サルスベリで思い出したこと
★昔、私共が独立した頃、両親が小さな家を建てたのですが、その家の大黒柱がサルスベリの材木でした。
母は、大工さんから、余った材をもらい受けて、私にそのサルスベリの材を板に切ってくれ、と言いました。
裁縫をする人でしたから、何か印をつけるときの「台」にするのに手頃だと思ったようです。
いいよ、っと引き受けて、のこぎりで引いたのですけれど・・・。
サルスベリがあれほど堅い木だということを知りませんでした。
腕力のある私ですから、板をのこぎりで引くのはそう下手じゃないのですけれど。
いくらやっても、切り進めない。
まいったなぁ、頑張って、やっと、2枚の板を切りだしたのですが、のこぎりが一丁ダメになったのでした。
いや、サルスベリというものが、あれほど堅いものだとは知りませんでした。
ちとやそっとじゃ切れませんから、ご注意を。
★当時、私は喫煙者でした。
で、残ったサルスベリのブロックを、何にしようと考えて、灰皿作ろう、と思ったんですね。
のこぎりで切るのはもうやめにして。
鑿と金づちで、コンコン掘ること半日。やっと深さ2cmくらいのくぼみを掘りまして、世界に一つの自分専用灰皿にしたのです。
煙草の火を押し付けたりすれば焦げるだろう、焦げたらまた削り落して穴を深くしよう、と考えていたのですが、甘かった。
全く穴は深くならなかったのです。2,3本の吸い殻で満杯になる、小さな小さな灰皿でした。
そのうち、禁煙しちゃったので、用済みになったまま、どこかにあるはずですが・・・。
昔話でした。
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