キッチン戦隊クックルン と 自然数
★NHKのEテレですか、で、私が見るのは夕方5:40からなのですが(朝もやってるはずです)
「すすめ! キッチン戦隊クックルン」という番組があります。子どもの料理番組です。
前年度までは「キッチンアイドル」という、同じようなコンセプトの料理番組がありました。
小学生の女の子が主人公で、幼稚園くらいの子も登場するのですが、なにせ、実写番組ですから、出演者が成長してしまうんですね。サザエさんの子どもたちのように、不老なのもどうかなぁ、とも思いますが。出演者がどんどん成長してしまう。
で、今年度はキッチン戦隊に切り替わったのでしょうけれど。
ヤッターマンのドロンジョみたいなキャラクターも出てきたり、「おしおき」なんてやってるし、とうとうNHKもヤッターマンを始めたか、という気もしないではない。
そういう話は、まぁ、どうでもいいのでして。
この番組のエンディングテーマの歌詞の一部が面白い。
あした負けたらあさって勝つぞ
あさって負けたらその次勝つぞ
こういうフレーズがあるのです。
これが好きなんだなぁ。
★突如、数学!
「あした・あさって」という「始め」が存在して、「その次」が定義されますと。
これって、自然数を生み出す「ペアノの公理」の、核心部分じゃないですか。
「その次」というものは恐ろしい。
止めようがない。
「無限」に行ってしまう。
さようならぁ。
自然数というのを、「物の数」ととらえると、どうしても「限り」がでます。
「宇宙にありとあらゆる原子の数」といったって、限りがありそうでしょ。
ところが、ごく簡単に。手を開いて、親指曲げて(これが始まり)、人さし指曲げて・・・
隣が真っ直ぐならその指を曲げ、隣が曲がっていたら伸ばす、というのが「その次」ですね。
このようにして、「指折り数える」という操作・行為で考えると、無限の自然数が生成してしまうんですね。
「始め と その次」というものの「おそろしさ」です。
もちろん数学的に厳密には、ひとつながりに伸びていく、枝分かれしない、合流しない、ループにならない、などの条件を付けて厳密化しなければなりませんけれど、差し当たってほっときましょ。
自然数の生成原理は、指折り数える、という操作にあるんですね。
で、キッチン戦隊の歌は、自然数生成の歌に聞こえてしまうのが楽しいなぁ。
おそらく、あの歌聞いてこんなことを考えている人なんて、私一人何だろうなぁ、と思いつつ、キッチン戦隊クックルンを楽しむ、元理科教師の爺さんなのでした。
●余談:ドロンジョ風のリーダー率いる「悪役」は「ダーク・イーターズ」というのですが、これ、強引に日本語にしたら「悪食(アクジキ)」とか「いかものぐい」ということになるのかなぁ、などとくだらないことを考える爺さんです。
★昔、Pascalというコンピューター言語がありました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/Pascal
Pascal は、1970年にスイスのチューリッヒ工科大学のニクラウス・ヴィルト (Niklaus Wirth) が教育用プログラミング言語として開発し、ALGOL の影響を受けた簡素で厳密な構造化言語仕様を持つ。
教育用とはいいながら、あいまいさの入りこみにくい厳しい言語でしたね。
パスカルでアルゴリズムを記述してあると、他の言語への移植が非常にやりやすい。
Cで書かれたアルゴリズムは、知らない人には全く歯が立たなかったのとは対照的でした。
で、数学的な厳密さも備えた言語でしたから、面白い関数があったのです。
succ(t) という関数。 succ は successor の省略。
「続くもの」という意味ですね。
ですから、この関数に、整数「t」を与えると、「t+1」が返ってくるのです。
この関数に「実数型」の数を与えてはいけません。
整数には「続くもの」という概念がありますが、実数には「続くもの」という概念が存在しえないからです。
pred(t)(predecessor) 先に立つもの、でしょうか。こんな関数もあった。
おっそろしい言語だなぁ、と思いながら、一所懸命勉強しましたっけね。
私のプログラミング言語知識はすべて「自学自習」によるものです。(大学でFORTRANのゼミをとりましたが、パソコンなどない時代ですから、失敗しながら楽しむという状況ではなかったので、深入りしませんでした。)
SHARP X1という初期のパソコンで、カセットテープでPASCALやLOGOを買ってきて、遊びましたっけねぇ。
あれはおもしろかったなぁ。
フロッピーディスク版の言語シリーズも後に出て、かなり買いこんで遊んだものです。
古い話じゃ。
« ギンナン発芽 | トップページ | お暑うございます »
「理科おじさん」カテゴリの記事
- 化学の日(2022.10.26)
- 秒速→時速(2022.09.01)
- 風速75メートル(2022.08.31)
- 「ウクライナで生まれた科学者たち」(2022.05.31)
- 反射光(2022.05.09)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント