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2014年10月27日 (月)

化学の日

★10月23日は化学の日でした。
既に私のブログでは簡単な解説をしました。↓
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-11bc.html
2014年10月23日 (木)「10月23日は・・・の日」

マスコミではあまり取り上げられませんでしたが。

サイエンスポータル
『化学の日』初の催しで鈴木章氏らが講演
掲載日:2014年10月24日

 10月23日は日本化学学会や化学工業会、日本化学工業協会、新化学技術推進協会の4団体が指定した「化学の日」。その週が「化学週間」。昨年決めたが、実質的な事業は今年から始まった。その初の催しとなる講演会が10月23日、東京都荒川区の開成学園の講堂で開かれ、日本化学会の前会長の玉尾晧平・理化学研究所研究顧問、日本化学工業協会会長の小林喜光・三菱ケミカルホールディングス社長、ノーベル化学賞受賞者の鈴木章・北海道大学名誉教授がそれぞれに化学の意義を熱く講演して、約500人の生徒たちを感動させ、鼓舞していた。
 「化学の日」の発案者の一人である玉尾晧平氏は、1モルの分子数が6.02×10の23乗とされるアボガロド定数にちなんで10月23日を「化学の日」としたことを紹介して「分子はこんなにすごい」と語り始めた。10年前から取り組んでいる「一家に1枚周期表」の運動に触れて「化学はセントラルサイエンス、すべての科学の基盤」「自然も暮らしもすべて元素記号で書かれている」と提起した。日本の底力を示したノーベル賞受賞者らの業績も元素記号で解説し、「資源問題も元素戦略で解決したい。科学(化学)が文化になることを願っている」と訴えた。
(後略)

私たちは物質世界に住んでいます。物質は原子分子でできています。
化学は物質の学問です。
ですから、ありとあらゆる物質は化学の対象であり「化学物質」なのですね。

NHKも報じていました。

アボガドロ定数「化学の日」講演(NHK 10月23日 21時11分)
 高校の化学の授業で学ぶアボガドロ定数、忘れてしまったという人は多いかもしれません。
研究者の団体などは多くの人に化学の大切さを知ってもらおうと、この数字にちなんで10月23日を「化学の日」としていて、東京ではノーベル賞を受賞した研究者などによる講演会が開かれました。
 全国の研究者でつくる日本化学会などでは、あらゆる物質に含まれる原子や分子の数の基本となるアボガドロ定数、「6.02×10の23乗」にちなんで、10月23日を「化学の日」としています。
 (中略)
 アボガドロ定数は化学の基礎となる物質の基本単位、「1モル」に含まれる原子や分子の数のことです。
1ダースが12個を示すように、あらゆる物質「1モル」に含まれる原子や分子の数は「6.02×10の23乗」になります。
1モルあたりの物質の重さは元素ごとに決まっていて、例えば水素であれば1グラム、炭素であれば12グラムとなります。
高校の化学の授業で学ぶ数字ですが、一般にはなじみが薄いだけに、化学が苦手になるきっかけになったという人は少なくありません。

報じてくれたのはいいのですが、やはりクリアには理解しておられないようですね。
「「1モル」に含まれる原子や分子の数は「6.02×10の23乗」になります。」って、論理が逆でしょ。
「6.02×10の23乗」個の集合を1モルと名付けたんです。

ではなぜ「6.02×10の23乗個」なのか。
原子量という原子の重さの比を示す量がありますね。
あくまでもこれは「比」です。(比の基準の論議は少し込み入りますので省くとして)
水素原子の質量:炭素の質量:酸素原子の質量=1:12:16。

原子1個の質量比は1:12:16。
原子2個の質量比も1:12:16。
原子3個の質量比も1:12:16。
 ・・・
原子N個の質量比も1:12:16
 ・・・

これがミソなのです。
比ですから、同じ個数ずつ集めて比を取れば、比は変わらない。
じゃあ、原子を適当な個数集めて、人間が測って扱える質量になったらいいな。
それって、どのくらいの個数なのかな。
研究の結果、原子を「6千垓個」集めると、比は1:12:16を保ったまま、1g、12g、16gになることが分かったのです。
分子量も原子量を足したものですから、比です。
ですから、分子を「6千垓個」集めると、分子量にgがついた質量になるのです。
これ、いいですね。
ですから、「6千垓個」の集団を特別に「モル」という名前を付けて使うことにしたわけですね。
はい「6千垓個」=「6×10の23乗」です。
指数表示でつまづいてしまう人も多いんですよね。
数学そのものじゃないんですから、要するに、桁数を示すものだと了解してしまえばどうということもないと思うんだけどなぁ。

IT技術が広まりました。結果として接頭語を単位につけて桁を示す方法が以前よりもなじみやすくなったかもしれません。
----------------------------------------
10^24    Y      Yotta   ヨタ     一じょ(禾へんに「予」と書く字です)
10^21    Z      Zetta   ゼタ     十垓
10^18    E      Exa     エクサ   百京
10^15    P      Peta    ペタ     千兆
10^12    T      Tera    テラ     一兆
10^9     G      Giga    ギガ     十億
10^6     M     Mega    メガ     百万
10^3     k      Kilo      キロ       千
10^2     h      Hecto   ヘクト     百
10^1     da    Deca    デカ       十
----------------------------------------
「10k円」などという書き方もあるくらいですね。私にはスムーズに読めませんが。
ハードディスクの容量は「テラ」まできてますね。
そうすると、「6×10の23乗」は「600Z(ゼタ)」です。

原子分子を600Z個集めると、原子量・分子量にgをつけた質量になる。
そこでこの「600Z個の集団」を「1モル」と呼ぶことにした。

こういう授業の進め方もありかな。最近なら。

★一時話題になったスーパーコンピュータ「京(けい)」。
浮動小数点数演算を1秒あたり1京回おこなう処理能力があって、それにちなんだ命名でした。
1京回というのは、10P(ペタ)ですね。

★「垓」なんて見ることはないだろうな、モルの時だけだろうな、と思っていたら、最近思わぬところでお目にかかりました。
「裏山の奇人 野にたゆたう博物学」小松貴 著、フィールドの生物学⑭ 東海大学出版部
という本です。この本のp.152から引用します。

 美人は三日で飽きると言うが、モルフォチョウは一垓回見ても飽きない。

スゴ。モルフォチョウの魅力たるや「垓」ですって。
この本、まだ読書中です。
この著者、いやはやすごい方でして、「奇人」を名乗る資格は充分です。
この著者の、先生的な立場の方がおられまして、その方の本は最近読了したところですが、この方も「怪人」という尊称を奉りたいようなお方でした。
いずれこのお二方について書くこともあるかもしれません。

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