的川先生の連載から
http://www.asahi.com/articles/TKY201312070078.html
(宇宙がっこう)銀河同士が衝突したらどうなる?(2013年12月7日15時40分)
恒星が千億個くらい集まって構成された「銀河」――この宇宙に千億個ほど存在すると言われます。私たちの太陽系が属しているのは「銀河系」または「天の川銀河」と呼ばれます。・・・
「天の川銀河」から230万光年離れた隣に、「アンドロメダ銀河」があります。二つは大きな重力で引き合い秒速300キロというすごい速さで接近していて、数十億年後には衝突すると言われてます。銀河と銀河の衝突事件は、宇宙では珍しくないのです。
例えば「アンテナ銀河」の写真がハッブル宇宙望遠鏡などで捉えられていますが、これは実は二つの銀河がまさに今、衝突合体しつつある姿です。互いに潮汐力(ちょうせきりょく)を及ぼすため、アンテナみたいな「腕」が伸びています。これが未来の「天の川銀河」と「アンドロメダ銀河」の姿なのです。二つの銀河の衝突は、正面からぶつかり合うのではなく、手と手をとりあい踊っているかのように互いに相手の周りを回りながら、混ざり合っていくのです。その腕がアンテナを想像させますね。すっかり混ざり合うのには数十億年かかると言われています。・・・
気になるのは、私たち太陽系の運命です。ある計算ではこの銀河同士の衝突は、太陽系を新たな銀河の中心から10万光年離れたところへはじき飛ばすそうです。そしてその影響は太陽系内部の構造には及ばないと予想されているのです。銀河の中がスカスカなので、恒星同士の衝突はほとんどありえないということです。・・・
(的川泰宣・JAXA名誉教授)
「アンテナ銀河」と聞いたときに、皆さんはどんな「アンテナ」を思い浮かべますか?
アナログ放送時代のTVアンテナ?地デジのアンテナ?UHFのアンテナ?
衛星放送受信用のパラボラアンテナ?マイクロ波の中継用のパラボラアンテナ?
ここにちょっと書いたのはみんな電波の送受信用のアンテナですね。
antenna{名詞}((複数形)antennas)
おもに米アンテナ;
(昆虫などの)触角
パーソナル英和辞典より引用
実は、日本人がほとんど知らない意味がありまして。
上のように「触角」という意味があるのですね。
新聞記事のURLをクリックすると、写真が見られるはずです。
そのほか、下のサイトでもアンテナ銀河の写真が見られます。
http://ryutao.main.jp/st2k_ngc4038.html
http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/antenna_galaxy.html
「アンテナ」は昆虫の「触角」の意味であることがよくわかります、どうぞ。
★「銀河の中がスカスカなので、恒星同士の衝突はほとんどありえないということです。」
これね。ちょっと信じがたいですね。
銀河が衝突しても、銀河を構成する恒星の衝突はほとんどありえないのですね。
昔、このことを知ったときはなんだかくらくらするような思いがしましたっけ。
重力というものはとても「弱い」力です。
私たちは日常、地球の重力を感じて生きていますが、太陽の重力を感じてはいません。
太陽系に近い恒星というと
プロキシマ・ケンタウリ 4.2光年
シリウス 8.6光年
などが有名ですが、その星が太陽系に及ぼす重力なんてとても小さいものです。
2個の電子の間には電気力(斥力)と重力が働くはずです。
その比をとると
電気力の方が重力よりも「4.2×10^42」倍も強いのです。
でも、重力は質量さえあれば働く。
電気力がプラス・マイナスの間で働き、磁力はN・Sの間で働くのと違って、重力は質量さえあれば働くのですね。
その弱い力である重力で恒星が引き合って、銀河を構成するのですが。
太陽系が属する銀河を「銀河系」といいます。
銀河系とアンドロメダ銀河を中心として半径300万光年程度の範囲の銀河集団を局部銀河群(局所銀河群)といいます。
一般には3個以上数10個程度以下の銀河集団を銀河群と呼びます。
50個より多数の銀河が1000万光年程度の大きさの領域に密集している集団を銀河団といいます。
複数個のの銀河団や銀河群が連なり合って、1億光年程度より大きな構造をつくる時、これを超銀河団といいます。
{理科年表の解説から引用しました}
なんとまあ。ものすごい構造が階層的に構成されていますが、これも重力によって構成されるものです。
気が遠くなりません?
銀河同士の間で「潮汐力」が働くというのもすごいでしょ。
重力の強さの傾きが銀河を引き延ばす方向の力として現れるんですね。
話が桁はずれで、こういうの大好き!
お正月の夜空を眺めたら、こんな話もちょっとだけ思い出してみてください。
1億光年も離れたところの銀河と、我が銀河系が重力で引き合っているなんて。ね。
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