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2013年9月 3日 (火)

大気の状態が不安定(続き)

★読売新聞で熊谷の暑さについて、気象情報官の方へのインタビュー記事がありました。8月18日付です。

 ――局地的な豪雨も多いですが、「大気が不安定」というのはどういう状況なのですか。
 「暖かい空気が冷たい空気の下にある状態です。暖かい空気が上昇して上空の冷たい空気とぶつかると、活発な積乱雲が発生し、豪雨をもたらしやすくなります。安定した状態というのは、暖かい空気が上に、冷たい空気が下にある状態ですね」

「わかりやすいように」ということでしょうが、気象情報官の方の解説としては、はっきり言って不適切ですね。
「暖かい空気が上に、冷たい空気が下にある」って、夏の避暑地は低地がよいのかな?
軽井沢へ行くと熱い空気、下町では冷たい空気、があるのかな?
違うでしょ。ごく通常の状態で、上空の方が温度は低いんです。
その温度の下がり方が変化して、上昇気流が止まれなくなってしまうのが不安定、ということなのです。
ポイントを外しては解説になりません。

★理科おじさんの部屋:第37回↓
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/37th/sci_37.htm
ここの後半で「安定・準安定・不安定」の解説をして、ヤジロベエを作ったりしています。
ご覧ください。

★理科おじさんの部屋:第62回↓
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/62th/sci_62.htm
この回の下の方で、

 さしあたって、この空気は雲を作らないまま上昇したとすると、100mについて1℃温度が下がります。すると、周囲の空気より温度が低くなってしまい、それ以上自力で上昇していく能力は生じません。
 →このような状態を「安定な大気」といいます。
●ところが、上空に寒気が入ってきているとかして、上昇させられた空気の塊の冷え方より周囲の空気の温度の下がり方の方が大きい、という状況が生まれることがあります。すると、空気の塊は周囲より暖かいので自力で上昇を続けることになります。
 →このような状態を「不安定な大気」といいます。気象情報で「上空に寒気が入って、大気が不安定になっています」というようなことをよく聞くと思いますが、その意味はこういうことなのです。
●さて、自力で上昇するうちに水蒸気を維持できなくなって雲ができ始めると、水の状態が変わることで放熱が始まりますから、なおさら空気の塊の温度は下がりにくくなり、周囲との温度差が大きくなり、空気の塊は止まることなく上昇を続けることになります。そして、ついに対流圏と成層圏の境まで上っていって、それ以上は上れませんから雲のてっぺんが「かなとこ」のように平らになった「積乱雲」ができるのです。
●何かの拍子で上昇を始めた空気のかたまりですが、やがて、水蒸気から水滴への変化による放熱を「エンジン」として自力でグングン上昇していくわけです。この熱は、上昇のエンジンであると同時に、雲の内部での激しい気流の原動力でもあって、そのために雲の中で水滴や氷塊の衝突・分解などが繰り返され、それによって「発電」がおこって、雷が発生するのです。ですから、雷の電気エネルギーのもとも、水蒸気が水になるときに放出する熱だということになります。

こんな話をしました。参考にして下さい。

話は飛んで
★人間は二足歩行をする動物です。
二足歩行は「不安定」です
赤ちゃんが寝返りうって、ハイハイして、つかまり立ちして、そうして「あんよ」。
二足歩行の初めは、すぐ尻餅ついたり、前にのめって手をついたり、一挙手一投足に親はもう、大騒ぎですよね。
一度、二足歩行を覚えるとぐんぐん上達して、走ったりもします。
もう二足歩行が大変だ、不安定だなんて考えることはないでしょう。

立った状態=平衡状態にいて、ちょっとなんかの拍子にぐらつくと(擾乱)、そのぐらつきを小さくして立ち続けることができなくて、転んでしまう。(擾乱の拡大)。
これは「不安定」。
大人になると、脚や体の筋肉を使って、重心の位置の揺らぎを抑え込んだり吸収したりして、平衡状態の近くで擾乱に耐えます。やっとなんとか「安定」。
でも、片足立ちで目をつむったりすると、立っていられなくなったりしますね。擾乱が拡大して、立っていられなくなる→不安定。

二足歩行動物である人間は、この不安定さを逆に利用して滑らかに歩き、走ります。
昔、筑波の科学万博の時、二本足だけのロボットが、二足歩行して見せて、すごかったのですが、必ず重心を片方の足の上に移動させて、残りの足を前へ運び、その足に重心を移動させて次の足を運ぶ、という、とんでもなくぎごちない二足歩行でした。
その後、アシモなどが出てきましたが、最初の頃のアシモはぎごちなかったですね。
だんだん滑らかになりましたが、やはり少し腰を落としたような歩き方をしていますね。
それだけ、二足歩行というものが不安定で、難しいものだということなのです。

二足歩行は「不安定」を利用した歩行なのです。

ロボットではやはり二足歩行は無理ですので、火星探査機が積んでいった探査ロボットはキャタピラで走りますね。昆虫のような6本足ロボットなども研究されています。
二足歩行って「難しい」のです。たまには意識してみてください。

★そして、高齢者。
赤ちゃんはしなやかで、二足歩行を獲得し始めで、不安定さが残っていて、尻餅ついても手をついても、そう怪我はしませんが。
高齢者はそうはいかない。たった1cmの段差にでもつまずいて「不安定」さが拡大して、転んでしまう。
高齢者の歩行は「不安定」なのです。ちょっとした擾乱を抑えられずに拡大させてしまって、転倒します。年齢を重ねたら自分の歩行が不安定になっていることを自覚しなくちゃいけませんね。
私は電車で「お年寄り」や「体の不自由な方」の優先席も利用しています。
なんてったて私は「体の不自由なお年寄り」だもんな。
できれば段差はない方がいい、できれば歩行面は水平な方がいいのですけどねぇ。

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