東京の観測地移転
★前の記事の続きです。
気象庁の公式発表↓
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kansoku/info/20141202_tokyo_rojo.html
地上観測地点「東京」の移転の実施について
お知らせ
本日(12月2日)、「東京」の観測地点を千代田区大手町から北の丸公園へ移転し、 9時40分から新たな地点において気温、相対湿度等の観測を開始しましたので、お知らせします。
風向風速、日照時間、日射量については、19時頃に観測を開始する予定です。
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で、「移転による観測値の変化」というページに移ると
http://www.jma-net.go.jp/tokyo/sub_index/tokyo/kitanomaru/kansokuchihenka.html
移転による観測値の変化
移転に先立ち、北の丸公園露場において大手町露場との比較観測を実施しました。
比較観測の結果、両地点では最高気温の差は比較的小さい一方、最低気温は北の丸公園の方が約1.4℃低いなど、観測値の変化傾向が確認できました。
この結果に基づき、移転に合わせて「東京」の平年値を更新します。
ここ↑に、日最高気温と日最低気温の月平均値、月平均相対湿度の表とグラフがあります。
私は手元に、毎日の最高気温・最低気温などの記録がありますので、日ごとの平年値のグラフを作ってみました。
それが上のグラフです。
黒い線が旧、赤と青の色線が新の値です。
最低気温が見事に低くなりましたね。
大手町では夜になっても気温が下がらなかったのです。
北の丸公園では昼はほぼ同じですが夜には気温が下がる。
都会の「コンクリートジャングル」ではない土地に住む者としては、気温の実感に近づいたのかもしれません。
湿度については直上の引用ページをご覧ください。
これまでより少し湿度が高くなります。
これもやはりコンクリートジャングルから出たせいでしょうか。
その他、移転前後の位置の地図や、現場の写真などもありますので、よかったら下のページもご覧ください。
http://www.jma-net.go.jp/tokyo/sub_index/tokyo/kitanomaru/kitanomaru.html
★この件についてはNHKラジオの気象予報士伊藤みゆきさんがブログで詳しく書いていらっしゃいますので是非お読みください↓
http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20141126/195621/?rt=nocnt
今冬の東京は寒くなる!暖冬予想と矛盾する理由
2014年11月27日
観測場所がお引越し――天気予報の見方の注意点気象庁天気相談所による「東京の冬日(1日の最低気温が0度未満)の日数」を、平成元年を境にした25年間で比べてみます。東京の冬日の日数
http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20141126/195621/?SS=zoom&FD=1155106158&n_cid=nbpwol_else
↑画像のクリックで拡大表示
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東京の気象観測は1875年から始まりました。
現在の観測地点は大手町にある気象庁構内で、50年前の東京オリンピックが開催された年から続いています。開始当初の7年間は今の赤坂付近、次の約40年間は皇居北桔橋門付近、その後は現地点の通りを挟んだ向かい側あたりと、現在までに3回場所を変えています。
そして12月2日に4回目の移転が予定され、現地点の気象庁から西へおよそ900m離れた北の丸公園内に変わります。
今回の移転の理由は、気象庁本庁舎がいずれ大手町から虎ノ門付近に移転するからです。本庁舎移転が決まってから、新しい観測場所の選定が進められていました。
選定の主な条件
1.約130年にわたり「皇居北側」での観測を続けてきたので、今後もそのデータを使えるように現在の周辺地域であること。
2.十分な広さや天空に対する開放度が、将来に渡って保てる場所。
3.緊急作業なども可能な場所。
以上を満たすことから、北の丸公園が選ばれました。
・・・
そこで、気象庁では2年前から、現在の観測地と新しい観測地との、同時比較観測を続けてきました。
すると、環境の違いが「ある項目」に対して大きく影響することが判り、季節の進み具合などの目安になる「平年値」も12月2日に更新することになりました。現在の大手町は、裏が首都高、手前はアスファルトの駐車場、脇は街路樹を挟んで交通量の多い道路という「都心」を象徴する場所です。
ところが、北の丸公園は、都心には珍しい緑豊かな自然の中。
周りにほとんどコンクリートやアスファルトがなく、周囲は大きな木々に囲まれています。遠くからは露場が見えません。
(後略)
定点での継続が重要な観測なのですが・・・
都会のヒートアイランド現象や地球温暖化問題など、過去の継続したデータの重要性は増しているはずですが、大丈夫かなぁ。
悩むのでした。
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