その時は何にも考えていませんでしたが、家でパソコンに取り込んで眺めると。
なんかよくわからない。変。
0424_11amenbo2
交尾中だったのでした。
下の大きいのがメス、上の小さいのがオスでしょう。

★アメンボは、水面に波を起こして交信します。
↓私のHPから
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/freestdy/Amenbo.htm

「虫たちの生き残り戦略」安富和男 著、中公新書1641、2002年5月25日発行 から引用。

波の求愛信号を送る オオアメンボ
・アメンボの仲間とくらし
 水面にすむアメンボ類は水上生活によく適応した進化をとげた。中脚と後脚の爪は先端より少し後ろについており、跗節の先には細かい毛が密生し、分泌した脂肪で水をはじく。水に潜らない跗節先端の毛束を雪靴や樏(かんじき)にたとえた人もいる。長い中脚と後脚で軽量の体を支え、中脚は水かき、後脚は舵とり役を果たし、脂肪をつけていない前脚は餌の捕獲と後述の信号波づくりに使う。
 ・・・特有の臭気を出す。それを飴の匂いと受け取って「飴ん棒(飴ん坊)」の和名が生まれた。・・・

・波の求愛信号
 アメンボは水面に落ちた小昆虫のもがく波を感じとり、すばやく近づいて獲物にありつくが、無関係の波には反応しない識別能力を発達させ、水面生活者として栄えてきた。
 さらに、オオアメンボは前脚の先で水面を叩いて自前の波をつくり、仲間への信号に使う。波の信号は主に配偶行動に利用され、縄張り確保などには別の信号波をつくりだす。
 配偶行動のとき、まずオスが、メスを呼ぶための波を立て、反応して近づいたメスは自分の信号波を送ってオスに応答し、まもなく交尾が成り立つ。
 前脚の先端には感覚毛の束があり、波の信号を鋭敏に受け取る。雌雄間の距離が20cmの場合、オスの発信からメスの受信までに約1秒かかった。鳴き声の音速に比べれば10万分の3という速さにすぎず、ずいぶんのんびりした信号である。しかし、水上生活者としてはすぐれた交信法だと思う。
 梅谷献二さんによれば、アメンボの中にはオスが集合して信号波を送ったり、信号波でメスを産卵場所に誘導するような種類もある。また、水面でくらす甲虫のミズスマシも信号波を使い、水中生活者のタガメではオスが水をゆすってメスへの信号にしている。
 ・・・
 ・・・アメンボの仲間は魚に食べられない。アメンボ類が放つ飴に似た匂いのためらしく、特異な臭気は防御物質の役を果たしている。近縁なカメムシの分泌臭は防御物質のほか、警報フェロモンや集合フェロモンとして働くが、アメンボの分泌物にはフェロモン効果は知られていない。
 ・・・後略。

★ところで、水面波でもなく、空気中の音でもない、固体中の「振動」を信号に使っている昆虫もいます。ウンカの仲間です。

 同じく、「虫たちの生き残り戦略」安富和男 著、中公新書1641、2002年5月25日発行 から引用します。
振動で呼び合う トビイロウンカ
 前略・・・
・振動を使う交信
 セミのオスは発音器官からだす鳴き声でメスを誘うが、セミに近縁なウンかはイネの茎葉に振動を与えて雌雄の呼び合いをおこなう。
 トビイロウンカのメスはイネにとまりながら腹を上下に振動させる。その振動が茎や葉を伝わってオスに届くと、オスは腹部第一、第二節の背板を上下に振動させて応答し、メスのところに歩み寄って交尾が成り立つ。脚先の褥板には感覚毛があり振動信号を受容する。雌雄が別の稲株にとまっていた場合でも、葉が触れていれば信号は伝わり、お互いに配偶行動を始める。しかし、葉が接触していないと交信は起こらない。したがって、雌雄間のコミュニケーションは空中を伝わって届く音ではなく、固体(イネの茎葉)の振動によって成立する。セミではオスだけが発音してメスを誘うが、ウンかではまずメスが振動信号を発してオスを呼ぶ。親戚どうしの間柄でも両者の配偶行動はずいぶん違う。
 振動を使う交信はトビイロウンカのほかセジロウンカやヒメトビウンカにも見られ、三種のメスはそれぞれ固有の振動数と波形をもつので種間に性的な混乱が起こらない。また、振動信号には雌雄差があり、単調なメスに比べてオスは複雑なパターンをもっている。ウンカの振動シグナルは配偶行動を円滑に進行させ、生殖的隔離の機構としても重要な役割を果たすことがわかった。
 基質振動(固体の茎葉に起こる振動)の交信はウンカに近縁なヨコバイもおこなうが、類縁のかけ離れた双翅目の昆虫でも認められている。上宮(かんみや)健吉さんによれば、茎に潜って育つキモグリバエ科のヨシノメバエや葉に潜って育つハモグリバエ科のマメハモグリバエでは基質振動波が性的解発刺激として機能する。
 キリギリスの仲間には鳴き声を発したあと植物体を後脚で叩く種類がいる。聴覚信号(鳴き声)と振動信号の両方を使う念入りな配偶行動である。

●本文には、ウンカの出す振動のオシロスコープ画像があります。その画像から読みとると、それぞれのウンカが出す振動は
  トビイロウンカ 約20Hz
  ヒメトビウンカ 約12Hz
  セジロウンカ  約 8Hz
 このくらいのようです。

●人間の可聴音は、おおよそ20Hz~20kHzといわれますから、トビイロウンカが出す振動は、ブーンと低い音として聞こえるかもしれません。他のウンカの振動は、音というよりやはりトトトト・・・という連続する打撃音として聞こえるのではないでしょうか。

●実は私は子どもの頃に、ラジオの放送で、ウンカが出す振動というのを聞いたような覚えがあるのですが、記憶違いかもしれません。イネの茎にマイクロフォンを当てて録音した音だったような。あいまいな記憶です。

アメンボもセミもウンカも「カメムシ目」なんですよね。

「無脊椎動物音響振動国際会議」というものがあるそうでして。
http://www.honokai.org/PDF/KokusaiKoryu-25-1-Takanashi.pdf

環境中の人工ノイズ(例:水中の船のエンジンによる騒音)が生物に与える影響という新しいトピックスの一般講演もあった。

そうか、ヒトって騒々しい動物だからなぁ、夜昼なく騒ぐもんなぁ。

このように本会議では、研究材料となる生物種(ショウジョウバエ、コオロギ、バッタ、セミ、カメムシ、キジラミ、キクイムシ、アズキゾウムシ、アブラムシ、カニ等)が多様であり、音と振動に関係する生理学から生態学、進化学までと対象もとても幅広い。

面白そうな学会ですね。

★こんな話も見つけました
http://www.geocities.jp/doctor_mitsui/insect_1.html

2. 振動による情報交換
ウンカやヨコバイ類はセミの仲間ですが鳴きません。どのようにして雄と雌は交信するのでしょうか?雄はイネの葉の上で、細かい 動作で尻を垂直に震わせます。その振動を感知した雌は振動を返して、自分の居所を雄に知らせます。この動作を繰り返しながら、 雄は雌に近寄り交尾します。従って、雄と雌がとまっているイネの葉がたがいに接触していなければ、振動は伝わりません。この 振動を音に再生してみると、雄の振動はウウー、ウウーとウシガエルの鳴き声に似ていますが、雌のそれはコトコトと聞こえます。

東南アジアには、ツマグロヨコバイ、タイワンヨコバイ、クロスジツマグロの3種が同一時期に同じ 場所に生息していますが、自然界ではお互いに雑種は生じないようです。2種のヨコバイを同じ場所に おくと、必ず同じ種同士で交尾します。しかし、別種の雄と雌を同じ場所に閉じ込めると、雑種を作ることもできます。この雑種 同士は交信できますが、雑種と元の種では交信がうまくいかないようです。このように種によって、振動の形がそれぞれ異なって いるのでしょう。

私たちが感じ取っている世界は、世界全体のほんの一部でしかありません。
ちょっとなぁ、ヒトは生物として思い上がってるよなぁ。

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