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2015年5月15日 (金)

シリコンとシリコーン

★こんな記事があったのです

落としても割れない 切子風のシリコーン製コップ発売(デジタル朝日 2015年4月17日11時54分)
 信越化学工業傘下の信越ポリマーは、半導体の材料に使うシリコーンでつくったコップ「つぼみ」と「華」を同社の通販サイトで売り出した。ガラスより軽く、落としても割れない。江戸切子職人が監修し、ガラスをカットしたような輝きのあるデザインに仕上げた。いずれもクリア、ラベンダー、アイスグリーンの3色あり、価格は税込み5千円。

ははあ、記者さん間違えたな。シリコンとシリコーンを混同しているぞ。
どうしようかな、サイトの問い合わせフォームから間違いを指摘しようかな、と思ったけど、忘れてました。
そうしたら、今朝の朝刊に訂正が出ました。

訂正して、おわびします(デジタル朝日 2015年5月15日05時00分)
 ▼4月17日付経済面「落としても割れないコップ」の記事で、「半導体の材料に使うシリコーン」とあるのは、「樹脂のシリコーン」の誤りでした。半導体の材料であるシリコンと取り違えました。

★ま、ちょっと、これは化学という世界での「業界用語」っぽいので、責められないところもありますが、ほぼ常識化していると思いますけど。
シリコンはsilicon、シリコーンはsilicone、紛らわしいしなぁ。

シリコンは、元素としてのケイ素、及び単体としてのケイ素(金属ケイ素とも)の呼び方です。
身の回りには元素としてのケイ素がいっぱい。ガラスだってそうです。ケイ酸塩ですもの。
水晶は二酸化ケイ素の結晶。二酸化ケイ素(SiO2)は「シリカ」といいます。
こういう「化合物に含まれる『成分』」という形で概念化したのが「元素」です。
元素は概念ですから、物質・物体ではありません。これは注意すべきポイントですね。
単一元素でできた物質が「単体」です。これは目に見え、触れることのできる物体です。
純度の高いケイ素の単体を半導体や太陽電池に使います。このケイ素の単体もシリコンです。

ケイ素樹脂というのが「シリコーン」です。
最近はもう、日常生活のいろんなところにシリコーンが使われています。
一番「身近」というか「目近」なのがコンタクトレンズかな。
硬いのやしなしなの柔らかいのや液状のものや、いろんな形態がありますので、なかなかそれとわかりづらいかもしれません。
私は、温かい飲み物の蓋にシリコーン製の柔らかい板状の蓋を使っています。密着性が非常に高いのが面白いので。

で、「ガラスより軽く、落としても割れない。」とくれば、これはシリコーンしかないですね。
たしかNHKでも、落としても割れないグラスということで報道していたように思いますが。
その時、それはいい、落としてグラスを割ってしまうと、店の損害もあるけれど、客のほうにも申し訳ないという心理的負担がかかるけれど、シリコーンのグラスなら心理的負担がなくてとってもいい、と思ったのを覚えています。

★いくつか参考のサイトをご紹介します。

信越ポリマーのプレスリリースです↓
https://www.shinpoly.co.jp/ir/release/2015/20150407.html
ガラスのような透明度の高いシリコーン製キッチンウェア『shupua』第二弾を新発売

信越シリコーンのサイトから
http://www.silicone.jp/info/begin1.shtml

   シリコーンは何からできているの?
 地球の表層を構成する成分のうち、酸素の次に多い元素がケイ素(Si)です。ケイ素は、単体では自然界には存在せず、酸素と結びついてケイ石として存在しています。このケイ石を還元して金属ケイ素を作り、複雑な化学反応を加えて作り出したのが、無機と有機の性質を兼ね備える合成樹脂「シリコーン」です。
 シリコーンは、結合の主骨格がケイ素と酸素が交互に結びついたシロキサン結合(Si-O-Si)で、そこに有機基が結びついて、高温や低温に強い、紫外線にさらされても劣化しにくい、水をはじくなどなど、さまざまな特性を発揮します。また、オイル、レジン、液状ゴム、ゴムなどさまざまな性状があり、エレクトロニクスから輸送機、化学、繊維、食品、化粧品、そして建築などあらゆる分野で活用されています。

 ・・・
   ワンポイント
シリコンとシリコーンについて
半導体や太陽電池に使われるシリコン(Silicon)とシリコーン(Silicone)は別のものです。シリコンはケイ素(Si)のことですが、シリコーンはケイ素をもとに作り出された人工の化合物です。信越グループの信越半導体では半導体用シリコンを製造し、その生産量は世界最大です。

旭化成ワッカーシリコーン株式会社のサイト↓
http://www.aws-silicone.com/silicon.html

 よく混同されがちな2つですが、「シリコーン」と「シリコン」は似て非なるものです。
シリコン(Silicon)とは、ケイ素原子のみで構成される金属状の化合物(金属ケイ素とも言う)のこと。
 多結晶ポリシリコン、単結晶ポリシリコンなどがあり、パソコンのCPU、太陽電池などに使用されています。
一方シリコーン(Silicone)は、ケイ素と酸素の結合を骨格とした液状やゴム状、樹脂状の化合物です。 用途に応じて様々な形状に姿を変え多種多様な産業分野で使用されています。
ともにケイ素でできたものですが、生成される製品は全くの別物になるのです。
 シリコーンの主成分であるケイ素は地表近くに存在する元素の中で酸素に次いで2番目に多く、枯渇する心配のない元素と言えます。
 ケイ素は酸素との親和性が強いため、自然界では純粋な状態では存在せず、主にシリカ化合物、特にマグネシウム、カルシウム、鉄、マイカを含むケイ酸塩として知られており、砂、水晶、石英の状態として存在しています。

おまけ:
http://www.geocities.jp/kusumotokeiji/linkegypt3.htm

月面用ブーツは、月面の熱や寒さに耐えるために、アルミ蒸着したプラスチックフィルム13層とガラス繊維12層を交互に重ねたもので、靴底はガラス繊維のフェルト、シリコンゴム、金属製布で作られている。 特徴的な金色のバイザー(お面)は、大きいので、横を向いても動かず、写真をとる時点でオルドリンがカメラを見ていたかどうかは不明である。

 月面には足跡が残っていますが、あの靴底にはシリコーンが使われていました。
シリコーンのことで思い出しました。
 宇宙服の頭部のバイザーは金色でしたが、実際にあれは金メッキです。
金メッキは薄くても、紫外線をさえぎってくれます。地上では空気が紫外線をさえぎってくれていますが、宇宙空間ではさえぎるもののない、強烈な紫外線にさらされます。その紫外線を直接眼に入れたら視力を失うでしょう。
金箔が黄色く金色に見えるのはそれ以外の波長の光を吸収してしまうからです。ということで、紫外線を防ぐために金メッキしてあったのですね。

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