モンシロチョウ
2014.9.30
モンシロチョウやキチョウもまだまだ飛来します。
そんな中、妻がハボタンの種を買ってきて播きました。
私がいつもハボタンが長けていくのを喜んでいて、更に「踊りハボタン」が見たいものだ、などと言っているのを聞いていて栽培を思い立ってくれたのです。ありがたいことです。
ウィキペディアの「ハボタン」には
主に冬期の花壇やプランターなどで、屋外栽培される。花は黄色で4-5月に開花するが、観賞の対象とされず、薹が立つ前に処分されてしまうことが多い。 但し、近年は薹が立って(節が伸びて)葉の密集した形態が崩れた状態を愛でる人もある。 また、多年草として育てれば樹木のような枝を出し、それぞれの枝の先端にハボタンがついた姿(踊りハボタン)となる。
こういう記述がありまして、私は「形態が崩れた状態を愛でる人」ですし、「踊りハボタン」なる状態が見たいわけです。
ハボタン播いたの?それってモンシロチョウの越冬蛹を育てるつもりかい?とワタシ。
ちゃんと観賞するのよ、とツマ。
で、私の予言が当たりまして、モンシロチョウが産卵して孵化した。卵の数が半端じゃない。
いいさ、ハボタンは食べさせちゃいな。(虫さんにはかなわない、あっさり退き下がります)
でも、それでも足りそうもない。
ご近所にあるダイコンの葉を少し頂いて与えたり。
急きょ残っていたハツカダイコンの種を播きました。発芽しました。
速く育ってもらって、モンシロチョウのアオムシに与えようという算段です。
どういう夫婦なんだかね。
越冬させられますやら。頑張ります。
★
昨日の「クロウリハムシ」の記事で「昆虫はすごい」という本から引用しました。
8月23日に購入して読んだ本です。
そうしたら、「化学」(化学同人刊)という雑誌の今月号にほぼ同じ内容の論文が掲載されました。一部引用してお目にかけます。
化学 Vol.69 No.11(2014)
被害を受けた仲間の香りを取り込んで身を守る!
――植物間の化学コミュニケーション解明に向けて
杉本貢一、松井健二、高林純示
食害特異的な(植食者誘導性揮発物質 herbivore-induced plant volatiles)HIPVs は、害虫の居場所を示す情報となるため、天敵生物が餌を探索する際に利用して効率よく餌となる害虫を発見している。たとえば、もっぱらアブラナ科植物を食べるモンシロチョウの幼虫(アオムシ)には、体長2mmほどの小さな天敵寄生蜂アオムシサムライコマユバチ(以下コマユバチ)が日本中どこにでもいる。コマユバチはアオムシの主要な天敵であり、寄生率は高いときで90%以上に達する。このハチはHIPVsのなかでも、みどりの香りグループに誘引される。・・・植物は香りの放散によって天敵生物の行動を変化させ、間接的に害虫を撃退していると一般的に考えられている。
「みどりの香り」というのは「青葉アルコール」とも呼ばれる物質です。
アルコール部分がアルデヒドになっていたり、酢酸エステルになっていたり、二重結合の位置がずれていたり、という物質群を「みどりの香りグループ」といっています。
化学の専門雑誌ですから、構造式とかいろいろ明確に書かれていて、化学系の私にはものすごく面白い論文でした。
それにしても、本で読んだら、論文にも出会えて、偶然って面白いものです。
そして、モンシロチョウさんも大変なんだよなぁ、植物の方も工夫してるんだよなぁ、と感慨深いものがあります。
もう一つ。ハスモンヨトウというガの幼虫がトマトの葉を食害すると
未被害トマトの葉が、食害を受けたトマトの葉から放出される揮発性物質のなかの (Z)-3-ヘキセノール(青葉アルコール)を細胞内に取り込み、配糖体化するという現象を見いだした。さらにこの配糖体が、その後の食害に対する防衛物質として働いていることもわかった。
被害トマトと健全トマト間のコミュニケーションの結果、健全株がハスモンヨトウに対してより防衛的になった事実は、(Z)-3-ヘキセニルビシアノシドの蓄積で一部説明できると考えている。
食害された葉が出す青葉アルコールが、空気中に拡散して健全な葉に到達したとして、量的にはごくわずかですよね。それを配糖体に変えるのはいいとして、それも量的にはわずかですよね。そのわずかの配糖体でハスモンヨトウの幼虫に対する防御物質として十分な量なのか?というところに疑問が残りました。
青葉アルコールを信号として受け取ったら、その信号を増幅して防御物質をたくさん合成しなければいけないのではないか、そんな読後感です。そのうちまた、続報も出るのでしょう。私にそれを読むチャンスがあるかどうかは別として。期待しています。
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