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2015年5月19日 (火)

ハワイのウグイス

★こんな記事が出ました

鳴くよハワイで「ホーホピッ」 ウグイスのさえずり、縄張り争い少なく単純に?(デジタル朝日 2015年5月11日16時30分)
 ウグイスの「ホーホケキョ」というさえずりは、競争のない環境にいると数十世代で「ホーホピッ」など単純な節回しに変化してしまうとする研究結果を、国立科学博物館の浜尾章二・脊椎(せきつい)動物研究グループ長が米科学誌に発表した。
 このさえずりは、オスが繁殖期に発する。縄張りを確保してメスを引きつける役割があり、複雑なほうが有利に働くことが知られている。
 研究グループは2010年春、ハワイのオアフ島にいるウグイス24羽のさえずりを録音。音の高さや長さ、上がり下がりの変化、音の構成などを分析し、日本のウグイスと比較した。その結果、ハワイのほうが低く短い音で、音程の変化も乏しい単純な構造になっていたという。
 ハワイで野生化しているウグイスは、日本から約80年前に複数回持ち込まれたという記録が残る。日本のウグイスが季節ごとに移動して春先に繁殖地で縄張り争いをするのに対し、ハワイでは通年同じ場所にとどまり暮らしている。
 日本でも小笠原諸島などでは単純なさえずりになる傾向がある。ハワイのウグイスは日本本土から持ち込まれたと考えられるという。浜尾グループ長は「環境に応じて、さえずりがこれほど短期間で大きく変化してしまうとは驚きだ」と話す。

この声はNHKのニュースで聴きました。
でね、このニュースを聞きながら。

●私の解釈を妻に聞かせました。
今は禁止されているけれど、昔はウグイスの「鳴き合わせ」というのをやって、鳴き声比べをやったでしょ。ウグイスの鳴き声というのは「学習」という側面も大きくって、単独で育ててもちゃんと鳴けるようにならない。鳴き方の上手なウグイスを「お師匠さん」として一緒に育てると、学んで上手に鳴くようになる。
ということは、島へ移って、鳴き声の「教師役」が代替わりしていく中では、鳴き方が保存できなかったんじゃないのか?
遺伝的な変化なら、変化に長い世代を要するけれど、学習による変化だから、教えるものの変化がそのまま引き継がれて、速い変化になるんじゃないの。

とまぁ、こんなことを話しておりましたら。

★科学博物館のpレス発表資料を見つけました↓
http://www.kahaku.go.jp/procedure/press/pdf/52025.pdf

研究の背景
小鳥の雄は春から夏の繁殖期にさえずる。これは、なわばりを張るためにライバル雄を排除したり、つがい相手の雌を誘引したりする機能をもつ。一般に、複雑なさえずりは雄間競争や雌の誘引で有利にはたらくことがわかっている。
さえずりはさまざまな要因によって進化する。音の伝達に関わる植生(林の構造など)や、さえずりが似た近縁種が生息するかどうかといった環境とともに、種内の競争の激しさも重要な要因である。
ウグイスでは、季節移動をし毎年春になわばり争いをする日本本土のものと、季節移動をせず定住性の強い島のものとは種内の状況が大きく異なり、さえずりの進化を調べる好材料である。
また、さえずりは学習によって身につくため、形態(体の色や形)のように遺伝子によって決まる性質に比べて急速な変化(進化)が生じる可能性のあることが指摘されている

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