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2014年12月 5日 (金)

πの近似分数:1

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-6434.html
2014年12月 4日 (木)「πの近似分数など」
↑ここでπの近似分数を作る話をしました。
で、今度は、すでに知られているπの近似分数を確認したくなりました。

★「πとeの話」YEO・エイドリアン[著]、久保儀明+蓮見亮[訳]、青土社
46ページ

バビロニア人は、πに、25/8、エジプト人は(4/3)^4、つまり、256/81という値を与えていたのだが、驚くべきことに、πの正しい値との誤差は、バビロニアについては0.5%、エジプトについても0.6%にすぎない。今日、小学校の生徒たちは、慣例的にπの推定値に22/7を用いているのだが、これは、分母も分子もごく小さな数に切り詰められているのにもかかわらず、正しい値との誤差は、わずか0.04%であるにすぎない。・・・。πのもっと正確な、だが、さほど複雑ではない近似値は、355/113であり、これは、小数点以下6桁まで正しい比率とのズレを生むことはない。

25/8                =3.125
(4/3)^4=256/81=3.160493827160494
22/7                =3.142857142857143
355/113           =3.141592920353982
後2つはよく知っています。
256/81 というのは覚えやすいかもしれない。
256=2^8 で、コンピューター関係の人には日常的な数です。
それを9・9=81で割るのですから、覚えやすいと言えますね。

文中の誤差の%表示はどういうものか、確認しておきましょう。
誤差(%)=((π-近似値)/π)×100
ですよね。
((3.14159265358 - (22/7))/3.14159565358)×100 ≒ -0.04
(22/7)の方がπより0.04%大きい、のですね。なるほど。
負号は大事です。
上の引用文では、ここまで%で誤差を表記したのに、355/113は「小数点以下6桁まで正しい」というのは、なんだかなぁ。誤差(%)も一緒に表記しませんか。

355/113の場合
-8.4913678658370862584021992894199e-6 ですので
0.0000085%」πより大きい、ということになります。
すごさを比較するなら、同じ尺度でやりましょうよね。

もっとも、πの多桁計算や近似分数の精度の議論の時は普通「小数点以下○○桁一致」、というように書くことが多いと思います。


「改訂新版 円周率の歴史」理学博士 平山 諦 著、大阪教育図書、昭和55年11月20日 初版発行
古典的な名著です。
●13ページ

零約術で円周率を最もくわしく計算したのは、有馬頼徸(よりゆき)(1714~1783)と会田安明(やすあき)の二人であった。ふたりの得た値は
   428 2245 9334 9304/136 3081 2157 0117
である。30桁円周率に合っている。

ウィンドウズの関数電卓で計算すると↓こうなります。
428224593349304 / 136308121570117 = 3.1415926535897932384626433832757
私の場合、小数点以下30桁まで暗記しています。(小学校で教わったまま、五十年以上忘れてません。)

3.141592653589793238462643383279  ←暗記分
3.1415926535897932384626433832757 ←本の分数を計算したもの

見るところ、小数点以下29桁まで正しいようです。
注意点があるようですね。
この著書では整数部「3」を含めて「○○桁合っている」と表記されているようです。
この「円周率の歴史」という本から引用する際は、このことに注意しておく必要があります。

計算はできるのですが、メンドッチ~。
割られる数と割る数を入力したら、勝手に計算して、「○○桁まで合ってます」と表示してくれると楽だな。
こういう単純な話はコンピューターにやらせるのがいい。

「円周率の歴史」にはいろいろな近似分数が紹介されていまして、全部確認することもないでしょうけど、ホントかなぁ、という、確認してみたいなぁ、という気もします。
どういうようにプログラムを作るかが課題です。

何カ所かから引用しますと
・126ページ
3/1,  22/7,  25/8,  63/20,  79/25,  142/45,  157/50
111035/35229

・185ページ
333/106,  355/113,  103993/33102

・205ページ
 ランベルトの計算:西洋で近似分数を計算した人にランベルト(1728~1777)がある。

80143857/25510582                          15
165707065/52746197                         16
24585092/78256779                           17
411557987/131002976                        17
1068966896/340262731                      18
2549491779/811528438                      18
6167950454/1963319607                     18
14885392687/4738167652                    20
21053343141/6701487259                    21
1783366216531/567663097408             23
3587785776203/1142027682075            25
5371151992734/1709690779483            25
8958937768937/2851718461558            25
336851849443403/107223273857129     27
1019514486099146/324521540032945    27

ランベルトの15個の近似分数はそれぞれ円周率の真値に、15, 16, 17, 17, 18, 18, 18, 20, 21, 23, 25, 25, 25, 27, 27桁合っている。

この結果はわが国の・・・有馬頼徸、会田安明・・・の次の結果と一致しない。
63885804/20335488
428224593349304/136308121570117
有馬、会田のそれは14桁と30桁合っている。

・206ページ
私が昭和30年に本書を出版してから2年後に境新は次の近似分数を計算して報告してきた。
76324 08968 24487 56762 / 24294 71229 99016 95663
38桁一致するという。今日まで最も詳しいものか。

30桁とか38桁(整数部まで含めて)一致するといわれると、やってみたいなぁ、とおもいますよね。{できれば楽して}

今日の話は前回の続き、今日の続きはまた次回。

{昔々、私が中学高校生の頃、「ラジオ関東」で、夜の10時半くらいだったでしょうか、でやっていた10分間のトーク番組がありまして。大橋巨泉さんと前田武彦さんのおしゃべり。この番組で「今日の話は昨日の続き、今日の続きはまた明日」とやっていました。で、この番組の後に、まだ高校生だった森山良子さんが出演して、みんなで歌を作っちゃあ、こんなのできた!と歌っていたのが「杏林フォークカプセル」だったかな。「今日の日はさようなら」もこの番組発だたんじゃなかったっけ。「今日のお弁当なんだろな~」などという、食い気盛りの高校生の歌もあったっけ。}

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