√2 の話:その6
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-d70e.html
√2 の話:その4(黄金長方形と白銀長方形を折り紙で作る)
↑前々回に出てきた黄金比の話で
「長方形から正方形を切り出す」
という操作に注目してください。
★ふと思っちゃったんです。
1:√2 の白銀比の長方形(紙)に対して、「長方形から正方形を切り出す」という操作を行ったらどうなるんだろう?と。
{実は、この考え、折り紙証明の図でももう実質的に登場しているんですけどね。}
あまりみかけない議論ではないでしょうか。
脱線をしたくなるのが、かかし爺さんのへそ曲がり。
↑四角形ABCDが白銀比の長方形です。
前々回はBE(=√2)をBCに合わせてみる、という図として使いました。
今回は、ABFEという正方形を切り出す、という図として見てください。
すると短辺ED=(√2 -1)、長辺EF=1というちょっと長い感じの長方形EFCDが残りますね。
短辺ED:長辺EFの比は
ED:EF=(√2 -1):1
ですが、では短辺EDを1としたら長辺EFはどのくらいになるのでしょう?
(√2 -1):1=1:x
x=1/(√2 -1)=√2+1
あれ?そうなんだ。
ということはこの細長い長方形から、その短辺を1辺とする正方形を切り取れば、白銀長方形が残るじゃん!
この図でEGHDという長方形が再度、白銀比の長方形になっているのですね。
そうすると、HF=HDのはずですね。
ED=GH=FCを単位にして測れば、HFは正方形の対角線ですから√2ですし、HDは白銀比の√2ですものね。
この辺りまでは、折り紙を実際にやって確認できます。
ここからHFとHDを重ねてみればいい。折筋がみえます。
こう折って
重なった。
手でやる折り紙ですから、折っているうちにずれが生じていて、「まあこんなものか」という程度ですが。
★ところで
新しくできた小さな長方形EGHDは、元の長方形の半分IJCDと、縦横の方向が同じで、右上の頂点を共有していますね。そしてこの二つの長方形は相似であるはず。
そうなら、それぞれの対角線である線分DGとDJはズレなく重なるはずですね。
これは苦しかったです。
誤差が積み重なってしまって。
笑って許して、という程度でした。
★新しい発見かどうかは知りませんが、あまり見かけない話だと思いご紹介しました。
★卒業アルバムの編集を担当した時、生徒が載せたいという写真を、どこにどのくらいの大きさで貼り付けるのかという指示書きについて。写真屋さんが、写真の対角線を延長して、「ここにこのくらい」と位置とサイズを指定してくれればいい、といいまして、ああそうか、相似形の指定なら対角線を利用する、そうなんだ、と実用的な「知恵」に喜んだことがあります。
思い出しました。あれは教師になった2年目だったと思います。
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