ハンドボールのゴール
★悲しい事故がありました。
ゴール倒れ小2重体 指導者らと遊び中 東京・新宿の中学校(朝日 2013年5月14日)
12日午後2時20分ごろ、・・・東京都新宿区の区立中学校で、ハンドボールのゴールが倒れ、区内の小学2年の女児(7)がゴールと地面に頭部を挟まれ、意識不明の重体になった。区が13日に発表した。
区によると、当時、地域のサッカーチームの試合があり、女児は応援に来ていた。校庭にあったハンドボールのゴールで、女児とサッカーの男性指導者、同級生3人が一緒に遊んでいたところ、ゴールが倒れたという。ゴールは高さ2メートル、幅3メートルで重さは約140キロ。重しで固定していたという。牛込署が原因を調べている。事故を受け、区は早急に区内の小中学校や公園のスポーツ器具や遊具の点検を行うという。
事故の詳細はわかりません。強風で吹き倒されたのではないのでしょうから、誰かがぶら下がってゴールが前に倒れたのではないでしょうか。
「重しで固定していた」とあるのですが、ゴールの構造は「テコ」になっていることを忘れていませんか?
ハンドボールのゴールのサイズです。高さ2m、下の奥行きが1.3mです。
Aのところの横棒に人がぶら下がって真っ直ぐに静かにぶら下がっているだけならともかく、揺らすと、Aを力点、Bを支点、Cを作用点とした「テコ」になり、Cの位置の横棒の上に重しを置いても、意外と簡単に持ちあがってしまうと思うのです。
力が約1.5倍に増幅されますからね。
テコというと、一本の棒のように考えがちでしょうけれど、こういう構造もテコです。
釘抜きという道具を御存知ですか?
こういうの。バールとも言います。私の周辺では「バリ」と言っていた人もいましたが。
木に打ち込まれた釘をテコの原理で抜く道具です。
テコ比は異なりますが、ハンドボールのゴールと同じであることは一見して分かりますね。
サッカーやハンドボールのゴールは倒れやすいのだ、重しをのせても、テコで簡単に動いてしまう、だから、よほどの重さの重しでないとダメなんだ、と意識してほしいのです。
可能な配慮としては、コンクリートブロックか何かを、Bの位置にかまして、ゴール全体を少し後ろに傾ける、という手があるかもしれません。
そうすると、人がぶら下がっても、すぐに前に倒れてくるということが減るでしょう。
ただ、スポーツの立場からは、ゴールの正面向きの断面積などが少しずれるんで、公式戦ではやれないかもしれない。でも、学校の校庭のゴールだったら少しくらい後ろに傾けても、大差ないはずですが。
こういう事故が繰り返されないように、配慮して下さい。
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