クロウリハムシ
2014.10.7
前の記事のオンブバッタ同様、クロウリハムシも葉に穴を開けます。
ただ、先ず葉に溝を丸く掘ってからその中を食べます。トレンチ行動といいますが、最近の読書から引用します。
「昆虫はすごい」丸山宗利 著、光文社新書710
36ページ
それでは、自然界ではある植物に特化した昆虫がのうのうとそれを食べているのかというと、そうでもなく、植物と昆虫の戦いは、互いに対抗策を出し合い、常に続いている。
植物側の対抗策としてよくあるのは、昆虫が食べた部分に、植物が防御物質を送り込むという方法である。それに対する昆虫の摂食方法として、防御物質を流し込む葉の管を切断するというやり方がある。
たとえば、クワズイモという植物の葉を食べる東南アジアのハムシ科の甲虫は、葉を食べる前に、葉に円形の傷をつける。そして、傷をつけたあと、内側の部分をゆっくりと食べる。
アサギマダラというタテハチョウ科のチョウの幼虫がキジョランなどの有毒植物を食べるときや、マダラテントウというテントウムシ科の甲虫が防御物質の強い植物の葉を食べるときにも同じ行動をとる。
クロウリハムシも同じ行動ですね。
賢いものです。どうしてそんな行動を獲得できたのか、本当に不思議。
★この本のちょっと先にまた、気になる記述がありました。
ヒトもよく食べるキャベツなどのアブラナ科植物は、実は大部分の昆虫に有毒である。しかし、モンシロチョウなどのいくつかの昆虫は、この毒を克服し、逆に自分の摂食行動を誘発する物質として利用している。ただしその物質も、モンシロチョウが食べると、ほかの物質と混じって寄生蜂を呼ぶ物質となる。
そうなんだ、モンシロチョウのアオムシがアブラナ科の葉を食べると、寄生蜂に対して誘引性の物質が生じてしまうんですね。すごい工夫だなぁ。モンシロチョウに食べられている、やっつけてください、という植物からのサインになってしまうんですね。自然界のバランスって、絶妙なものなのですね。
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