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2013年5月 7日 (火)

下弦

★八十八夜の話を書きましたが、今年の5月2日は八十八夜と同時に「下弦」だったんですね。
で、ちょっと月のお話を。

私たちは太陽暦に親しんでいます。知識として、月の満ち欠けがあることは知っているし、新月、満月、三日月くらいは常識的に「一応」知っている。(つもり)

★では
下のような記事がありました。

   幻のきりえ見つかる 「モチモチの木」原画(2013年04月24日)
 きりえ作家滝平二郎(たきだいらじろう、1921~2009)が描いた絵本『モチモチの木』(斎藤隆介作、岩崎書店)の原画が、千葉県柏市の自宅兼アトリエから見つかった。現在の版の「二十日の月」と異なり、「三日月」が夜空に輝く幻の原画だ。
 『モチモチの木』は、少年が祖父を助けるため、夜中に山を下りて医者を呼びに行く物語。71年に刊行され、130万部を超えるロングセラーだ。一部の教科書には現在も載っている。
 原画は滝平の長男加根(かね)さんが見つけた。小雪の舞う夜更け、トチの大木の背後に三日月がかかっている。岩崎書店の元編集者池田春子さんによると、初版は三日月だったが、数年して「丑三(うしみ)つ時に三日月が上るのはおかしい」と小学校教諭から指摘があり、77年から本文と絵を二十日の月に差し替えたという。滝平は不本意で、立腹して三日月の原画を捨てようとしたが妻の普美子さんが止め、現在まで残っていたようだ。
 茨城県近代美術館の回顧展を担当した小泉淳一企画課長は「より明るい二十日の月になって、月明かりで大木が燃えるように見える場面の説得力が増したのでは」と話す。

私も子育ての頃、この本をずいぶん読み聞かせしましたっけ。
HOLPの絵本をずいぶん買い込んだなぁ。ずいぶん読み聞かせました。
おそらく、「二十日の月」のバージョンを読んだのだと思います。
で、どうだったかな、「三日月」バージョンを読んでも、私はその「おかしさ」には気づかなかっただろうと思います。

みなさんは、「丑三(うしみ)つ時に三日月が上るのはおかしい」という感覚に、ストレートに「そうだよなぁ」となりますか?

三日月って、いつのぼってきて、いつ沈むんでしょう?
ふと空を見上げたら月が見えた。そのとき、およその感覚で何日の月か分かります?
新月→上弦→満月→下弦→新月→・・・
このくらいの荒っぽい区切りでいいとして。
三日月は新月と上弦の間ですよね。

新月は:明け方に出て、昼に天頂にあって、夕方沈む。
上弦は:昼に出て、夕方に天頂にあって、夜中に沈む。

その間ですから、
三日月は:朝方にのぼってきて、午後に天頂、夕方には西の空に輝いていて夜の8時9時といった時間帯に沈んでしまう。
「丑三つ時」というのはおよそ午前2時くらいでしょ。
な~るほど。「丑三つ時に三日月」というのはないんだなぁ。
とまあ、ずいぶん考えないと分からないんですよ。少なくとも私は。

東京の2013年の5月でいいますと、(理科年表から)
5/13:正午の月齢 3.1:出6時53分。 南中14時6分。入21時18分
5/30:正午の月齢20.1:出23時13分。南中4時6分。 入9時44分

なるほど、二十日の月なら、丑三つ時に天頂の手前で輝いているようですね。

一生懸命考えないと、月の姿と月齢、出・入・南中の時刻が結びつかないんです。
昔の人は、月を見て、ああ今日は何日くらいだな、とかなり正確に分かったはずなんです。
月を見ている日時と、月の姿が結びついていた。

★私は月の姿の変化は知っていても、空の月を見てそれが何日の月か、ほとんど分かりません。情けない。
Mitikake
こういう図はよく見ますよね。
太陽・地球・月の関係を「地球の北極上空」の宇宙から眺めている「神の眼」です。
地球も反時計回りに自転しています。
この時に、同時に、地上にいる自分の「人の眼」も意識して下さい。
地表に乗って一緒に自転している。明け方ゾーンから昼へ移行し、夕方ゾーンを通って夜になる。
この二つの「眼」を同時に意識できると、月の姿と出・南中・入の時刻の関係がおおよそ見えてくると思います。

★5月2日は下弦でした。真夜中に出て、明け方に南中し、昼前に西の空へ沈んでいったはずですね。その時、月の輝いている部分の直線的な部分は「下向き」です。

上弦・下弦というのが、沈む時の弦の向きなのか
それとも、
新月→上弦→満月→下弦と進行するときの、「先に来る」ことを「上」、後から来るのが「下」というのか。{上旬・中旬・下旬は順序ですよね}
よく分からないままの私です。

★ところで、気になることが一つ。
「滝平は不本意で、立腹して三日月の原画を捨てようとした」とあるのですが、その不本意さは何に対して、であったのだろう?と。
自分が間違った絵を描いてしまったことが不本意だったのか。
間違った絵の本を出版してしまったことが不本意だったのか。
他者から指摘を受けた、ということが不快だったのか。
そのあたり、もう少しクリアな書き方をして頂くとよかったなぁ、と思うのです。

★古い歌ですが
よしだたくろうさんの「旅の宿」という歌の歌詞の一部。

部屋の明かりを すっかり消して
風呂上がりの髪 いい香り
上弦の月だったっけ
久しぶりだね 月見るなんて

部屋の明かりを消して「夜空」をみれば「半月」。
そう、その状況で見えるのは「上弦の月」ですね。夜中に沈みます。
間違ってなくてよかったですね、岡本おさみさ~ん。

★昔、小学校1年生のとき。人数が多すぎて普通教室が足りなくって、私のクラスは理科室でしたね。たまたま、担任の女性の先生が、産休を取られまして、産休代替の先生は専門が家庭科。どういう授業だったか詳細は全く分からないのですが、その先生が、月は西からのぼる、と教えた。私、ショックを受けてしまって。月の出の時刻は変化するけど、でも東から出るんだけどなぁ、どうしよう、先生が間違ったことを教えるなんていうことがあり得るんだろうか???
悩んだあげく、母親に相談したら、先生も勘違いすることはあるのだ、となだめられ、私の知らないところで、学校に訂正を求めたようでした。(後から知ったこと)
小学校1年生にはホント、ショックでしたっけ。

蕪村の「菜の花や月は東に日は西に」のようなのを、勘違いしたのかなぁ。
月は東に沈んで日は西に沈む、とでも。
日が西に傾いた時に月が出てくるのであって、つまりこれは「菜の花畑の満月」という風景なのでしょうけれど。

★NHKラジオで聞く気象予報士の伊藤さんのブログをまた引用。
http://blog.nikkeibp.co.jp/wol/ito_miyuki/2013/05/post-1093.html
2013年5月 6日 10:35
連休は、夏日と雷雨で締めくくり。
・・・
 そして今朝3時、タクシーに乗ろうとしたら、東の空に銅色のような月。ちょっと待ってもらって、写真を撮りました。
・・・

いつも朝の5時半過ぎの放送を耳にはさんでいるのですが、午前3時には出勤なのですね、大変なお仕事です。
この2013.5.6は正午の月齢が25.7。
出:2:20
南中:8:36
入:14:59
でした。(理科年表より)
2:20が月の出ですから、3時ころというと、比較的低い東の空だったでしょうね。
上の図で、下弦と新月の間の月の姿を「人の眼」で想像して下さい。

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