ブドウスカシクロバ
2013.5.13
ベニカナメモチの花を眺めていましたら、黒っぽく青く輝くような翅の昆虫がいました。
私の知識の範囲でこれに似たものというと、タケノホソクロバですが、タケノホソクロバは翅は透けてません。この写真の昆虫は翅が透けてるんです。
でもまぁ、予想はほぼ当たっていました。ブドウスカシクロバでした。
幼虫がブドウの仲間の葉を食い、翅が透けている、黒っぽい蛾ということでブドウスカシクロバです。
上の写真、口の辺りも注目して下さい。黄色い丸いものがありますが、これ、巻いた口吻です。黄色なので目立ちます。最初はないかと思いました。口に黄色いものをくわえているのかなぁ、だとすると、蛾というのは妙だよなぁ、などとも思いましたが、口吻だということにしばらくして気づきました。
ほら、きれいでしょ。翅は透けていて、黒い縁取りがあるのが肉眼ですぐ分かります。
腹部が青く輝くのがとってもきれい。
ずっと追って見てましたら、妙なことが起こりました。
口のところを見て下さい。
肉食昆虫ではないのに、何か口にくわえたように見えます。
これは蛾の方がやっていることではなくって、口のところに「大胆にも」他の昆虫がくっついたのです。
それはヒメマルカツオブシムシなのでした。
どういうわけでこんな風にくっついちゃったのか、よく分からないのですが、蛾のほうとしてはおそらく迷惑なことでしょう。
クロバには手(前脚)で掻き落とす、という技はないようで、口吻を伸ばしにかかりました。
カツオブシムシは揺さぶられてぼやけて写りました。
振り落とされたカツオブシムシがクロバのすぐ下にいます。
クロバの方は、伸ばした口吻でベニカナメモチの花のメシベの付け根あたりを探って蜜を飲んでいるのでしょう。
この頃になって気づいたのですが、ヒメマルカツオブシムシがいっぱいいるんですね。
キク科の花でよく見ますが、別に他の花でもいいようです。
たかっています。
ブドウスカシクロバは邪魔者が落ちたのでゆっくりと蜜を探っているようですね。
触角に特徴があります。
見て下さい。ぱっとみて5匹くらいヒメマルカツオブシムシがいます。
こういう状態で、なんかの拍子に「接近遭遇」をして、カツオブシムシがクロバの口に乗ってしまったんでしょうね。
なんだか可笑しい。
向こう側に私の左手がぼやけて写っています。
そろそろおしまいにしようかな、最後にもう一回記念写真を撮りたいな、と手を添えてアングルを調整しているところです。
このくらいお目にかければ、間違いようもない。
参考にして頂いていいと思います。
ずいぶん長時間付き合ってくれました、ありがとう。
★参考
蛾ならここ、というサイトです。↓
http://www.jpmoth.org/Zygaenidae/Procridinae/Illiberis_tenuis.html
【幼虫食餌植物】 ブドウ科:ブドウ(※KD)、ヤマブドウ(※SG),エビヅル、ノブドウ
翅の外縁が黒っぽくなる。お腹は瑠璃色に光る。青紫の光沢がかなり強いのと、縁に沿って黒みが強い。
幼虫図鑑↓
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/youtyuu/HTMLs/budousukasikuroba.html
毛は毒針だそうです。
タケノホソクロバという蛾の幼虫は笹の葉をスパッと切ったような食べ方をします。
で、成虫は無毒ですが、幼虫の毛は有毒です。
ブドウスカシクロバの幼虫の毒性についてあまり記述がないのですが、一応、やはり警戒した方がいいのでしょう。
タケノホソクロバについては、下に引用する私のブログを参照してください。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-c183-1.html
2011年6月15日 (水)「タケノホソクロバ」
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-c183.html
2011年7月28日 (木)「タケノホソクロバ」
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-b7e8.html
2010年10月28日 (木)「タケノホソクロバ幼虫」
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