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2013年6月17日 (月)

アオイガイ

★6月11日の夕刊を見ていましたら、タイヤの広告が載っていました、一面広告です。
で、オウムガイの写真が大きく載っている。
ん?どういう関係だ?

水の中を優雅に泳ぐオウムガイは、イカやタコの仲間として知られている。
生きた化石と呼ばれる彼らは、大きな殻に守られ数億年もの間、種を存続させてきた。
その殻は、さながら命を守る鎧のようなものだ。強度を増すことで万が一の場合の安全を確保する。
それは、ランフラットタイヤにも共通する考え方だ。空気圧に頼らない強固な構造を実現したこのタイヤは完全なパンク状態になっても、所定の速度で一定の距離(※)を走ることができる。(後略)
※空気圧ゼロの状態で、時速80kmで80km走行できることがランフラットタイヤとしての要件。

あんまりピンときませんけどね。
「強度を増す」ことが第一に重要であるなら、ゴムタイヤをやめて鉄の車輪でも履いたら?
引き合いにオウムガイを出すのはまるっきりそぐいませんね。
やわらかな体のイカやタコだって、「数億年もの間、種を存続させてきた」じゃないですか。

頭足類というのは、軟体動物門の頭足綱に属する動物の総称です。
イカ、タコ、オウムガイ、コウモリダコや絶滅したアンモナイトなどを含むのですが、繁栄しているのは軟らかい方のイカやタコ。広告が主張する「硬派」路線をとったアンモナイトは絶滅、オウムガイも細々と命脈をつないでいるのが現状。

硬い殻が有利ならみんなそうなるかというとそうじゃない所が生物システムの柔軟性。
生存戦略として、硬い殻、重い殻は必ずしも有利というわけではなかったのですね。

というわけで、全然、まるっきり、説得力のない広告でした。広告費かけたのに残念ですね。

★ま、それはそれとして。これを見て思い出したのが「アオイガイ」。
4月にNHKで見て、お、面白い、ブログに書けそうだな、と思いつつ、放置していました。

   唐津沖 貝殻まとった珍しいタコ(NHK 2013年4月12日 5時7分)

佐賀県の唐津市沖で、生きた状態で見つかることが珍しい、貝殻をまとった小さなタコが見つかりました。
このタコは、11日の朝、唐津市呼子町の沖合で定置網にかかった状態で見つかり、佐賀県武雄市の県立宇宙科学館に移され、展示されています。
「アオイガイ」という名前の体長13センチのタコで、みずから分泌した物質によって作られた貝殻をまとっています。
アオイガイは温帯や亜熱帯の海に生息し、貝殻の形が植物のアオイに似ていることから、この名前がつけられているということです。
県立宇宙科学館によりますと、アオイガイは死んだ後の貝殻が見つかることはよくありますが、詳しい生態は分かっておらず、今回のように生きた状態で見つかるのは大変珍しいということです。
県立宇宙科学館の田鎖和哉統括マネージャーは、「私も本物を見たのは初めてで、これがタコの仲間だというので、本当にびっくりしました。少しでも長生きをさせて、たくさんの方に見ていただきたいです」と話していました。

具体的にどんなものかと言いますと、下のサイトの写真がいいですね。ぜひご覧ください。
http://www.zukan-bouz.com/nanntai/tako/aoigai.html
軟体動物門頭足綱八腕目カイダコ科「アオイガイ」

たしかにこれはタコには見えないですね。

このサイトの「他のタコの仲間にはここから!」というリンクをクリックすると、いろいろな種類のイカやタコが見られます。どうぞ。

★私の個人的データベースを検索したら、2件ヒットしました

殻があっても「アオイガイ」でも、タコ 静岡で展示(朝日新聞 2008年05月01日)
 タコの仲間なのに透き通った薄い殻を持つ「アオイガイ」のメスの展示が、静岡市清水区三保の東海大学海洋科学博物館で始まった。「生きた状態で展示されるのは大変珍しい」(柴田勝重学芸員)という。
生きたままの展示は珍しいというアオイガイ=静岡市清水区の東海大学海洋科学博物館
 三保海岸の浅瀬で捕獲され、殻の大きさは9センチほど。吸盤で水槽のガラスに吸いついていることが多いが、時々泳ぐという。
 暖かい海に生息し、殻を持つのはメスだけ。ヤドカリとは異なって殻は自前で、大きな物では25センチほどになる。個体を二つ合わせると植物のアオイの葉に似ていることが、名前の由来という。

精子運ぶ腕 撮影に成功:アオイガイ(朝日新聞 2006/4/14)
 タコの仲間であるアオイガイは、メスが貝のような殻をつくるカイダコ類の一種だ。オスが精子の詰まった腕(交接腕)を切り離してメスに預ける珍しい習性をもつ。静岡県在住の水中写真家、阿部さんは、交接腕が、切り離された後も長時間「生き続ける」様子の撮影に成功した。
 阿部さんは1月、豪メルボルン博物館が島根県沖の日本海で実施した調査に同行した。定置網にかかった殻の直径約12cmのアオイガイのメスを水槽に入れたところ、体内から長さ8cmの交接腕が出てきた。腕は水槽内で5日間活動を続けた。
 土屋光太郎・東京海洋大助教授(軟体動物学)によると、交接腕は中に精子入りのカプセルが詰まっている。腕を切り離したオスはすぐ死ぬが、交接腕はメスの体内で受精の時期を待つという。
 広い外洋でアオイガイの雌雄が出会う機会は少ない。オスは出会ったメスが未成熟でも、交接腕を切り離して預けることで、繁殖の確率を高めているらしい。

面白い生態ですね。

★オマケ
オウムガイの学名は Nautilidae というのですが、これがSF「海底二万里」のノーティラス号のもとなんです。で、アメリカの潜水艦にもノーティラスという名前がありましたっけね。
今度、潜水艦ノーティラス号の名前に接することがあったら「あ!オウムガイだ!」と叫んで下さい。

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