ヤマタノオロチ
昨日の朝日新聞の天声人語の冒頭部分
(天声人語)繰り返された豪雨禍(2014年8月21日)
山肌をえぐる土砂の傷痕が幾筋も並ぶ映像を見て、神話に出てくるヤマタノオロチを連想した。一つの胴体にたくさんの頭と尾があり、からだは幾つもの谷や峰にわたるほど大きい。それが年ごとにやってきて人の命を奪っていく。・・・
神話・伝説ですから正しい説かどうかはわかりませんが。
花崗岩質の山があって、風化して真砂土(マサ土)となり、雨で土砂崩れを起こして流れ落ちた「出来事」。
これが出雲神話の「ヤマタノオロチ」伝説のもとだろう、という説があるのです。
広島と同じ条件ですね。
出雲の観光ガイドのサイトから引用します↓
http://www.izumo-kankou.gr.jp/714
ヤマタノオロチ伝説の解釈は本当に諸説紛々ですが、古代からたびたび氾濫を繰り返しておそれられた斐伊川がオロチの正体なのでは?といわれています。
スサノオが降り立った地は斐伊川の源流である奥出雲の鳥髪(とりかみ)という地であり、その奥出雲はたたら製鉄の本拠地であることから、オロチ伝説と深く繋がっているといった見方もあります。
たたらに必要な木炭を取るために木を大量に伐採し、そのために洪水が起きた。鉄の原料である砂鉄を取る時に川が赤く濁ったため、下流の斐伊川周辺は被害を受けた。奇稲田姫(くしなだひめ)は田んぼそのものを象徴し、砂鉄や洪水で氾濫する斐伊川(おろち)が毎年田んぼを破壊したというのです。当時の出雲地方を象徴した面白い解釈であるといえます。
製鉄のために砂鉄を使ったことは事実だと思いますが、神話が成立していく時代では、花崗岩の自然の風化による砂鉄採取だったのではないかと、私は考えます。
積極的に花崗岩を細かくし、樋のようなものに水と共に流すと、密度の大きな砂鉄は後に残り、密度の小さな砂が流れていく、この密度差による一種の「比重選鉱」を「鉄穴流し(かんなながし)」といいますが、これはもう近世でしょう。神話の時代ではないと思います。
自然災害として出雲で土砂崩れが多く、それをヤマタノオロチの力に例えたのかもしれない、というのはありそうな気がします。
ふと、昔、古事記など読んだ記憶をたどってみました。
私が名乗る「崩彦(くえびこ)」は古事記に出てくる「かかしの神様」のことです。
「足はいかねども、あめのしたのこと、ことごとく知れる神」だそうです。畏れ多いことで。
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