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2014年2月17日 (月)

電池の基本

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-1a66.html
2014年2月 5日 (水)「NAS電池」
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-4a5b.html
2014年2月 7日 (金)「ボルタ電池は素性が悪い」

↑上の2回に続く電池の話です。

★電池とは、電子のやり取りが行われる化学反応を利用して、その電子のやり取りを外部に取り出して利用する装置です。
電子のやり取りが行われる化学反応のことを「酸化還元反応」といいます。
{参考までに:水素イオンがやり取りされる化学反応のことを「酸塩基反応」というのでした。}

電子を出す物質(Aとしましょう)
   ↓
   ↓電子
   ↓
電子を受け取る物質(Bとしましょう)

これが酸化還元反応。
よく、「酸化反応と還元反応は同時に起こる」という言い方をしますが、独立な反応が、時を同じくして起こるのではありません。
授業では、右手から左手へチョークを投げて見せる、ということをよくやりました。
出来事は一つしかありません。「チョークが右手から左手へ移動した」という出来事だけです。
ところが、右手から見れば、持っていたチョークを失ったのだし、左手から見れば、何も持っていなかったのがチョークを得た、ということになります。
一つの出来事であっても、どちらから見るかで、見え方が変わりますね。
酸化還元反応もまったく同じこと。

「電子がAからBへ移動した」という一つの出来事を
Aから見ると:電子を失った=Aは酸化された=Aは還元力が強い
Bから見ると:電子を得た =Bは還元された=Bは酸化力が強い

となるわけです。
電子を失うことを酸化といい、電子を得ることを還元と言います。
ですから、酸化還元反応とは、電子のやり取りという一つの出来事の「裏表」なのです。
{この「一つの出来事の裏表」という概念は重要です。水素イオン(H+)のやりとりとしての酸塩基反応の場合は、水素イオンを出す側が酸であって、水素イオンを得る側が塩基となります。}
{少々ややこしいとことなのですが。酸化剤とは相手から電子を奪って、相手を酸化するのです。ですから自分は還元されやすい物質なのです。還元剤は相手に電子を押し付けて、相手を還元する物質です。ですから自分は酸化されやすい物質なのです。}

★電子を出す物質Aと、電子を受け取る物質Bを混合したら、当然、その物質同士の間で電子のやり取りが行われてしまいます。その際、反応熱が出ます。
でもそれでは電子は外に出てきません。
ですから、電池を作るためには、内部で電子を出す物質と、電子を受け取る物質が接触(ショート)することは厳禁です。
これがセパレーターというものの第一の働き。

Aがマイナスの電気を持つ電子を出したら、Aの残った部分はプラスの電気を持つことになります。
A→ e- + A+
電子をどんどん出したらA+がどんどん溜まります。
プラスが溜まったら、マイナスは出ていきにくくなります。引き戻されてしまうから。
なんとかしなきゃ。
Bが電子を受け取るとBはマイナスの電気を持つことになります。
B+e- →B-
マイナスの電気を持ったB-がどんどん溜まれば、マイナスの電子は入れなくなります。
なんとかしなきゃ

で、セパレーターの登場。
セパレーターは、電池の内部ショートを防ぐほかに、イオンが透過できることが必須の条件なのです。
A→e- + A+
  ↓   イオン
  外部   …↕…(セパレーター)
  ↓   イオン
B+e- → B-

外部に流れた電気と同量の電気が電池内部ではイオンの移動によって運ばれる。
これが電池の大原則です。

このようにして電池を構成すると、直接の混合では熱になってしまうエネルギーが、電気エネルギーとして利用できるようになるのです。

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