骨煎餅
★朝日新聞の読者投稿欄「声」で、70代の方がこんなことを書いておられました。
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昔は鮮魚が手に入らなかったので、祖母は塩イワシを買って料理していました。骨ごと砕いた団子汁など、無駄が出ないよう工夫をしていました。祖父も焼き魚を食べた後は骨や頭に熱湯をかけ、お吸い物として酒の肴にしていました。
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私は子どもの頃、冬場、焼き魚を食べると、残った骨を火鉢の火であぶってカリカリに焼き「骨煎餅」といって食べたものです。おいしかった。
最近、食品からのカルシウム不足に加えて、紫外線にあたることを極端に嫌いすぎて、ビタミンDが不足して、幼児の骨格異常が起こっているというようなことを聞きます。
魚食べましょうよ、小骨は食べてしまいましょ。シシャモやメザシもいい、骨ごとバリバリ。
煮干しをかじるのもうまい。畳イワシなんてのもおいしかったな。
紫外線は健康のために必要なんです。適度にお日様にあたりましょう。
極度に紫外線を怖がるのはやめません?
ガラス越しの日光は紫外線が吸収されて少ないんですから、電車の窓から入る日差しまで遮ろう、なんて、潔癖症という精神状態になってしまいますよ。
赤ちゃんの日光浴は必須。骨の丈夫な子に育てましょうよ。
煮魚を食べた後の骨や頭をご飯茶碗に入れて、お湯を注いで、よく掻きまわし、くずして、「スープ」と称して飲みました。ダシがでてこれがうまい。
今の私が魚の目玉を平気で食べられるのは、このころの習慣のせい。ほぐしているうちに目玉も出てきますが、面白いから口に入れて、白くなった表面を歯で削って食べていると、そのうち中のまだ白濁していない水晶体が出てきたりして面白かったのです。味なんてないんですが、なんとなく目玉を食べるのは「おいしい」ですよ。
母親としては、そうやってご飯茶碗を湯で濡らしてくれると、洗いやすかったのですね。
もっと以前の、お膳に一人前の食事をのせて供した時代、ご飯の椀で湯を飲むのは、供する側への思いやりでもあったのです。
井戸水使ったり、石鹸があるかないか、という時代のことですからね。
弁当を作ってもらったら、弁当箱でお茶を飲むのは当たり前、そうすると後で洗いやすいですからね。弁当を作ってくれた人への感謝の気持ちです。
そんなこと、今はみんな知らないかもしれませんね。
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