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2014年9月22日 (月)

コニシキソウにアリ

0908_21konisikisou1 {}2014.9.8
コニシキソウにアリがいました。
確かコニシキソウとアリはつながりがあると読んだっけ、と撮影。
0908_21konisikisou2
クロヤマアリです。

★検索してみたらいい映像がありました。
NHKの「ミクロワールド」です↓
http://www.nhk.or.jp/rika/micro/index_2013_019.html
[2013年度 第19回] 10月21日「アリと生きる コニシキソウ」

小さな雄花と雌花をつけ、アリが花粉を運んだり種を運んだりする。

コニシキソウとアリの関係
夏の畑。足もとを見ると、地面に張り付くように生えている草があります。コニシキソウです。葉に紫色の点があり、枝をはうように伸ばすのが特徴です。コニシキソウは、昆虫のアリと密接な関係を持っています。その様子を見てみましょう。

雄花・雌花の蜜腺
コニシキソウは夏から秋にかけて花を咲かせ、実を付けます。花の横にある小さな丸いものが実です。雄花と雌花が別々に咲き、花びらはありません。先端に黄色い花粉を付けているのが雄花。長さ0.5mmほどの、雄しべ1本だけの花です。その横に、蜜を出す蜜腺があります。雌花は、先が三つに分かれた雌しべだけが見えています。その下には、やはり蜜腺があります。地面に伸ばした枝に、たくさんの花が蜜と一緒に付いています。

花粉を運んでくれるアリ
アリがやってきました。目当ては、もちろん蜜です。蜜を吸うとき、アリの頭が雄しべの花粉に触れ、花粉がアリの頭につきます。雄しべの花粉は、アリの頭につくちょうどいい高さにあるようです。花粉を頭につけて、アリは次の花へ移動します。コニシキソウは、アリが花粉をつけなくても種を作ることができます。しかし、離れた雌花にアリが花粉を運ぶことで、多様な子孫が作られているのかもしれないのです。

熟した実から飛び出す種
受粉して数日たった雌花をみると、雌しべの付け根が大きくふくらんでいます。中には種ができています。いくつもの実が房のようになります。上を向いているのは、中の種が熟した実です。これが乾燥すると実の皮が破れ、「パチンッ」と種がはじけ飛びます。

アリに運ばれて新しい場所へ
コニシキソウの種をアリが運んでいます。花粉を運んだアリとは別の種類のアリです。草の種などを集めて食料にするトビイロシワアリです。種を運ぶ先は、巣の中。ところが不思議なことにこのアリは、コニシキソウの種をほとんど食べずに巣の外に捨ててしまいます。そのおかげでコニシキソウは、新しい場所で芽を出すことができるのです。地面に張り付いて、アリとともに生きるコニシキソウ。たくみに生きる植物のすがたを見ることができます。

素晴らしい映像です。納得してしまいます。ぜひご覧ください。
引用中、「種がはじけ飛びます」という解説と「種をアリが運んでいます」という説明は、なんとなくどこかに「違和感」ありますね。

下に引用してあるpdfの論文には
   コニシキソウの種子にはエライオソームはなく、
   種子繁殖期前半に生産された種子は自動種子散布によって散布されるが、
   種子繁殖期後半に生産された種子は自動種子散布されず、
   アリによる種子散布がみられ、季節によって散布様式が異なる

こんな記載がありました。前半では親株と競合しないように種を遠くへ飛ばす、後半では、もし単に落ちても、もう親株と競合することはない、というような関係のせいではないか、と考察しています。

★スミレなどの植物では、アリが好む「エライオソーム」という物質を種子につけて、アリに運んでもらうものがあります。アリ散布植物といいます。
 でも、コニシキソウの場合は、種子にエライオソームはついていないようです。何がアリに種子を運ぶ行動を惹き起こしているのでしょうね。
そしてまた、いったん巣に運び込んだ種をアリが捨ててしまう。
考えられるのは
初めアリに対して誘引的に働く物質を出して、巣まで運んでもらう。その後、アリにとって不快なにおいの物質を出すように変化して、食べられずに捨てさせる。
そんなことかなぁ、と想像します。

http://www.tcp-ip.or.jp/~jswc3242/mamechishiki/mame46eraiosoomu.html
「植物豆知識の頁」というページです。わかりやすい解説がありますのでどうぞ。

http://ir.kagoshima-u.ac.jp/bitstream/10232/15021/3/Diss_Kobayashi_Yoshihiro_No.658.pdf
コニシキソウにおけるアリによる種子散布の意義とアリにとっての種子の価値

↑くわしいです。117ページもあります。さすがに、私、全部は読んでません。初めの何ページかを覗いてみただけです。
よろしかったらどうぞ。

★最後に
コニシキソウとコミカンソウをセットで覚えたものですから、どちらかを撮影すると、どうしても他方も撮りたくなります。
で↓
0908_22komikansou
コミカンソウです。
不思議なもので、なんとなくしあわせ気分になる草ですね。

★「身近な雑草のふしぎ」森明彦 著、サイエンスアイ新書
この本を本屋さんで立ち読みしていたらコミカンソウに出会いまして、買ってきて読み始めたらコニシキソウの解説もありまして。
そういうわけで、コミカンソウとコニシキソウがセットで頭の中に収まってしまった、ということなのです。
で、コニシキソウのところには

きわめて小さな花は、はっきりいってボロクズである。けれども葉茎の合間にちょこちょこと並べ、甘い香りでアリンコを誘っている。連中が受粉を助けていたのだ。

こういう記述がありましてコニシキソウにアリを見たときに、あ撮影しなくっちゃ、という気になったのでした。

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