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2013年7月17日 (水)

チョウの産卵

★前の記事で、クスノキの新芽に産卵されたアオスジアゲハの卵を載せました。
その関連で、思い出したこと、不思議なこと、をお話しします。

★チョウの幼虫は、自分の種に特有の食草しか食べません。
万一、本来の食草ではない所に産みつけられて、孵化しても、幼虫は「噛みつく」という行動を起こすことができません。本来の食草の成分による刺激があると、口を開いて噛みつくのです。
では、メスチョウはどうやって、植物が本来の食草であることを知るのでしょう?
前脚にある「味覚器」で調べるのです。前脚で葉を叩き(ドラミングといいます)、微小な傷をつけて、そこから出てくる物質を「味って」食草であることを確認します。
クスノキかどうかは、複眼による視覚も使っているでしょう。で接近してドラミングして確認する。

http://www.brh.co.jp/seimeishi/journal/032/ss_4.html

雌チョウはどうやって幼虫の食草を「見分ける」のだろう。飛びながら植物を探す時は,視覚と嗅覚に頼るだろうが,産卵前には,前脚で葉の表面をたたくドラミング行動をする(1937 年に発見)。これがチョウの「味見」だ。前肢の先端(節(ふせつ))に感覚毛が生えており,毛の内部にある5 個の細胞は,長く伸びて脳に繋がる典型的な感覚神経細胞だ(そのうち4 個が味を感じる。
(後略)

http://www.brh.co.jp/seimeishi/journal/069/research_1.html

↑詳しくは、この辺りの文献をお読みください。

★次いで、産卵行動ですが。
http://www.nitto.co.jp/about/ad/science/science_27/

第三の眼
 チョウには第三の眼がある。それもお尻の先に。しかし、眼と言っても物を見る機能はない。光を感知するための、いわばセンサーだ。偶然からチョウの尾端光受容器を発見した蟻川氏が最初に思ったのは「なぜよりによってお尻なのか」。電子顕微鏡で観察すると、チョウのオスでは交尾器に、メスでは産卵管に、ミミズなどに見られる原始的な光受容細胞が確認された。そして、この尾端光受容器を塗りつぶしてみると、オスは交尾が、メスでは産卵ができなくなった。つまり、オスはメスと正しく接合したことを、光の遮断を感知することで確認し、メスは通常お腹の中にある産卵管が体外に出て、卵を産みつける葉に産卵管の先端がきちんと接していることを、光を感知することで確認していたのだ。メスの産卵管には触覚を持つ毛が生えていて、それを使って葉と産卵管の接触を確認していることが、すでにわかっている。チョウのメスは、触覚と光感覚という二つの感覚から得た情報を統合して初めて、産卵を開始していることになる。

産卵管がちゃんと葉に接触していることを「光」で検知して、産卵するのです。
すごいですねぇ。

★ここまでの話は、私にとっては既知のことだったのですが、今回私の中に湧いてきた「不思議」というのは以下のようなものです。

なんで、「古くてかたい葉じゃない」「これは新芽だ」「とびっきりの新芽だ」ということがわかるんだろう?

前の記事の写真をご覧ください。小さな新芽が卵を包み込むようです。
この小さな新芽に「ドラミング」したのか?
肉眼でチョウの行動を見ている(私の不十分な)観察では、さっと飛来して、さっと産卵して、飛び去るんですよね。
産卵行動をとっている時間はすごく短い。
その間に、この小さな葉を前脚で叩き、(おそらくその時点では、腹端部は新芽から遠い)、確認できたら姿勢を変えて腹端部をこの小さな新芽の中にさしいれて、光で確認しながら産卵したのか。
そうなのか、ほんとにそうなのか。
という点なんですね。
アゲハもアオスジアゲハも、ちゃんと新芽を探して産卵していきます。

これは古い葉じゃない、新芽だ、という確認はどのようにして行っているのでしょうか。

やはりドラミングの時に、古いかどうか味で分かっていて、ドラミングした部分に近い場所に産卵しているとしか考えられませんね。あの小さな新芽でも?

なんだか、不思議で仕方ありません。

★検索していたら、面白いサイトを二つ見つけました。
①小学校の先生のサイトです。
http://blog.goo.ne.jp/573298/e/1ac8bc790eb848843326ee5308c93762
「チョウは桜に止まるのか?」

菜の葉にとまれ 
菜の葉にあいたら 桜にとまれ   
桜の花の 花から花へ
とまれよ 遊べ 遊べよとまれ

菜の葉にとまったということは、モンシロチョウとかスジグロシロチョウとかでしょう。
それが桜の花にとまるだろうか、という授業なんですね。
吸蜜することはあるかもしれませんが、どうかなぁ、というのは私も昔から思っていたことです。ちゃんと授業にしていらっしゃる。面白いですよ。

②「面白いサイト」です。なんたって「案山子庵雑記」の「理科おじさんの部屋」ですからね。
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/102nd/sci_102.htm
このページの下の方にあります。本の引用です。

●光は、交尾にどのように使われているのだろうか。オスの尾端光受容器は、交尾するとメスによって覆われて暗くなるところにある。・・・。つまり、交尾中に尾端光受容器の反応が消えることは、交尾器がきちんと結合した、ということを意味しているのだと考えることができる。
●一方の産卵行動は、実験室に置いた小さなカゴの中で観察した。・・・。卵を産むとき、メスはレモンの葉に止まり、前脚で葉をたたいてその味を確かめる。葉が幼虫の食草として適当であることがわかると、腹を曲げ、産卵管を突き出す。産卵管には、機械的な刺激に反応する感覚毛が、たくさん生えている。機械毛が葉に触れるか触れないかというところで、おそらく触覚で葉の位置を確認し、メスは卵を1つ産む。正常なメスは、一度葉に産卵管を突き立てると、約80%の確率で卵を産む。ところが、尾端光受容器の機能を壊すと、産卵の成功率は数%まで低下する。
●正常なメスは、たぶん光受容器を使って、産卵管が十分に突き出されていることを確認し、そのうえで産卵管が何かに触れると卵を産むのだろう。尾端光受容器が壊されてしまうと、産卵管が出たかどうかわからなくなってしまうようだ。

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