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2013年4月22日 (月)

抱っこして歩くと赤ちゃんがリラックスする仕組み

★前置き不要で、理化学研究所のプレス発表資料をご覧になりたい方は下のURLへどうぞ。
http://www.riken.jp/pr/press/2013/20130419_2/

★4月19日の朝、目覚ましのラジオから聞えてきたNHKのニュース。
NHK(4月19日 4時37分)

「抱き歩きで安心」実験で証明
 泣いている赤ん坊を抱き上げて歩くと、泣きやんで眠ってしまうケースが多いことが知られていますが、理化学研究所などのグループは、これを実験で証明し、同じ哺乳類のマウスでも同様の現象が現れることを明らかにしました。
 理化学研究所などで作るグループは、生後6か月以内の赤ちゃんをその母親に抱いてもらい、30秒ごとに座ったり立って歩いたりする実験を、12組の親子に対して行いました。
その結果、歩いているときは赤ちゃんの泣く時間が座っているときのおよそ10分の1になったうえ、心拍数も少なくなり、リラックスした状態になっていることが分かりました。
 さらに、同じ哺乳類のマウスについても、首の後ろを人がつまみ上げる実験を行ったところ、生後12日のマウスでは、平均でつまんでいた時間の90%以上の時間、おとなしくしていたということです
 実験結果について、グループでは、赤ん坊は、親が運びやすくすることで、子育てに協力しているのではないかとしています。
研究にあたった理化学研究所の黒田公美ユニットリーダーは、「さらに研究を進め、育児をサポートできる成果を出したい」と話しています。

で、
そんなの既知のことじゃないの?ネコもトラもライオンも、みんなそうだってこと、知らないのかなぁ。
と思ったわけです。
ネコなんか、結構大きくなっても、首の後ろをつままれると、たれっとなって抵抗できなくなりますよね、誰でも知っている。

★朝日新聞(4/19)では

抱っこして歩くと…赤ちゃんリラックス
 抱っこして歩くと赤ちゃんが泣きやんで眠りやすいのは、座っている時よりもリラックスするためらしい。理化学研究所脳科学総合研究センターの黒田公美ユニットリーダーらが、ヒトとマウスの実験で明らかにした。哺乳類の子どもが、運んでくれる親に協力する共通する仕組みとみられる。米専門誌カレントバイオロジーに19日発表した。
 母マウスの動作をまねて、子マウスの首をつまんで持ち上げると、子マウスは発声が減り、心拍数も下がり、リラックスしていることがわかった。
 ヒトの母子12組の協力を得て、6カ月以内の赤ちゃんを抱いた状態で30秒ごとに、座る、立って歩くを母親に繰り返してもらった。座る時に比べ、歩くと赤ちゃんが泣く時間は10分の1に減った。自発的な動きは約5分の1になり、心拍数も小さくなった。子マウスが運ばれる時と同じように、ヒトの赤ちゃんもリラックスすると推定されるという
 哺乳類の動物が口にくわえて子どもを運ぶ際、子どもは体を丸くして運ばれやすい姿勢をとる。「自分で移動できない赤ちゃんは、親に運ばれる時はリラックスしておとなしくなり、親も助かる」と黒田さんは話している。

なるほど。
ヒトの赤ちゃんを抱っこして歩くと大人しくなることは、既知のことだが、明確に測定はされていなかった。それを泣き声・心拍数で確認した。
同じことがマウスの子の首をつまんでも起こっている。
抱く・首をつかむと行動の表れは異なっているが、哺乳類として同じ仕組みであることがわかった。
ということらしいな。と了解。
NHKの報道は、内容の論理構成がちょっと貧弱でしたね。反省を要しますよ。

★毎日では4/20付で

赤ちゃん:抱っこして歩くと泣きやむ理由、科学的に検証
 親が赤ちゃんを抱っこして歩くと、赤ちゃんが泣きやんでリラックスする仕組みを科学的に検証したと、理化学研究所の黒田公美(くみ)ユニットリーダー(神経科学)の研究チームが発表した。18日付の米科学誌カレントバイオロジー(電子版)に掲載された。
 子が親に運ばれるとき、おとなしく丸くなる反応は、ライオンやリスなどヒト以外の哺乳類にも共通しているが、その仕組みは分かっていなかった。
 チームは、生後6カ月の赤ちゃんを腕に抱いた母親12人に、約30秒ごとに座ったり歩いたりという動作を繰り返してもらい、赤ちゃんの心拍数や泣く時間を調べた。
 その結果、母親が歩き始めた約3秒後に心拍数が低下してリラックスした状態になり、座っているときに比べて泣く時間が約10分の1になった。赤ちゃんのおなかを親の体につけるように抱いた方がより効果的だった。
 さらに、マウスが首の後ろをくわえて赤ちゃんを運ぶことに着目。マウスの赤ちゃんの首の後ろの皮膚をつまんで持ち上げると、心拍数が低下しておとなしくなることも分かった。ヒトもマウスも、皮膚感覚と運ばれる感覚の両方が赤ちゃんのリラックスに関係しているようだ

皮膚感覚と(空間を)運ばれているという感覚の両方が必要だ、という点に言及しています。

★理化学研究所のプレス発表資料を見つけました。要旨のところだけ引用します。
http://www.riken.jp/pr/press/2013/20130419_2/
<引用始>
抱っこして歩くと赤ちゃんがリラックスする仕組みの一端を解明
-経験則を科学的に証明、子育ての新たな指針に-

要旨
理化学研究所(野依良治理事長)は、哺乳類の子どもが親に運ばれる際にリラックスする「輸送反応」の仕組みの一端を、ヒトとマウスを用いて科学的に証明しました。これは、理研脳科学総合研究センター(利根川進センター長)黒田親和性社会行動研究ユニットのジャンルカ エスポジート(Gianluca Esposito)国際特別研究員と吉田さちね研究員、黒田公美ユニットリーダーらと、精神疾患動態研究チーム、トレント大学、麻布大学、埼玉県立小児医療センター、国立精神・神経医療センター、順天堂大学による共同研究グループの成果です。

私たちは、母親が赤ちゃんを抱っこして歩くと泣き止んで眠りやすいことを、経験的に知っています同様な行動はライオン、リスなどヒト以外の哺乳類にも見られ、母親が仔を口にくわえて運ぶと、仔は、丸くなって運ばれやすい姿勢をとります。これを「輸送反応」と呼んでいますが、これらの子どものおとなしくなる反応についてはあまり科学的な研究がされておらず、その意義や反応を示すときの神経メカニズムも不明でした。

共同研究グループは、まず生後6カ月以内のヒトの赤ちゃんとその母親12組の協力を得て、母親に赤ちゃんを腕に抱いた状態で約30秒ごとに「座る・立って歩く」という動作を繰り返してもらいました。その結果、母親が歩いている時は、座っている時に比べて赤ちゃんの泣く量が約10分の1に、自発的な動きが約5分の1に、心拍数が歩き始めて約3秒程度で顕著に低下することを見いだし、赤ちゃんがリラックスすることを科学的に証明しました。次に、母マウスが仔マウスを運ぶ動作を真似て、離乳前の仔マウスの首の後ろの皮膚をつまみあげると、ヒトの場合と同様に泣き止み、リラックスして自発的な動きと心拍数が低下し、体を丸めました。さらに、体を丸めて運ばれやすい姿勢をとるには運動や姿勢の制御を司る小脳皮質[1]が必要なこと、おとなしくなる反応には首の後ろの皮膚の触覚と、体が持ち上げられ運ばれているという感覚の両方が重要であることが分かりました。また、この仔マウスの「輸送反応」を阻害したところ、母親が仔マウスを運ぶのにかかる時間が増加することも分かりました。

今回の成果から、哺乳類の赤ちゃんはおとなしくなる「輸送反応」によって自分を運んでくれる親の子育てに協力しているといえます。またこのような研究は今後、科学的な知識に裏付けられた子育て方法のための新しい指針作りに役立つと期待できます。本研究成果は、米国の科学雑誌『Current Biology』(5月6日号)に掲載されるに先立ち、オンライン版(4月18日付け:日本時間4月19日)に掲載されます。
<引用終>

この発表に添付されている写真が最高にいい!
動画もあって、これがまた最高にいい!
子育て、動物好きという方は必見!
是非ご覧ください。
難しい論文ではないので、動画、写真、グラフなど見れば、簡単に理解できますよ。
どうぞ。
{リスのお母さんが赤ちゃんをくわえて「跳んでいる」写真はすごいなぁ。
動画の終わりにまた、可愛い親子が写ってたりして、凝った構成です。}

★昔、子育て中。昼寝させようと腕に抱いて部屋の中を歩くと、うつらうつらし始めて、眠る。寝たか、と布団に置くと、ぱっちり目を開く。また抱いて歩くと眠る。置くとお目ざめ。
これを繰り返したことを思い出します。
今頃になって、ナゾが解けたぞ。
妻に理化学研究所のサイトを見せて、動画や写真も見て、二人で大喜びしたという次第です。

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