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2015年5月15日 (金)

エレベーターのドア開閉ボタン

0415_1elevator 写真1
これはある大規模スーパーのエレベーターのドア開閉ボタンです。
視覚障害者のための点字があるのはよいこととして。
このピクトグラムが私、気に入らないんですよね。
以前から「この表示、直感的じゃないんだよなぁ」と妻に言っておりました。

「▶|◀」 「◀|▶」

どちらが「開」でどちらが「閉」か。迷い始めるとますます分からなくなってきます。少なくとも私は。

ある時、ちょっと人が多めに乗っているところへ、車いす利用者とその車いすを押す方が乗ってこられました。このスーパーは売り場の通路が広くて、車いすの利用者も、ゆっくり買い物ができていいのです。
さて、車いすの方が乗ってきたときに、私よりちょっと後ろにいたかたが手を伸ばして、車いす利用者用の低い位置のパネルの 「▶|◀」 ボタンを押しました。そうしたら当然ドアが閉じ始めます。後ろのかたは一生懸命 「▶|◀」 ボタンを繰り返し押すんですね。ドア付近の人がドアのセーフティ・シューを押さえて、事なきを得ました。
状況から見て、決して「遅い!」という苛立ちで 「▶|◀」 ボタンを押したのではないと思います。車いすのかたが乗ろうとしている時にドアが閉まっては大変だ、開けておかなければ、という善意だったと思います。
後で妻と話しましたが、妻もやはりあれは善意だったと思う、と申しておりました。

瞬間的な判断を必要とするときに混乱を生じるようなデザインは、よくないデザインだと思います。
改良の余地があります。
あるいは、閉じるボタンなんかなくしてしまえばいい。

★気になって、いくつかのエレベーターのボタンを撮影してみました。
0416_2elevator 写真2
これはあるホームセンターのエレベーター。
漢字が読める人にはこの方が直感的だと思います。
ただ視覚障害者のための点字表示がないし、外国からの方には漢字表示だけだと、きついかな。
よい工夫がありますね。「開」が緑色です。
緑色が安全を示すというのはおそらくかなり一般的なことかと思います。
ドアが閉まっては危ない、緑ボタンを押そう、となるでしょう。

0418_2elevatorplaza 写真3
これは私がよく行く蒲田のビルのエレベーター。
ひらがな表示、点字表示、「開く」方に青緑色の彩色。
かなりよいのではないでしょうか。

0424_5elevator 写真4
これは出張所。
私は個人的にはこれが一番わかりやすいと思っています。
三角より矢印の方が具体的ですよね。
開く方向=安全に向かう方向を緑にしてますし。

★私の考察
「▶|◀」これは「閉(点字ではシメ)」ボタンです。
デザイナーは矢印「→←」において、矢印の先端部が方向を指し示す機能を、イメージしながらデザインしたのでしょう。
「◀|▶」こちらは「開(点字ではアケ)」ボタン。
やはり「←→」の矢印の方向を示しているのですね。

ところが、思うに
「▶|◀」では、中央部の微小な点から両側へ大きくなって開いていく、という動きがイメージされうるのです。
あるいは、遠近法の無限遠点からこちらへ大きく「開いてくる」というイメージもあるかな。

「◀|▶」これは反対に、両側から中央への動きを感じる。あるいは単に両方のてのひらを合わせる動作だってこんなイメージじゃありませんか?
そのために「閉じる」ボタンにも感じられます。

デザイナーは矢印のイメージだけだったのでしょうが、こう考えると、小から大への「動き」とか、遠近感とか、他の要素が絡んでしまって、多義的な図形になってしまったのだと思います。


Sakusi
これは有名な「ミュラー・リヤー錯視図形」です。
上の方が長く、下は短く見えます。
遠近感のせいか。
あるいは、上では両側へ開いていく感覚から引き伸ばされていると感じるのか。
この錯視図形に似た感覚が、エレベーターのボタンに生じているのかもしれません。
こういう多義性を含む図形をピクトグラムに使うのはまずいと思います。
私としては写真4を推奨したい。これなら一義的に意味を伝えられると思います。

こんな図を描いてみました。
Kaihei
上の段のデザインのままでも、下の段のように、明白に赤と緑の彩色をすれば改良されませんか?
人が挟まれそうになって危険が生じているのなら、安全へ向かう意味を表示する緑のボタンに手が出るのではありませんか。

安全に向かうためには努力を要しない、危険に向かうには持続する努力を要する
という安全のための基本原則を守りたいですね。

★点字で「アケ」と「シメ」はちょっと書き込んでおきましたが、写真4の階数表示の「数字」は「この隣は数だよ」と示す「数符」と「数」で構成されています。
数符がないと「1」と「ア」が区別できません。
私は指先で点字を読むことはできないのですが、身の回りにはたくさん点字がありますので、インターネットで「点字」と検索すれば一覧表が見られますから、読んでみてください。視覚障害者がどのような文字を読んでいるかについての理解が深まると思います。

★さて、もう一つの提案。
「閉じるボタン」をなくしませんか。
私は基本的に閉じるボタンを押さない主義です。
自然に閉じるまでの時間といって、大して長いものでもなし。
エレベーターに乗って、行き先階を押して、次の瞬間にはもう閉じかかるじゃないですか。
乗った途端にせわしなく閉じるボタンをぽこぽこ押したり、降り際に手を残しておいて閉じるボタンを押しながら降りるなんてもってのほかでしょう。
なにをせわしなく急いでいるのやら。
本当に急ぐ必要がある、なんてことは長い人生に一度か二度のものですよ。
焦りなさんなって。
ゆっくり。ゆっくり。のんびり。のんびり。どうぞ。

行くに径(こみち)に由らず

[論語[雍也]]小道や裏通りを通らず大通りを歩く。正々堂々と事を行うこと。
広辞苑第六版より引用

悠然と参りましょう。
中学の時の漢文の先生は、この言葉に主語として「大人(たいじん)」をつけて教えてくださいました。
くれぐれも「小人(しょうじん)=小人(こども)」になられませんように。

余計なこと:わたくし目の前の青信号を渡りません。というと、赤信号突っ切るの?と聞かれますが。いえいえ。
目の前の青信号がいったん赤になって、そして目の前で青になってから渡ります。ゆっくりゆとりをもって。横断中に黄色や青が点滅するというような状況に決してならないように。私は「急ぐ」という行動ができない人ですから、急ぐ必要な生じるような状況が起こらないように、ゆっくり、つるまず、行動します。
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/essay/profile.htm
↑これは私のHPの自己紹介のページですが、このページの下の方に、同じ内容を詳しく書いています。よろしかったらどうぞ。

★豆知識
1:エレベーターの籠の奥に大きな鏡がありますが、なんのためでしょう?
車いす利用者は籠の中で向きを変えられません。降りる時に降りる方向=後ろの状況、を見ることができた方がいいですよね。
そのための鏡です。無神経に姿見にしてさえぎらないでください。

2:「車いす用ボタン」が多くなりました。通常のボタンと車いす用ボタンには機能的な差があります。ご存知ですか?
車いす用ボタンで指示が出たときは扉の開閉速度がゆっくりになったり、扉が開いている時間が長くなるように設定してあることが多いのです。
むやみと焦る人が、車いす用のボタンをせっせと押すと、意図に反することになるんですが、ご存知でしたでしょうか。

3:セーフティー・シュー(saftey shoe)
Saftyshoe
エレベーターの扉は外側の扉と、籠の扉がありますが、その間にセーフティー・シューというものがありまして、扉が物を挟んだことを検知すると、閉じかかった扉を開きます。安全装置ですね。
ですから、扉付近の人は、手近に扉の操作ボタンがなくても、セーフティー・シューを軽く押していれば扉が閉じることを止められるのです。大した力は要りません、ちょっと押さえるだけでいい。
知っておいていいと思いますよ。
長大な「開くボタン」だと思ってください。

↓これはメーカーのHPです。参考までに。
http://aiwaok.jp/information/safety-shoe

エレベーターのセーフティシューとは
セーフティシューとは、エレベーターの安全装置の一つです。
マンションや商業施設のエレベーター、ご家庭のホームエレベーターなどに搭載されています。
次の写真のように、セーフティシューはドアの先端に取り付けられています。
ドアが閉まっている最中に、人や物がセーフティシューに触れると、閉まりかけのドアが反転して開きます。
セーフティシューの働きによって、人や物が挟まる事故を防ぎます。

4:アメリカ人は閉まるボタンを押さないそうです。
「余裕の美徳」だそうです。↓
http://www.funlearning.co.jp/archives/3146
知ってました?アメリカ人がエレベーターで閉まるボタンを押さないわけ

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