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2013年12月10日 (火)

潮汐力(追記)

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-39d9.html
2013年12月 9日 (月)「アイソン彗星「崩壊」」
↑ここで、アイソン彗星の崩壊に潮汐力が働いたのではないか、という話をしました。
朝日、毎日、読売などの新聞のサイトで情報を集めていて、「潮汐力」という言葉がないなぁ、ということで書いたものでした。

★NHKのニュースサイトで「解説委員室」というところのアーカイブに
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/174442.html
くらし☆解説 「消えた?残った?アイソン彗星」 2013年12月03日 (火) 
という記事を見つけました。部分引用します。

・・・
岩渕Q2:どうして、こんなことが起きたんですか?
土屋:太陽に近づくにつれて急激に強くなる、「熱」や「潮汐力」によって、こわれてしまったのではないか、と見られます。
岩渕Q3:「ちょうせきりょく」ってなんですか?
土屋:海の潮の満ち引きが、お月様のせいだというのを聞いたことがありますよね?
それと同じ現象です。こちらで説明しますと、月にひっぱられて地球の海面が盛り上がるのが、潮の満ち干ですけれども、実は海面だけでなく、ほんのわずかですが、地球自体もこの力で楕円形にひずんでいるんです。
なぜそうなるかというと、月に近い部分は強い力で引っ張られますが、遠い部分は引っ張られる力が少し弱いですから、その差で引き延ばされるように形がひずんでしまうわけです。
そして、アイソン彗星の場合は、月よりはるかに大きくて強い力を持つ太陽のすぐそばに接近しました。最接近した時は太陽の表面からわずか120万km程だったんですが、これは太陽の直径より短い距離です。ですから、強い力で形が大きくひずんで、砕けてしまったのかもしれません。
岩渕Q4:もう一つ、熱も原因なんですね?
土屋:はい。実は、太陽の周りには、100万℃にも達する超高温のガスが吹き出しています。
その中を通り抜けようとしたアイソンは、どんどん蒸発していったと考えられます。
彗星は、水の氷と、一酸化炭素や二酸化炭素の氷、そして土砂の塵などが混ざって、凍り付いたものだと考えられています。温度が少し上がるだけでも、一酸化炭素や二酸化炭素の氷が溶け、ガスになって彗星内部から一気に吹き出してきますので、壊れやすくなってしまいます。
沢山のガスや塵が噴出すれば、長くて明るい尾を引く大彗星になりやすいわけですが、あまりにも一気に溶け過ぎて、形が崩れ、蒸発してしまったのではないか、とも考えられました。
 ・・・

まともに「潮汐力」を使って説明していました。いいですね。
できればこれを、チラッとでもニュースにもはさんでほしかったな、と思います。つくづく。

★そうか検索してなかったな、と遅ればせながら気づきまして。
グーグルで「アイソン彗星 潮汐力」とアンド検索をかけたら、いくつかヒットしました。
上に引いたNHKのサイトも一緒にヒットします。個人的なつぶやきはこの際ちょっと脇に置いて、2か所、ご紹介します↓

http://www.astroarts.co.jp/news/2013/11/29ison/
太陽最接近前後にはひじょうに強い熱や潮汐力を受けるため、彗星が溶けたり壊れたりしやすくなる。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%83%B3%E5%BD%97%E6%98%9F
2760度まで達するとされる高温による内部の蒸気圧、太陽の重力による潮汐力で核が崩壊、蒸発したと考えられている。

私の推測もまんざらではなかった、と内心ほっとしています。
科学って、原理をちゃんと論理的に展開すれば大間違いはしないものです。実に面白い。

★最後にもう一つ。
潮汐力の話をすると、よく「遠心力」が登場するのですね。
月は地球の周りをまわっているし。
遠心力で振り回されると外へも膨らむと解説すると、わかりやすくなった気がするし。

遠心力というのは、なじみがあるし、わかりやすくて便利な気がするのですが、使用する時は細心の注意を払うべき概念です。
座標系の問題をはらんでいて、大抵は混同していることが多いのです。
なじみのところでは「宇宙船内で無重力なのは、地球の重力と遠心力が釣り合うからだ」というのがありますね。
宇宙船内の座標系と、宇宙船を外から見る座標系をごちゃまぜにしていて、これは間違いです。
ほんとうに、宇宙船の乗組員に力が働いていないのだったら、真っ直ぐ行っちゃうでしょ!
地球の周りをまわっているということは、重力を受けているから真っ直ぐ行かずに回るんです。
困ったもんだ。

で、潮汐力でも遠心力を持ち出す必要は全くありません。
まっすぐ重力源に向かって落ちていく場合でも、潮汐力は働き、落ちていく物体は引き伸ばされるのです。
重力源の周りを公転していなければならないというようなことは全くないのです。

前回も引用したウィキペディアですが↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BD%AE%E6%B1%90%E5%8A%9B

潮汐力は物体に働く重力場が一定でなく、物体表面あるいは内部の場所ごとに異なっているために起こる。ある物体が別の物体から重力の作用を受ける時、その重力加速度は、重力源となる物体に近い側と遠い側とで大きく異なる。これによって、重力を受ける物体は体積を変えずに形を歪めようとする。球形の物体が潮汐力を受けると、重力源に近い側と遠い側の2ヶ所が膨らんだ楕円体に変形しようとする。
・・・
この時、物体は必ずしも公転していなくても潮汐力は発生する。例えば物体が重力場の中を一直線に自由落下するような場合でも潮汐力の作用を受ける。
・・・
潮汐力の効果は、中性子星やブラックホールといった、大きな質量を持った小さな物体の近くでは特に顕著になる。これらの天体に落ち込む物体は潮汐変形を受けて細長く引き伸ばされる(これをスパゲッティ化 (spaghettification) と呼ぶ場合もある)。

昔からSFなんかで使われるガジェットですね。
ブラックホールにおっこちる飛行士、というやつ。
真っ直ぐ落ちて行っても潮汐力で引き伸ばされてしまう、のです。
spaghettification という言葉は知りませんでしたが、そういう言葉が作られるくらいに、その方面ではよく知られた現象なのでした。

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