孤独
日曜日の書評。
『ハンナ・アレント〈世界への愛〉 その思想と生涯』 中山元〈著〉
2013年12月15日05時00分
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アレントは言う。単独性は孤独、孤立、孤絶の三様を持つ。孤独とは孤立ではなく、自分自身とともにあるということ。思考のために孤独は必要だ。一方、孤立とは大衆の中にあって孤独の契機さえ奪われていること。さらに仕事をしているとき、人間は孤絶の状態にあり、自分自身と向かい合うことすらできない、と。透徹した孤独と、世界への愛。両者が引き合う場を開く、大著である。
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評・水無田気流(詩人・社会学者)
この「孤絶」というのが腑に落ちてはいませんが、「孤独」についてはすとんとナットク。
「孤独とは孤立ではなく、自分自身とともにあるということ。思考のために孤独は必要だ。」
今はこの「孤独」すら恐れているでしょ。いつも「つながって」いなければならないという強迫観念に駆り立てられていませんか。鬱陶しいですね、「絆」ってやつ。
私が孤独であること。あなたが孤独であること。
だからこそ、そこに関係性というものが生じうるのではないですか?
孤独を味わえない人は、結びつくこともできないのです。
いつからかな、子らが、集団で勉強する、ようになった。
私は、学ぶということは基本的に独りでやるものだと思っていましたから、だれかと一緒に勉強するなんて、想像すらできません。学ぶことは自己を変革していくこと。それは自分独りでやるものでしょ。
今もそう思っています。
★ジョルジュ・ムスタキという「歌い手」がおられました。今年亡くなったのですが。
ジョルジュ・ムスタキ(Georges Moustaki、1934年5月3日 - 2013年5月23日)
ずいぶん以前に来日した時に、昭和女子大学人見記念講堂で行ったコンサートのライブビデオを見て、心にしみましたっけね。
「私の孤独」MA SOLITUDE
という曲にはある意味で、打ちのめされましたね。
いいえ私は決して一人ではない
私の孤独と一緒だから
Non, je ne suis jamais seul
Avec ma solitude
「Avec ma solitude」
これ、効いたなぁ。
孤独とともにあれば寂しくなんかないんです。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-83b0.html#comment-84677923
2013年11月21日 (木)「犀の角のようにただ独り歩め」から
★最近は「つながっていなければならない」という強迫観念が横行しているようですね。
そういう話を聞くと、鬱陶しくってしかたない。
単独行は孤独ではないのです。
単独行は豊饒な営みなのです。犀の角のようにただ独り歩め。
ひとかどの人物とは、独り立つ者のことである:崩彦
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