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2013年5月10日 (金)

★旧聞に属しますが
★4月19日のニュース(朝日新聞 2013年4月19日)

15人死亡?160人けが 米工場爆発
 17日午後8時(日本時間18日午前10時)ごろ、米テキサス州ウェイコ近くの肥料工場で大規模な爆発と火災が起きた。周辺数ブロックの建物が倒壊し、地元警察によると5人から15人が死亡、160人以上がけがをしている。救助作業は続いており、被害者は増える恐れがある。オバマ米大統領は、犠牲者に祈りをささげ、確実に必要な支援をするとの声明を出した。
 現地からの報道によるとアンモニアのタンクで火災が発生し、爆発が起きたとみられる。火災原因は不明だが、地元警察は「犯罪であることを示すものはないが、その可能性も除外はしていない」と述べた。
 工場はウェイコの約30キロ北にある街ウェストにある。

 ・・・
 爆発は数ブロックの建物を破壊するほどの激しさで、1・6キロ離れた住宅でも窓ガラスが音をたてて揺れ、70キロほど離れた場所でも爆発音が観測された。米地質調査所によるとマグニチュード(M)2・1の地震と同じ規模だった。
 ・・・
 爆発の原因となったとされる肥料原料の無水アンモニアは、吸入したり皮膚についたりすると人体に悪影響を与える。
 工場にはまだ多量に貯蔵されているとみられ、漏出や爆発の恐れがあることから、付近の住民約2800人の多くは避難し、周辺への車の進入も禁止された。また、米連邦航空局は現場上空に飛行制限区域を設けている。

このニュースを聞いた時、最初に思ったのは、昔、貨物船の積み荷の硝酸アンモニウムが爆発して大災害となった話です。この話は、授業でも話しました。固体の硝酸アンモニウムが分解して気体になると、とてつもない体積の増加が起こり、「火」「燃焼」がなくても「爆発」になるということなのです。
妻にもその時、硝安じゃないの?と話をしたのですけれど・・・。
でも、「アンモニアの火災らしい」ということだったので、そんなもんかなぁ、と思っていました。
ただ、「無水アンモニア」という言葉が気に食わなくて、なにかブログに書こうかな、と思いつつ放置していました。
「無水アンモニア」というのは要するに気体のアンモニアのことです。それだけのことを「無水」とかいわれると、なんだろう?という気にさせてしまう。そういう余分なことはしない方がいい。

★5月8日のNHKのニュース

米の工場爆発 硝酸アンモニウムが(NHK 5月8日 7時19分)
先月、アメリカ南部のテキサス州で14人が死亡した肥料工場の爆発について、原因の調査に当たっている州当局は、爆発したのが、工場で保管されていた硝酸アンモニウムだったことを明らかにしました。
この爆発は、先月17日、テキサス州のウエストにある肥料工場で起きたもので、消防隊員や住民ら合わせて14人が死亡し、200人以上がけがをしました。
爆発の原因を調査している州の消防当局は、7日までにこれまでの調査結果を公表し、大規模な爆発を起こしたのが工場に保管されていた肥料用の硝酸アンモニウムだったことを明らかにしました。
爆発のあと、硝酸アンモニウムが保管されていた場所には、直径が30メートル近い穴ができていたということです。
一方、爆発の前に工場で起きた火災について、消防では肥料や種を保管する建物が火元だったことは突き止めたものの、詳細は分かっていないとしています。
消防では、引き続き70人態勢で調査を続け、今月後半には火災や爆発が起きた詳しい原因を明らかにしたいとしています。

やっぱなぁ。硝酸アンモニウムだ。私の最初の直感は正しかったようですね。
気体のアンモニアで
「爆発は数ブロックの建物を破壊するほどの激しさで、1・6キロ離れた住宅でも窓ガラスが音をたてて揺れ、70キロほど離れた場所でも爆発音が観測された。米地質調査所によるとマグニチュード(M)2・1の地震と同じ規模だった。」
これはちょっと無理っぽい。

気体アンモニアが「引火」するということはあまり考えなくていいはずですし、爆発範囲も下限が16%、上限が25%(容量百分率)と、範囲が狭いので、大爆発に至るというのは難しいような気がします。

硝酸アンモニウム(俗称「硝安」)は熱分解します。
NHNO→NO+2H

200℃を超えたあたりで別の分解過程もあって
2NHNO→2N+4HO+O

どちらにしても、固体から大量の気体を発生する過程ですから、これは爆発になります。

引き金になるような、「発熱」があったのでしょうね。火災か、何らかの異状による熱の蓄積かは分かりませんが。あとは加速度的に分解が進んで大爆発事故になったのでしょう。

今回、検索してみたらウィキペディアに事故例がありました。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A1%9D%E9%85%B8%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%82%A6%E3%83%A0

事故事例
1921年にドイツ・ルートヴィヒスハーフェン近郊のオッパウにあるBASF化学工場で、吸湿して固化した硝酸アンモニウムと硫酸アンモニウムの混合肥料を粉砕するためダイナマイトによる発破を掛けたところ、4,500トンあまりが爆発し、死者500 - 600人、負傷者2,000人以上の大惨事となった。現場には直径100メートルのすりばち状の穴ができたという。ただし爆轟に導くことは難しく、事実、この工場は設営時から事故時まで継続的にその方法をとっていたが、この事故まで問題は起こらなかった(オッパウ大爆発)。

1947年4月16日にはアメリカテキサス州のテキサスシティで、係留中の船舶の火災から積荷の硝酸アンモニウムに引火・爆発して581人が死亡している(テキサスシティ大災害)。この時は消火の放水によって硝酸アンモニウムの吸湿・劣化を恐れた関係者が初期消火を渋ったことで、被害を大きくする一因となったと言われている。

この1947年の事故ですね、私が授業で話したのは。
爆発というと、可燃性の物質の燃焼を考えがちですが、爆発という出来事の本質は「短時間での体積の極度の増大」なのです。

ひとつ疑問が解けました。

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