二百十日
★今年(2013)の二百十日は9月1日でした。
立春の日を「1」と数えて「210」日です。
今回の竜巻災害は、台風による直接的な災害ではありませんが、停滞している「寒気と暖気の境目」としての前線に台風が暖かく湿った空気を送りこんできた、という意味では、遠因でしょうけれど「台風の影響がなかった」とは言い切れません。
★太陰暦は月の暦。
地球の季節・天候・気象現象を生み出すのは月ではなく太陽です。
太陰暦に欠損している「季節感」を補うためには、太陽が今どこにいるかを知る必要があります。
それが、二十四節気や雑節というものですね。
立春の時から、太陽が約210度進んだ位置にある。というのが二百十日の意味。
太陰暦に書き込まれた太陽暦なんですね。
夏台風は太平洋高気圧が強くて日本列島に近づきにくい。
太陽暦での9月ころになると、太平洋高気圧が少し後退し始めてその縁にそって偏西風に押されながら進むと台風が日本列島に近づくようになるわけです。
秋雨前線も下がり始め、冷・暖の空気の境目が日本列島上空にある時に、台風が湿った風を強く送り込むと、冷・暖の空気の境目が掻きまわされて、激しい雨が降る。
そういう台風がらみの気象現象が増えてくるのが二百十日の頃から。
ちょっと、当たりすぎて、ショックを受けました。
二百十日は防災知識として現代にも生きているというべきですね。
★NHKの今朝のニュースで
竜巻に注意 9~10月は多発傾向(NHK 9月3日 6時55分)
竜巻などの突風は1年の中でも9月や10月に多発する傾向があり、専門家は、これからの季節は特に注意が必要だと指摘しています。気象庁のまとめによりますと、去年までの20年余りの間に国内の陸上で確認された竜巻の発生件数は1月から8月までは多い月で30件程度ですが▽9月は70件で最も多く▽10月も62件と秋に多発する傾向があります。
秋は日本付近で▽暖かい空気と上空の寒気がぶつかり合ったり▽台風が接近したりして落雷や竜巻などの突風の要因となる積乱雲が発達しやすくなります。
・・・
自分の住んでいるところは大丈夫だろう、とは考えずに、身の回りを点検し、日常生活の注意レベルを高めに保持しましょう。
くれぐれも正常性バイアスの罠にはまらないように。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9
正常性バイアス(Normalcy bias)
自然災害や火事(山火事、放火など)、事故・事件(テロリズム等の犯罪、ほか)などといった何らかの被害が予想される状況下にあっても、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」などと過小評価したりしてしまう人の心の特性。「正常化の偏見」、「恒常性バイアス」とも言う。
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