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2014年1月20日 (月)

クロソイドとは

★わたくし、沙羅ちゃんのファンでして、あるメーカーの牛乳なども「サラちゃん牛乳」などと呼んで笑いながら飲んでおります。
ところで、サラちゃん関連の記事を読んでいて、気になることがあったのですね。
●2014年1月20日の記事では

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昨オフに改修された蔵王のジャンプ台は、傾斜が宮の森などより緩いところが、ソチの台に似ている。直線から緩やかな曲線になり、踏み切り台近くまでなだらかな弧を描く。そのため、助走路を滑っているときは遠心力による圧力を感じにくい。どのタイミングで踏み切ればいいか。高梨は「かなり集中しないと遅れてしまう」と警戒していた。
 ・・・
 ソチの台には、苦い記憶があった。一昨年12月のW杯。初めて飛んだ台で2位、3位と結果は良かったが、本人は「タイミングを取りづらい」とこぼしていた。
・・・

●2014年1月17日の記事

ジャンプ台、仮想ソチ 高梨「神経を集中」
 ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプは18日から、女子個人戦が山形市蔵王ジャンプ台で2試合行われる。昨春からの改修を終えたジャンプ台はソチ五輪で使われる台と形状が似ており、選手たちは「助走路を滑っている時、(遠心力の)圧を感じにくく、タイミングを合わせにくい」と声をそろえる。17日の公式練習で2回飛んだソチ五輪代表の高梨沙羅(クラレ)は「かなり集中していないと(踏み切る)タイミングが遅れてしまう。そこに神経を集中させるしかない」と語った。
 ・・・

●2014年1月18日の記事

新ジャンプ台はソチ仕様 W杯蔵王大会、技術の勝負か
 助走路がソチ五輪会場と同様の形状に改修された山形市の蔵王ジャンプ台で18日、スキー・ジャンプの女子ワールドカップ(W杯)が始まった。飛び出す感覚をいかにつかむか。五輪を占う戦いにもなりそうだ。
 従来の助走路は、スタート位置からしばらく直線の斜面を滑った後、曲率が一定のカーブに突入し、選手は体に重力を感じてから踏み切っていた。
 これに対し、新しいタイプは国際スキー連盟(FIS)の新規格に基づく「クロソイド曲線」を導入。スタート直後から緩やかに変わっていくカーブに入るため、助走中に体に受ける重力を感じにくい。日本で初、海外でもまだ少ないタイプで、重力の反動を使わないため、「技術の差が出やすい」とも言われる。
 17日の練習後、高梨沙羅(クラレ)は「曲線での圧のかかり方が、とても緩やか」と話し、踏み切るタイミングが遅れないよう集中しなければならない難しさを口にした。海外選手からは「ソチの前にトレーニングを積む機会になって良かった」と、歓迎する声も上がる。
 ・・・

なんだろうなぁ、と思っていたら、曲線部分が「円周の一部」から「クロソイドの一部」に変わったんですね。
これを読んで、ああ、そうだったのか、そうだろうなぁ、と納得してしまいました。
クロソイドと聞いて私のように納得してしまうのは、物理系の人とか、鉄道・道路設計関係の人でしょうね。

「曲率が一定のカーブ」というのは「円周の一部」です。
「(曲率が)緩やかに変わっていくカーブ」がクロソイドの一部です。

Line_circle 直線と円
これは矢印のところで直線と円周が滑らかにつながっています。
円の接線方向の直線ですので、滑らかです。
ところがこれが道路だとして、直線上を走ってきた車が矢印のところから円周の道に入ると、突然ここから円運動に入るわけですね。そうすると、車に乗っている人にとっては、ここから突然、ある大きさの遠心力を受けることになります。
運転者としては、ハンドルを真っ直ぐに保持して走ってきたのが、この点から突然ある角度にハンドルを切らなければなりません。あとは一定の角度でハンドルを保持できるのですが、変化が突然やってきます。

なるほど、ジャンプの選手たちは、直線的なスロープを膝を曲げて下ってきて、円周の部分に入った瞬間に体で、特に膝で、でしょうけれど、突然受け始める遠心力を感じ取って踏切のタイミングを測っていたのですね。

さあ、そうすると、クロソイドってなんだろう?
私自身のHPから引用します↓
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/essay/Clothoid.htm
緩和曲線(transition curve)

●「クロソイド」の曲率円の半径(r)は、その曲線上の道のり(走行距離 s)に反比例する。
  極方程式
r=a^2 /s(θ)     (aは定数)
によって定義される曲線を「クロソイド」という。
  ドライバーがこの線形の道路を走行するときは、ハンドルを一定の速さで、緩やかに回せばよい。したがって、高速道路の線形を、直線形から円弧形に接続したいとき(その逆の場合も)その中間に、この曲線「クロソイド」を設置して「曲率円」の半径の変化に段差が生じないようにする。
  また、一つの円弧形の道路から、それと大きさの異なる円弧形の道路に接続したいときも、その中間に「クロソイド」を設置する。
  「クロソイド」を「コルニュのらせん(Cornu's spiral)」ともいう。フランスのパリ理工科大学の物理学教授であったコルニュ(M. A. Cornu, 1841-1902)が光の回折現象を説明するのに、この曲線を使ったことによるという。

この曲線に入っての走行距離が短いと緩く曲がり、長くなってくると強く曲がるわけです。
滑らかにだんだん曲がり方が強くなってくる曲線、なのですね。
高速道路や、鉄道の線路の設計にどうしても必要な曲線なのです。
{実は私のHPの記事は、2005年4月25日、兵庫県尼崎市のJR宝塚線(福知山線)で起こった脱線事故の記事の中に「緩和曲線」という言葉があったのを受けて、解説してみようと書いたものなのです。}

Clothoid クロソイド
これは、HPに書いてあるエクセルのVBAプログラムを、今回、新しいエクセルにコピーして走らせて得た曲線です。
バージョンに固有の機能のようなのを使わずに書くようにしていますから、昔のプログラムもそのまま走ります。
Clothoid2 クロソイド
これは、十進BASICにVBAプログラムを貼り付けて、いくつかの文法事項を書き換えて走らせて得た曲線です。
言語が違っても、構造が明瞭に書いてあったので、移植は簡単でした。
下の図で、x軸が下の方にありますが、このx軸上を負の方向からまっすぐ走ってきて、原点のところからクロソイド曲線に入ると、最初は曲がりが緩いのですね。で、クロソイド上を進んでいくと曲がりがきつくなってくる。
選手が感じ取る遠心力も初めは小さくて、滑らかに大きくなってくるわけです。
これが

高梨沙羅は「曲線での圧のかかり方が、とても緩やか」と話し、踏み切るタイミングが遅れないよう集中しなければならない難しさを口にした。

ということの物理的な意味なのです。

★プログラムを「Clothoid.txt」にまとめてあります。ご覧になりたい方はどうぞ。
下のリンクを左クリックすると、ダウンロードしなくても内容が読めます。
右クリックすると、メニューからダウンロードができます。
「Clothoid.txt」をダウンロード

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