√2の話:その41:n乗根を繰り返しても1に近づくよ:その2
★グラフを使って直感的に
このグラフのうち、y=x と y=√x は既に使いました。
3乗根、4乗根、5乗根のグラフを書き加えました。
y=x とy =√x のグラフの間を、ジグザグとぶつかるたびに方向転換しながら進んでいくと1に近づくよ、というのをやったわけです。
それと全く同じ論法が3乗根でも4乗根でも・・・成立しますね。
詳しくはもう説明しません。
グラフの形が基本的に同じですので同じ議論ができる、ということです。
ハイ、潲n乗根を繰り返しても1に近づく」ことがみてとれますね。
★ところで、私は「グラフの形が基本的に同じ」といいましたが、ホント?
点(1,1)で交わり、滑らかに(単調に)大きくなっていく曲線ですから、議論が成立するのはいいと思います。
ただね、このグラフ見ていると、高次の累乗根になるほど、頭打ちになって下の方へ押しつけられ、y=1の直線に近づいてしまうのではないか、というような気がしますよね。
でも、それって、なんだかヘン。
これ見て下さい。
y=√x というグラフと、y=x^2 というグラフは、y=x を挟んで対称なのです。
y=x^2 の式で、y と x を入れ替えると x=y^2 となり、これをyについて書くと y=√x になるのですね。
グラフ的には、y=xで折って横倒しにするということになるのです。
そうしますと、y=x^2 において、x は無限に大きくなれますし、それに応じてy も無限に大きくなります。
それを横倒しにしただけですから、y=√xにおいて、xが無限に大きくなればyも無限に大きくなれるのです。
3乗根のグラフも、y=x^3のグラフを横倒しにしたものですから、同じ。
xが無限に大きくなればyも無限に大きくなるのです。
4乗根も5乗根も、また同じ。
グラフを見ていると何だか抑え込まれてしまいそうな気がしますが、大丈夫、xが無限に大きくなればyも無限に大きくなりますよ。
ただね、無限に発散する「速さ」が違う、とは言えます。(数学的に正しい表現かどうかはちょとわかりませんが)
累乗根のnが大きくなると、ゆっくりと無限に向かって発散していく、という感じかな。
そのことについてはまた稿を改めます。
★ところで、前の「その40」で、12乗根の話を書きました。
2^(1/12) = 1.0594630943592952645618252949463≒1.06
最近のニュースで、4半期でGDPの伸び率「7.0%」がどうこうというニュースがありました。
7%って100分の7だから小さいと考えるかどうか。
12乗根が約1.06ですから、基音から約6%ずつ上昇して、12段で2倍になるのですよね。
ということは、1.07だったらどうでしょう。
1.07^10≒1.96715135728956532249≒2.0
なのですね。
経済成長率などはいつも%の「率」で示されて、100分のいくつか、という数字なのですが、それを繰り返し掛けていくとずいぶん大きな「量」になるんですよ。
1期7%の成長率なら、10期で倍になるんです。
複利計算も同じ。
1期7%の利息で借りて、10期で2倍。
こういう感覚も養うといいですね。
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