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2014年9月 3日 (水)

広島の土砂災害での土石流の速さについて

毎日新聞の記事から

広島土砂災害:土石流、瞬間時速144キロも…専門家分析(毎日新聞 2014年08月25日)
 広島市北部の局地的豪雨による土砂災害で発生した土石流が、複数の地点で時速約40キロに達していたことが専門家の分析で分かった。瞬間的には時速144キロのスピードだった可能性も指摘されている。土石流のスピードは一般に時速20〜40キロとされており、現地特有の地質条件によって引き起こされた「表層崩壊」によって、高速の土砂が民家などを襲った状況が浮かび上がってきた。
 ・・・
 台湾国家宇宙センターが撮影した衛星画像を三次元衛星画像解析し、地形や地質のデータなどを加味すると、土石流は八木地区の裏山である阿武山の標高261メートルの地点で発生。傾斜20〜28度の急斜面約590メートルを一気に駆け下り、1分未満で住宅地へ浸入したとみられる。平均速度は時速40キロ弱だが、瞬間的には時速108〜144キロに達していた可能性があるという。・・・

朝日新聞もほぼ同じ内容

広島の土石流、最大瞬間時速144キロか 衛星画像分析(2014年8月26日)
 広島市で起きた土砂災害で、土石流が瞬間的に時速150キロ近くに達していた可能性がある、と広島工業大の菅(すが)雄三教授(空間情報科学)らが推定した。
 ・・・
 菅教授によると、土石流の時速は一般的に時速36キロ程度だが、阿武山中腹で起きた土石流は斜面が急で量が多く、瞬間的に2~4倍の時速72~144キロ程度が出ていた可能性があるという。・・・

「標高261メートルの地点で発生。傾斜20〜28度の急斜面約590メートルを一気に駆け下り、1分未満で住宅地へ浸入」
この記述を図にしてみました。
Calc
そうすると、傾斜は約26度。
なるほど、緩かったり(20度)きつかったり(28度)しながら、全体としては26度くらいか。ちゃんとおさまってますね。
590mを60秒程度で走ると、約10m/sです。
m/sの値を「3.6倍」するとkm/hの値になります。
するとこれは36km/hです。
毎日ではこれを「平均速度は時速40キロ弱」と表現しました。

おそらく専門家は速度を秒速で表していると思うのです。科学ではそれが基本ですからね。
で、秒速では一般の人がわかりにくいだろうということで時速に直して伝えている。

10m/sは 36km/h
20m/sは 72km/h
30m/sは108km/h
40m/sは144km/h
50m/sは180km/h

こういうことなんです。
100mを10秒で走ると36km/h。
高速道路を時速100km程度で走っているとき30m/s
台風の風速が50m/sといったら、180km/hなんですね。
こういう換算、頭に入れておくといいですよ。
あるいはこの数字のパターンね。36の倍数の数字が出てきたら、こういう計算をして表示しているな、と見破ってください。
土石流では実際に測定した値ではなく、あくまでも推定ですので、有効数字は2桁かひょっとして1桁しかないでしょう。

毎日の
瞬間時速144キロ
瞬間的には時速108〜144キロに達していた可能性

朝日の
一般的に時速36キロ程度
瞬間的に2~4倍の時速72~144キロ程度

こういう記述は、わからなくはないですが、有効数字を考えると「72、108、144」というのはいただけませんね。
「70、100(110)、140(150)」こんな数字でいいはずです。
1km/hの値なんかまるっきり意味がないのですから。
10km/h単位で十分でしょう。

朝日の「土石流が瞬間的に時速150キロ近くに達していた可能性」という表現がおそらく適切なのだと考えます。

★「土石流の時速は一般的に時速36キロ程度」とあります。絶対に走って逃げることはできません。
100mを10秒じゃ走れない。予めの対策が絶対に必要です。

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