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2013年10月 7日 (月)

台風が温帯低気圧にかわる、って

台風20号、温帯低気圧に
2013年9月27日(金)11時52分配信 時事通信
 気象庁は27日、台風20号が午前9時に北海道から東へ離れた海上で温帯低気圧に変わったと発表した。中心気圧は980ヘクトパスカルで、時速65キロで北北東へ進んでいた。

この表現よく聞きますよね。台風って低気圧だよなぁ、それが「温帯」低気圧になるってどういうことだろう?って思いません?

気象庁のサイトから引用
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-1.html

台風とは
 熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びますが,このうち北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在し,なおかつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット,風力8)以上のものを「台風」と呼びます。
・・・
 台風は暖かい海面から供給された水蒸気が凝結して雲粒になるときに放出される熱をエネルギーとして発達します。しかし,移動する際に海面や地上との摩擦により絶えずエネルギーを失っており,仮にエネルギーの供給がなくなれば2~3日で消滅してしまいます。また,日本付近に接近すると上空に寒気が流れ込むようになり,次第に台風本来の性質を失って「温帯低気圧」に変わります。あるいは,熱エネルギーの供給が少なくなり衰えて「熱帯低気圧」に変わることもあります。・・・

 「熱帯の海上で発生する」のですから、熱帯低気圧は「全体が温かい空気の塊」です。水蒸気がエネルギーを供給します。
 それに対して、温帯低気圧は、冷たい空気と温かい空気が「押し合って」いるその「境目が波打つ」ところに存在します。2種の空気の温度差がエネルギー源です。
 単純に、周囲との気圧の差で、相対的に低い場所を低気圧、相対的に高い場所を高気圧、と呼ぶこともあるわけですけれど、2種の空気が押し合う場合は、その境目が前線として現れることも多いわけですね。
 ですから、中心から寒冷前線・温暖前線を伴っている低気圧はこれは必ず温帯低気圧です。{温帯低気圧だから前線を伴う、とは必ずしも言えないことには注意が必要です}

★さて、台風20号の場合を見てみましょう。
13092706
午前6時の天気図です。この時、台風20号を見ますと、右斜め上に温暖前線、左斜め下に寒冷前線がありますが、その前線は中心部まで入り込んでいません。台風の中心部には暖気の核があって、熱帯低気圧の性格を保持しています。
13092709
それが午前9時になると。
前線が中心部まで入り込んでつながりましたね。
ここで、台風が温帯低気圧になった、といえるわけです。
2種の空気の境目の渦、に変わったわけです。

今回は非常に典型的な例でしたので、ちょっと書いてみようかな、と思いました。
台風に関する話は、災害関連もありますので、素人が安易に書くわけにはいかない側面があります。
そのため、事後の、典型例しか扱えません。
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★いろいろ調べてみました。一部をご紹介します。
それぞれをご自分で読んでいただくのが一番です。
私の話は「入り口」ですので。
http://tenki.jp/knowledge/detail?id=432
 熱帯低気圧は、海面からエネルギーをもらって発生、発達します。ですから発生する場所はある程度水温の高い海洋上です。決して陸上では発生しません。熱帯低気圧には基本的には前線はありませんが、熱帯低気圧の進行全面に前線が形成されることがありますので、この前線は温帯低気圧のものとは異なり、少し難しいかもしれません。
 熱帯低気圧は、最大風速が一定以上になると、台風と名前を変えるのも特有な性質です。
 温帯低気圧は、暖かい空気と冷たい空気が交じり合って発生し、温度差によって発達します。発生場所は海上、陸地を問いません。また、どんなに発達しても台風になることはありません。さらに、温帯低気圧は前線を伴うことがあります。

http://www.jma-net.go.jp/akita/Q&A/qandanew_taihuu.htm
台風と熱帯低気圧と温帯低気圧は何が違うのですか?
A.台風と熱帯低気圧は同じ仲間で規模が違うだけですが、温帯低気圧はこれらとは構造が違います。 熱帯低気圧とは、亜熱帯や熱帯で海から大量の水蒸気が上昇することにより空気が渦を巻いて出来る低気圧のことです。 この熱帯低気圧が発達して風速が 17.2m/s を超えると台風と呼び名が変わります。 また、冷たい空気と暖かい空気がぶつかる場所を前線といいますが、熱帯低気圧や台風は暖かい空気だけで出来ているので前線が出来ません。

一方、温帯低気圧は、北側の冷たい空気と南側の暖かい空気が混ざりあおうとして空気が渦を巻くことにより出来ます。 冷たい空気と暖かい空気がぶつかりあいますので、温帯低気圧には寒冷前線(冷たい空気が暖かい空気に追いついている場所)と温暖前線(暖かい空気が冷たい空気に追いついている場所)が出来ます。 また、温帯低気圧が発達して風速が 17.2m/s を超えても台風とは呼びません。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E5%B8%AF%E4%BD%8E%E6%B0%97%E5%9C%A7
熱帯低気圧には4つの大きな特徴があり、これにより低気圧の一種としての「熱帯低気圧」が定義される。
1:暖気(暖気核)のみで構成される。このため、前線を伴わない。
2:潜熱をエネルギー源として発達する。このため、水温が高い熱帯の海洋上で発生し、水温が低い海域や蒸発の乏しい陸上に移動すると勢力が衰える。
3:天気図上では等圧線がきれいな同心円状に分布する。このため、同心円で無い他の低気圧に比べて最大風速が増しやすい。また、風速分布も同心円に近く、目のすぐ外側で最大となる。
4:対流圏下層から上層まで広い層で低圧部となる。

http://rika.shinshu-u.ac.jp/ischool/tenki99/zensen/kiatu03.htm
低気圧
熱帯低気圧と台風の発生
 低気圧には、「熱帯低気圧」と「温帯低気圧」の2種類があります。熱帯低気圧は、文字通り熱帯地方でできる低気圧です。熱帯地方で、地上付近で暖められた空気は、周囲より軽くなり上昇していきます。そうすると、地上付近は気圧が低くなり低気圧となります。低気圧になると、周囲から空気が吹き込むようになるのです。
 中心の上昇した空気は上空にあがって膨張すると、気温が下がって水蒸気が水滴に変わって雲を作ります。水滴ができるようになると、そのときのエネルギーで上昇気流はますます強くなっていき、地上付近は低気圧が強められていくのです。このようにして、熱帯低気圧がどんどん強くなって中心付近の最大風速が約17m/sを越えると、台風と呼ばれます。

温帯低気圧と台風の発生
 ふだん天気予報で言われる低気圧は、ここで述べる「温帯低気圧」のことです。温帯低気圧は、温帯地方でできる低気圧ですが、これは、暖かい空気と冷たい空気が接して渦巻きができます。その渦巻きの中心部分では、上昇気流ができて低気圧になるのです。だから、温帯低気圧は、必ず温暖前線と寒冷前線をともないます。ここが、熱帯低気圧との大きな違いです。温暖前線と寒冷前線をともないますので、温帯低気圧が来ると、雲が多くなり天気が悪くなります。
 日本にやってくる低気圧は、ほとんどがこの温帯低気圧で、台湾の北東海上や朝鮮半島沖からやってきます。

http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/help/life.html.ja
2. 台風は温帯低気圧に変わりました
 よく天気予報で「台風は温帯低気圧に変わりました」との解説を耳にします。これはどういう意味なのでしょうか?

 「台風は温帯低気圧に変わりました」という表現は、実は台風の強弱の変化を指す場合ではなく、台風の構造の変化を指す場合に使う表現です。具体的には台風の構造が、熱帯低気圧(tropical cyclone)の構造から温帯低気圧(extratropical cyclone)の構造へと変化した場合に使います。ほとんどの場合、この変化は後戻りしません。

 一方、これと似た表現である「台風は熱帯低気圧に変わりました」は、台風の構造の変化ではなく、台風の強弱の変化を指す表現です。具体的には、中心付近の最大風速が台風の最低基準を下回った場合に使います。最大風速がたまたま基準を下回っただけですから、熱帯低気圧から台風に復活することもあります。

 このように、台風から温帯低気圧への変化は構造の変化を意味し、台風から熱帯低気圧への変化は強弱の変化を意味します。この違いを理解すれば、「台風は熱帯低気圧に弱まった」という表現はおおむね正しい(注2.1)けれども、「台風は温帯低気圧に弱まった」という表現は正しくないことがわかります。「台風は温帯低気圧に強まった」という場合も少なくないのです(例えば台風200418号)。

 もちろんその変化は連続的なので、いつの時点で変化したのかは正確に決められませんが、種々の気象観測データに基づき温帯低気圧の性質が支配的になったと判断できれば、その時点で温帯低気圧への変化を宣言することになります。具体的には前線が台風の中心にまで延びてくるなどして台風の中心付近にまで冷たい空気が入り込み、熱帯低気圧の特徴である暖かい空気の塊(暖気核)が不明瞭になるかどうかを見ることになります。
(注2.1)これも正確には風が弱まったことしか意味していないので、雨が弱まったかどうかは関係ないことに注意しておく必要があります。

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